愛猫が誤飲疑惑!救急病院で手術してお腹から出てきたのは…

コクリコ 編集者
更新日:2021-05-23 11:02
投稿日:2021-05-16 06:00

医師初見と気になる費用

 ある朝、突然嘔吐を繰り返し、ぐったりと元気をなくした生後10カ月のメス猫・虹ちゃん。動物病院に行くも原因がはっきりとしないため帰宅させられるも、夜になっても体調はよくならず救急病院へ。

 日中に行った動物病院で言われたことを伝え、フェルト紐のおもちゃも見せると、「内視鏡で見てみましょう。もし異物があってそのまま取れそうであれば取ってもいいですか? もしも取れないところ……腸の方まで行っていたら開腹手術になりますが、大丈夫ですか」と確認されます。

「大丈夫です」と伝えると、友人が「ちなみにいくらくらいするんですか?」と聞いてくれました。友よありがとう、めっちゃそれ気になってました!

「全部で10万円ちょっとですね。診察代、内視鏡手術、麻酔、入院費(麻酔から覚めるまで1泊入院扱い)になるのでその分が加算されます」。おお、高いな。

深夜1時の手術に

 金額を聞いて「じゃあやめます」とはなりませんが、金額を聞いておくことは大事ですね。あとでびっくりしちゃうので。「大丈夫です、お願いします」と、鳴きもせずぐったりとしている虹ちゃんを先生に預けました。

「ほかの患畜(治療を受けている動物のこと)さんもいるので、虹ちゃんの手術は深夜1時頃に行うことになります。麻酔から覚めてからお迎えに来ていただきたいので、朝、来てください。お電話します」とのことで、友人と別れて自宅で待機。

 その日締め切りだった仕事がまだ終わってないので、仕事をしながら電話を待つことにします。

「極彩色の紐が30センチ出てきました」

 もう1匹のオス猫・天ちゃんは、虹ちゃんがいないこと、お母さんがこんな夜中まで寝ずに仕事をしていることなど、いつもと違う我が家の様子が不安なのか、うろうろと私の周りを歩き回っています。

 深夜2時。病院から連絡がきました。

「内視鏡で見てみたら、なにかが見えたので取りました。極彩色の紐が30センチくらい出てきましたよ。麻酔からまだ目覚めていないので、6時以降にお迎えに来てください」。

 30センチ!!!!

 家にあるフェルト紐のおもちゃを見ます。極彩色だ。間違いない。虹ちゃんごめん~、お母さんがこんな切れやすいおもちゃを買ってきてしまって……涙。先生に何度もお礼を伝え、電話を切ります。「天ちゃん、虹ちゃん大丈夫だったよ!」と天ちゃんに話して、ほっとして1時間くらい横になりました。天ちゃんはべったり私にくっついていました。

誤飲はオスの猫のほうが多い?

 早朝6時過ぎに救急病院へ到着すると、奥の方からぎゃーぎゃーと騒いでいる猫が出てきました。虹ちゃんです。元気そう! 先生から処置について説明を受け、出てきた紐を見せてもらいます。胃の内容物にまみれた極彩色の紐でした。長い……よくこんなものを。

「気合いで飲み込んだんでしょうね……虹ちゃん」と先生も苦笑い。もともと食べるつもりではなくても、噛んだりなめたりして食感を楽しむうちに舌のトゲトゲにひっかかってしまい、紐をどんどん喉の奥へ送り込んでしまうことがあるのだとか。

 そして先生が言うには誤飲はオスの猫のほうが多いそうで、メス猫・虹ちゃんのおてんば感が際立ちました。

誤飲事件で得た教訓

 今回は内視鏡で胃にとどまっている紐を取り出せましたが、紐が胃から腸に進んでしまって、腸に詰まったり、巻きついてしまって死に至ることもあるそう。早めに病院に行ってよかったです。友人に感謝。また、普段から内視鏡のある動物病院を調べておくことも大切だとわかりました。

 帰りのタクシーの中でもぎゃーぎゃー騒ぐ虹ちゃん。キャリーバッグのファスナーを中からこじ開けて、顔を出してきました。危ない危ない。さっそく元気すぎる。家に着くと天ちゃんが虹ちゃんをねぎらっているのか、ぺろぺろと体を舐めてあげていました。よかったね……元気にまた暮らせるよ。フェルト紐のおもちゃはごみ箱にダンク。本当におもちゃには気をつけよう……。

 その後3週間ほど、虹ちゃんは内視鏡を挿管されたときに気管についた傷のせいで、ひどい咳が続きました。その通院も含めて、この一件でトータル17万円ほどの医療費がかかりました。ペット保険に入っていてよかった。6万円ほど戻ってきました。

今度は「湯船にドボン」事件がぼっ発!

