ムカつきながらも息子の前では「パパを立てる」と決めたこと

孔井嘉乃 作詞作曲家・ライター
更新日:2021-10-12 06:00
投稿日:2021-10-12 06:00

ムカつきながらも「パパを立てる」と決めた

 そんなわけで、ムカつきながらもパパを立てることにしました。

 立てると言っても、ありもしないことを言うことはできません。

 だから、「お耳の形がかっこいいね! パパに似たんだね!」と言ったりとか、「背が高くなってきたね! そのうち、パパみたいに大きくなるかな」と言ったりとか、「リレーで早く走れたよ」と言う息子に、「パパも走るのが速かったからね!」と言ったりとか。

 言うたび、どよーんとした気持ちになりますが、誰かのいいところを見つけて褒めることは子育ての基本でした。一貫しないと。

 なにより、私たちは大人の事情で離婚をしたのに、関係のない我が子を巻き込み、気を使わせてしまってはいけないと思いました。

ふかふかのお布団みたいな「絶対的な自信」をあげられたら

 一緒に寝る前に必ず伝えている言葉がいくつかありますが、そのひとつが「◯◯(息子の名前)はママの宝物!」ということ。

 ほんの時々ですが、気が向いた時には、「ママとパパの」と言うようにしています。

 ちょっとやっぱりもやもやするので、そのあとで「ばぁばにとっても、じぃじにとっても、おばぁば(妹)にとっても宝物!」と付け加えていますが。

 さらには、「みんな大好きだと思っているけど、誰より一番そう思っているのはママだけどね!」とも。

 私は、どこまでいっても独占欲が強くて、負けず嫌いです(笑)。

 どちらにせよ、息子の心の中に「みんなに愛されている」という、ふかふかのお布団みたいな絶対的な自信をつけてあげられたら、と思っています。

「パパ」はいいとこ取りでいい

 離婚から3年目の今、面会日は1カ月半に1度、「パパのおうちにお泊まりデー」という形におさまりつつあります。

「パパのおうちで、歯磨きの後にアイス食べちゃったんだ」「パパのおうち、本当はね、汚かったよ」

 息子は私に、そんな告げ口をするようにもなってきました。

「えーそうなの!? 今度パパにパンチ入れてやるー!」なんて、わざとオーバーに怒ってみせると、けらけら笑う息子。

 これでいいのかもって、そう思います。パパなんて、所詮「いいとこ取り」でいいのです。そもそも、「わるいとこ」に我慢ならずに、離婚したのですから。

 たとえ、息子が「パパみたいになりたい」と目標にしたとしても、それはいいとこだけの「パパ」のはず。大丈夫でしょう。

「仮面夫婦」は無理でも「仮面パパママ」はできそう

 別れた元夫婦も成長するもので、自分たちがストレスなくやりとりできる頻度を学びます。

 面会日が1週間に1度だったころは連絡をすることすら億劫でしたし、無駄に言い争いになったりもしました。

 今は、自然にやりとりが減り、1カ月に1度ほど「この日はどう?」と連絡するだけ。その際、息子の近況報告、世間話ができるくらいにはなりました。

「仮面夫婦」は無理でも、「仮面パパママ」はできるかもしれないな、と思う今日このごろです。

(文;孔井嘉乃/作詞作曲家 イラスト:こばやしまー/漫画家)

孔井嘉乃
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作詞作曲家・ライター
3歳からピアノを始め、現在は作詞作曲家&シンガーソングライターとして活動中。2014年からウェブライターとしての活動を開始。得意ジャンルは美容、恋愛、ライフスタイル。コスメコンシェルジュ、日本化粧品検定1級、ベビーマッサージ資格、乳児心理+児童心理資格取得。
2016年、ママユニット「mamakanon」を結成。活動5年目にして、YouTube再生回数1,200万回達成。2020年、フレンチシンガーバイオリニストソングライターとのDuo「ellipsis」を結成。両者の絶対音感を活かしてカバー演奏などを行う。
1児のママ。特技は早起き。ウィスキーが好き。

◇孔井嘉乃公式サイトmamakanon公式 YouTubeチャンネルellipsis公式 YouTubeチャンネル

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