他人との距離感に悩むと陥る”ヤマアラシのジレンマ”とは?

おくげちゃん 漫画家・イラストレーター
更新日:2021-02-19 06:00
投稿日:2021-02-19 06:00
 “ヤマアラシのジレンマ”という言葉を聞いたことはありますか? 心理学の分野で用いられる用語で、某アニメの中でも使われた有名な言葉です。自信がない人や優しく繊細な人は、この状態に陥ってしまった経験がきっと何度もあるはず。どろんぱではコミがママに何やら相談中のようで……。

(漫画:おくげちゃん)
(漫画:おくげちゃん)

他人との適切な距離を見つけるための痛み

 ヤマアラシという動物にはたくさんのトゲがあります。そのため、ほかのヤマアラシと触れ合いたいと思っても、そのトゲで互いが傷つき、傷つけ合ってしまう。相手のことをもっと知りたいのに、その触れ合いで相手を傷つけてしまうかもしれない。そして自分も傷つくかもしれない。だから怖い、でも近づきたい。

 こんなふうに2つの感情の間で動けなくなってしまうことを”ヤマアラシのジレンマ”と言います。

 大人になればなるほどコミュニケーションは複雑で、気を遣うものになってしまいがちです。自分の何気ない一言で相手を不快にさせるかもしれない、相手の悪意のない一言で傷ついた経験がある……。そんな人は少なくないのではないでしょうか。

 人は他者がいなければ生きていくことはできません。でも、その他者がいるから傷ついてしまうことも事実です。だから私たちは相手との適切な距離を知りたいと思うのです。でもその距離を知るには、やはり痛みを伴うことは避けられません。

 しかし、

・一気に距離を縮めようとしない
・痛むことをあらかじめ知っておく

 そうすることで、痛みを軽減することはできます。恋人や友人、家族といった近しい関係でも、適切な距離を取るのは大切なことです。そして何よりこのジレンマに陥ってもそこでとどまらないこと。これを大切にして、たくさんの人と接していってほしいと思います。

登場人物紹介

コミ
主人公もモジョ子の先輩。繊細なモジョ子のことを気づかってママに相談したりする心優しい酒乱。

ママ
どろんぱのママ。その豊富な人生経験で数々のお客や女の子を導いてきたらしい。モジョ子やコミを厳しくもあたたかく見守っている。

おくげちゃん
記事一覧
漫画家・イラストレーター
酒呑みまんが家。ふしぎで妖しい話を描いています。就活が嫌すぎて3年間ドイツに逃亡するなど放浪癖あり。京都市出身、東京在住。水商売歴10年。XInstagramでは毎日漫画を更新中。実績などはこちら

ライフスタイル 新着一覧


大谷翔平選手の出身地「姉体(あねたい)」の由来は?
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ほっこり癒し漫画/第69回「ブンブンブン イェ キバタン」
【連載第69回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、突然「コクハク」に登場! 「しっぽ...
ハンカチ貸しただけで?いちいち細かいお礼LINEが面倒くさい
 誰かにお礼をされて嫌な気持ちになる人は、あまりいないですよね。  でも、お礼を大切にする人の中には、些細なことで...
既婚の女友達「37のおばさん」マウント&失礼の破壊力…少し気遣って。
 天然で言っているのか、それとも意味を持たせて言っているのか分からない“失礼なLINE”が送られてきた経験はありませんか...
うるさーい! 兄弟喧嘩にキレる前にママにできる対処法3つ
 子育て中に親を悩ませるのが「兄弟喧嘩」です。仲良い時があると思ったら、数分後には取っ組み合いの喧嘩をしている…。ただで...
同棲する男の熱愛報道 週刊誌へのタレ込みを画策する裏切られたワタシ
 34歳の真弓は若手映画監督のマサキ(34)と交際している派遣社員。交際は10年以上、マサキとの結婚を夢見ている真弓だが...
玄関に女性ものの靴…交際12年、男に尽くし続けた34歳派遣社員の悲劇
 34歳の真弓は若手映画監督のマサキ(34)と交際している派遣社員。交際は10年以上、マサキとの結婚を夢見ている真弓だが...
有名人と同棲する“一般女性”の打算。彼を支える健気なワタシの結婚は?
 久我真弓はひとりベッドに潜り、寝室で恋人を待っていた。  空気も冷たい午前0時。惰性で続けていたスマホゲームのレ...
地味に増加中?メンズカット女子に見る、トレンドなき時代のファッション
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...
あなただけじゃない!40代女性フルタイム会社員がきつい訳&対処法3つ
 40代女性は、仕事や家事、育児など人生でとても忙しい時期を迎えていると言えます。また、家や車の購入など、大きな出費も多...
「みんな好き」と言っていた子が突然「順位」を付け始めた
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
まるで産毛みたい!ほわほわなプリティ“たまたま”が愛おしい
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
スマホゲーム、やめたい!お金と時間の無駄遣いに決別するために試すこと
 スマホゲームって、ちょっとした待ちや、トイレの間など隙あらばついつい触ってしまいますよね。  しかも、やり出して気が...
青色の花が流行中!「#卒業式サプライズ」を彩る花束の話
 3月しょっぱなから全国的に卒業式シーズンに突入。テレビの情報番組ではSNSなどで「#卒業サプライズ」と称して卒業生や恋...
女友達「睡眠2時間、起きっぱなし」ってやっぱり仕事やってるアピかな?
 本当に仕事ができる人は効率よく仕事をし、遊びも睡眠もきちんと時間を確保する余裕のある人が多いですよね。  一方、...