モズクは卵でもんでおく
「衣がふわっとしていてウマい!」
沖縄定番のツマミを口にしたカメラマンが食べた瞬間、驚いたのも無理はありません。
撮影や取材を終えて試食したのは、モズクの天ぷらが揚がってから40分ほど経っていました。それでいて風味を損なわない食感は見事です。
「モズクは、まず卵でもんでおくの。よくもんで卵がなじんだら、そこに薄力粉を加えるんだよ。水は一切いりません」
一般に天ぷら粉は、小麦粉を水で溶きます。それとは一線を画す作り方が、沖縄天ぷら独特の食感を生んでいるのです。
モズクは、投入した薄力粉と一緒にもう一度もみます。「粉がダマにならず指につかないくらい」がちょうどいい粉の量です。あとは180度の油で揚げるのみ。手間がかかるイメージの天ぷらが、これなら簡単です。
「沖縄風にウスターソースでもいいし、塩でもおいしいよ」
沖縄旅行が難しい今、せめて気分だけでも沖縄風にウスターソースでいただきましょう。
材料
・モズク 100グラム
・卵 1個
・薄力粉 適量
・油 適量
・ウスターソース 適量
レシピ
(1)生モズクはそのまま、塩漬けモズクは塩抜きしてから水を切ってボウルに入れ、卵でもんでおく。モズクが長ければハサミなどで3センチ程度に切る。
(2)1に薄力粉を投入。よく混ぜる。
(3)小鍋に油を張って、180度に温めたら、2をスプーンですくい1つずつ揚げる。記者は1人用のアヒージョ鍋を使い、少量の油で揚げ焼き感覚で作ってみた。コツは、一般の天ぷらではNGの返しをすぐにやり、まず周りを衣でコーティングすること。片面をじっくり揚げようとすると油から出ている部分の天ぷら粉が下がり、衣が不均一になりやすい。全体をコーティングしたら、片面ずつ火を通す。湧き出る気泡が小さくなったら返し、また小さくなったら出来上がりだ。
本日のダンツマ達人…宮良隆生さん
▽宮良隆生(みやら・たかお)
沖縄県石垣島出身。お酒と音楽をこよなく愛し、店の2階には沖縄大衆芸能の開拓者で「てるりん」こと故・照屋林助さんの遺志を伝えるべく、「てるりん館東京」を開設。息子で三線職人の林次郎さんが館長で、不定期にライブや展示会が開かれる。
▽みやら製麺
東京・上野の黒門小学校の南側にある沖縄そば店。麺は、八重山諸島で親しまれている八重山風の丸麺を毎日打っている。化学調味料を使わず、丁寧にとったダシは透き通っていて、「本場よりウマい」と評判。現在はランチ営業のみ。東京都台東区上野1―2―8。
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