 そして元気になりすぎた虹ちゃんは、この2週間後になみなみと湯が張られたお風呂に落ちてしまったのです。湯の入っていない湯舟に入って遊ぶのが好きだったので、この日もそうしようと思ったのか、ドアのすき間からお風呂に入ってそのまま湯舟にダイブ。ずぶ濡れになってお風呂から鉄砲玉のように飛び出てきました。

 猫の祖先は砂漠で生まれ育った生き物らしく、水が嫌い。濡れるのも当然嫌い。それなのに湯舟にドボンとつかってしまったのです。この体験がトラウマになったのか、この一件以来、虹ちゃんはちょっとおとなしくなりました。お風呂にも近寄りません。「わたし、おてんばすぎて死んじゃうかも」と思っているのかも。

 よそのお宅の猫のお話を伺うと、わが家の2匹は本当にいたずら好きのよう。2歳になった今もずっと困っているのですが、命に関わるような事件はこれ以来起きていません。猫と暮らすのは楽しいこともあるけれど、気をつけなくてはいけないこともたくさんありますね。

 次回に続きます。

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


「花粉症の人」「そうじゃない人」の深い溝 2023.3.5(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
能町みね子は思う 愛猫の小町は「血のつながった我が子」
 私は、もう一生、海外旅行には行けないかもしれない。うちで、かわいいかわいい猫の「小町」が待っているからです。──そうは...
“胃腸弱すぎ”アラフォーを救う神メニュー3選 2023.3.4(土)
 またしても胃腸をぶっ壊しています。記憶をさかのぼると、昨年もこんな記事を書いておりました。定期便レベルで腹痛に見舞われ...
辛酸なめ子さん「猫奉仕入門」人より高貴な存在に奉じる幸せ
 猫様、神様、仏様!! ネコの前では誰もが下僕……。猫は迷える人間をいつも導いてくれているのです。
昼と夜で違う顔 ガード下で見つけた芸術作品 2023.3.3(金)
 暗闇をバックに造形が際立つ、まるでガード下の芸術作品。  明るい時間にはなんてことない風景なんだけど、まったく違...
イジリとイジメの違いは?関西出身者は思う「わからん人は使用厳禁!」
 みなさんの生活圏には「イジる文化」はありますか? 私は関西出身なので、お笑いの文化が身近にあり、小さな頃からイジリ慣れ...
プレゼン怖い問題 緊張しない5つの方法で苦手意識をなくす!
 会社でのプレゼンや学校での保護者会など、人前で喋るときに緊張して本領発揮できなくなってしまう人はよくいます。たしかに、...
にゃんたま撮影=合法! プリプリな美少年“たまたま”に大注目
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
職場にひとりはいる!? 驚くほど「働かないおじさん」対策法
 会社で働いていると、びっくりするほど仕事をしないおじさんっていませんか?  働き盛りのアラサー、アラフォー女性にとっ...
三匹寄れば文殊の知恵 2023.3.1(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
超絶かわいい! 春の花「シレネ サクラコマチ」最強の飾り方
「へー!」  以前なにげなく見ていたNHKの特集番組で、思わず声が出たことがございました。なぜテントウムシは自然と...
写真の黒枠は要注意! 40代なら知っておきたい年賀状マナー
 年々、デジタル化が進む現代では、年に一度、心を込めて書く年賀状の意義も大きくなっていますよね。でも、実は年賀状には意外...
BiSHセントチヒロ・チッチ「ハクと坊のきょうだい猫は人を虜にする」
 私、このコたちを我が家に迎える前から、ふたりのファンだったんです。 「セントチヒロ・チッチ」の名前の通り、私はジ...
「新井モーニング」からのストリップ劇場へ 2023.2.28(火)
 書店員でエッセイストで踊り子。コクハクで連載中の新井見枝香さんが出演するストリップを観に行ってきました。ストリップ初心...
自分を追い詰めないで アラフォー女性管理職5つの悩み&解決法
「課長に昇進したのはいいけど、意外とツラい〜!」そんなアラフォー女性、増えています! 豊富な経験から職場で責任あるポジシ...
日光浴&岩盤浴♡ くるんとしたポーズで“たまたま”をチラリ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...