デビュー前にして「売れている」グループ
さらにTravis Japan、HiHi Jets、美 少年といったジャニーズJr.のグループも群雄割拠でデビュー組に匹敵するような人気を誇っている。ジャニーズとしては、個人の知名度も高く、ファン以外の世間一般にも親しまれるようなベテラン勢を失っていった代わりに、CD・映像作品やグッズなど分かりやすく「売れている」若手グループが揃っており、まだまだ強力なコンテンツを保持したままと言っていいだろう。
ただし、シングル・アルバムの売り上げ、ストリーミングなどを合算した「ビルボードジャパン」アーティスト・チャートでは韓国のBTSが1位に輝いた。他にも数々の韓流ボーイズグループが着実に日本での人気を上げている。
韓流スタイルのオーディションから誕生し、メンバーのほとんどが日本人であるJO1やINIも、オーディションの頃から応援してきた根強いファンにより支えられている。
AAAのSKY-HIが日本発の本格派としてオーディションからデビューさせた日本人グループBE:FIRSTも各チャートを席巻するなど勢いを見せている。こうした対抗勢力がかつてないほど乱立することになった21年だが、ジャニーズも所属タレントの売り出し戦略に大鉈を振るいながら王者として立ちはだかった。
たった数年前まではネット上の画像・動画使用は一切出来なかったが、いまでは多くのグループ・タレントがそれぞれのSNSやYouTubeチャンネルを持ち、多くの公式画像・動画が閲覧できるようになった。
「国民的グループ」を目指さなくてもいい
7組のJr.グループによるジャニーズJr.チャンネルの登録者数は160万人超え。また嵐・二宮が発起人として立ち上げた「ジャにのチャンネル」はKAT-TUNの中丸雄一(38)、Hey! Say! JUMPの山田涼介(28)、Sexy Zoneの菊池風磨(26)というグループの垣根を超えたメンバーが揃い、登録者数は290万人超え。中丸らはそれぞれ中堅となった所属グループに多くの新規ファンも呼び込んでいる。
このように、ジャニーズ内だけでもグループ数が多く、売り出し順に困っているような状態だったのが、それぞれのグループが常に発信し、発見されるチャンスを得ることができるようになった。こうしたネット戦略ではテレビで誰もが知る「国民的グループ」こそ産み出しにくいものの、無限に動画を漁るような“沼落ち”するコアファンを量産し続けている。そのコアファンはイベントにグッズにと“推し活”の名目で売上に貢献している。
2021年、ジャニーズ人気は上がったのか下がったのか。誰もが知るベテラン勢を多く失い、“お金を落とさない”一般ライト層の関心は薄れていっているが、若年層から中高年まで羽振りのいいコアファン人気は量も質も確実に上がっている。
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