“イクメン”はブランディング…理解なき妻に夫が抱く不快感

並木まき ライター・エディター
更新日:2021-08-14 06:03
投稿日:2021-08-14 06:00

妻も理解していると思っていた

「時代的に『イクメン』ってほうが、周囲から信頼されやすい風潮があるじゃないですか。だから俺は、対外的にはイクメンだっていうことにしているだけ。

 自分でも、俺はイクメンとは程遠いタイプだとわかっていますし、育児も妻に任せています。

 でもね、結婚前にその辺りは、妻に対してちゃんと話してあるんですよ。

 子どもってものが苦手だし、子どもができても俺は面倒をみないと思うけど、大丈夫?って。

 だから、実際に子どもができた今になって『もっと子育てに協力しろ』とか『子育てに協力しないんだったら、SNSにイクメンって出すのをやめろ』とかって言われても、何言っているんだって感じです」

 Aさんは、仕事を円滑に進めていくのを目的とした「イクメン」アピールが、対外的なブランディングであることを理解しようとしない妻に対して、苛立ちが募っているとのこと。

「妻だって外に出て働いているのに、ブランディングの重要性をまったく分かろうとしません」と、不満を口にします。

妻との関係はそろそろ限界

「そんなふうに毎日ギャーギャー言われ続けるものだから、最近では家にいる時間が苦痛ですね。

 スマホをいじっていると『暇なら、子どもの相手してよ』とか『掃除を少しは手伝って』とかって言ってくるんですけど、俺からすれば、スマホをいじっているのも仕事のうち。

 そんな調子で、朝から晩まで口うるさい妻に対して、正直言えばけっこう限界に近いところまでウンザリしています。

 このまま息が詰まるような小言だらけの毎日が続くと思うとゾッとしますし、子どもがある程度大きくなったら、別居したほうがいいのかなぁなんて考えることもありますよ。

 きっと妻とはこの辺りは一生、分かり合えないんだろうなぁって感じがしますから。

 妻に、もう少し俺のブランディングに協力してもらいたいって思いますけど、何回説明してもわかっていないみたいだし、無理なのかなぁって諦め始めていますね」

  ◇  ◇  ◇

 恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

並木まき
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ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
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日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

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