圧迫されると興奮…学生時代の経験が招いた新しい快楽の世界

大泉りか 作家・コラムニスト
更新日:2021-04-20 06:10
投稿日:2021-04-20 06:00

圧迫プレイからSMに目覚め…

 圧迫プレイを通してM的な快感に目覚めたちづるさんは、さらには緊縛やSM全般にも興味を抱き、挑戦してみることに。

「緊縛は野菜のネットに入れられているような感覚ですね。『緊縛をされて、おっぱいがはみ出てる恥ずかしい姿を観て……』とかの羞恥心の快感ではなく、縄で身体を圧迫されているという意味でいいんです。

 わたしはSMがめちゃくちゃ好きってわけではないけど、エッセンスは楽しいなって思ってるんです。

 例えば、相手に服従してしまえるところ。わたしは親から『自立をしなさい』『自分の脚で立って歩かないといけない』『責任を取りなさい』って育てられてきたので、他人に自分のことを丸投げするっていうのが初めてで。

 SMの、何も考えずに相手に身を任せられるっていうところがいいなって思います。」

「なんとなく、気持ちいい」が新しい扉を開ける?

 しかし、ちづるさんが興奮を覚えるのは、被虐されることばかりというわけでもないといいます。

「相手に噛まれたいっていうのもあるんですが、相手を噛みたいって欲求もあるんです。盛り上がって気持ちよくなりすぎた時に、相手を噛みしめたい。シーツや枕だと噛み応えがないし。(笑)

 でも、『気持ちいい』という思える行為であっても、やっぱり噛まれると痛いので、人によっては冷めちゃうと思うんですよ。わたしは、セックスの時に本能を露わにしてくれる人が好きだから、相手に噛まれるのも『興奮してるんだな』って思って嬉しいんですけどね。

 そういう性癖を自分が発見してから、人と付き合うハードルが上がってしまいましたが、性癖があわなかったとしても、一緒に探求できる人がいいって思うようになりました。」

 例え、“圧迫”という行為ひとつとっても、苦痛が好きな人もいれば、重みに安心感を覚える人もいる。“噛みたい”という気持ちと、“噛まれたい”という願望が同時にあってもおかしくない。

 ジャンルレスに自分の好きな行為を探していくことで、ちづるさんの性の世界は広がることになったのです。

 最近、性に少し物足りなさを感じている方は、まず、「なんとなく、気持ちいい」を見つけることからはじめてみてはいかがでしょうか。

大泉りか
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作家・コラムニスト
ライトノベルや官能を執筆するほか、セックスと女の生き方や、男性向けの「モテ」をレクチャーするコラムを多く手掛ける。新刊は「女子会で教わる人生を変える恋愛講座」(大和書房)。著書多数。趣味は映画(映画館で年間100本以上)、海外旅行。愛犬と暮らして14年目の犬飼い。X

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