20代派遣OLの告白「私、不倫相手と同じマンションに…」#5

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2021-09-10 06:00
投稿日:2021-09-10 06:00

彼の資金はどこから?

――失礼ですが……彼は自動車メーカー勤務と言うことですが、ご家族を養い、なおかつH美さんのお家賃も多少負担している。差し支えなければ、お金の出どころを伺ってもいいでしょうか?

「株です。彼は仕事以外にも趣味として始めた株で資産を増やしていったようです。私はマネーには疎いのですが、彼は資産運用、つまりFXや株式投資をしていて、ちょっとした会話からでも政治や経済について博識だと感じました。

 定かではありませんが、かなり儲けているかな、と。

 着ている洋服も高級感あるものですし、スイーツなどささやかなプレゼントも安物ではない。偶然鉢合わせた奥さんと息子さんもおしゃれな装いでした」

――なるほど。では、彼と鉢合わせした日の後のことをお話しいただけますか?

「遊びに来ていた女友達との夕食時、彼からLINEがあり『今夜、少しだけ部屋に行っていいかな?』と。私はもちろんOKしました。女友達は、夜に用事があるようで、タイミングが良かったです。彼に逢える嬉しさで、先ほどまでのつらかった気持ちが、いくぶんか和らぎました」

訊きたいことはたくさんあるけど言葉が出ない

――続けて下さい

「その晩、彼は屋上で会った時とは違うシャツとチノパンで訪れました。シャワーも浴びてきたようで、手洗いとうがいを済ませると、すぐさま私を抱きしめたんです。

 もちろん、私も拒絶はしなかった。

 香水のことや幸せそうな家族をうらやむ気持ち、奥さまにGPS管理されている件など、言いたいこと、訊きたいことは山ほどあるのに、いざ顔を合わせると言葉が出てこないんです。それよりも、早く抱かれたくて仕方なかった。

 あの甘美なセックスに、私はますます引きこまれていったんです。急いでシャワーを浴びてベッドに入り、彼と抱き合いました。

 不倫をしている女性って二種類いると思うんです。

 ひとつは、彼の家族を見たら冷めてしまうタイプ。そして、もう一つは逆に燃えてしまうタイプ。私は、完全に後者でした。

 最初こそショックでしたが、こうして抱き合っていると、不思議と『奥さんよりも私のほうが愛されている』と錯覚して、セックスもいっそう情熱的になってしまうんですね。

 まさに彼の思うツボかもしれませんが、その夜のセックスはいつになく激しく彼を求めました。

 フェラチオもたっぷりと時間をかけて尽くしましたよ。『奥さんには負けないわよ』って心の中で叫びながら、勃起を舐めしゃぶりました。

 挿入の時は、私が自ら上になりました。セックスに積極的になることで、自分自身が抱える寂しさや不安を消し去りたかった……私はこれほどあなたが好きで、あなたを求めているのだと、行動で伝えたかったんです。

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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