「毒親育ち」の彼の強引なフェラチオと甘美な愛撫に溺れて#3

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2022-03-03 22:34
投稿日:2022-02-04 06:00

「飲めるよね?」の言葉にうなずき

ーー続けてください。

「私は噎せながらも、懸命なフェラチオを浴びせました。亀頭から肉幹、そして両手を使って陰嚢も優しく揉みほぐしました。

 呼吸がうまくなされず苦しんでも、彼の『気持ちいいよ』という言葉は、私をさらに情熱的なフェラチオへと導いたんです。

 私は彼に『価値ある人間と思われたい』という気持ちでいっぱいでした。

 リストカットのことなどは、すっかり忘れていました。

 やがて、ズブズブと抜き差しをしていた彼の腰の動きが速まりました。

『C子ちゃん、出るよ。C子ちゃんの口の中に出すよ。ああっ……出る、出るっ!』と叫びながら、Gさんは私の口内に射精したんです。

 喉の奥にドピュドピュと勢いよくザーメンがほとばしりました。

 最後の一滴まで出し切ると、彼は私の口からペニスを引き抜いたんです。

 生温かでねっとりとした感触が口いっぱいに広がって……、彼、私の顔を見つめながら『飲めるよね? 僕のザーメン、飲んでくれるよね?』って、言ってきて……。

 私、思わずうなずきながら、コクン、コクンと飲み干しました。

 喉に引っかかる粘液は、たとえ愛しい男性のものとは言え、決して心地いいものではありません。

 でも、彼に嫌われたくなかった。

 拒んで捨てられたくなかったんです……」

頭を撫でてくれただけで許してしまう

ーー大変だったのですね。続けてください。

「私がザーメンを嚥下(えんげ)すると、彼、にっこり笑って『ありがとう、嬉しいよ』と頭を撫でてくれたんです。

 苦しい思いをしただけに、嬉しかった。口の中にはまだまだ精液の残りが付着していましたが、その嫌悪すら吹き飛ぶほど、幸せでした。

 それに……やっぱり美男子ってずるいですね。何もかも許せちゃう(笑)。

 あ、伝え遅れましたが、私は『イケメン』という言葉は好きじゃないので、使いません。なんか、軽々しい気がして……。

 俳優でも『演技力バツグンの実力派』なのに、顔が良いというだけで『イケメン俳優』とカテゴライズされますよね。あれが嫌いなんです。

 だからGさんも、あえて美青年と呼ばせていただきますね。

 あ、話が逸れてしまってすみません……。

 で、やはり美形のGさんに見つめられると、それだけで舞い上がってしまって……彼ともっと親密になりたいと思いました。

 やがて、彼も私の足元に這いつくばり、太ももを広げてクンニリングスをしてくれたんです。

 ピチャ……ピチャ……と響く淫靡な音が、とてつもなくエロティックで、それだけでエクスタシーに達してしまいそうでした。

 先ほどの凶暴なフェラチオとは一転、丹念で優しい愛撫でした。膣口を舐めあげ、左右の小陰唇を軽く唇で挟んで、クリトリスを舌先でつつかれて……。

 今思い出しても体が熱くなります。甘美な痺れが下腹から這いあがって、体の隅々まで行きわたる感じ。
 
 Gさんは『すごく濡れてる、とても嬉しいよ』と言いながら、なおもクンニリングスを続けてきたんです。体を震わせて喘ぐ私の乳房に彼の手が伸びて、優しく包んでくれました。

 乳房を揉みしだきながらのクンニ。そして尖った乳首を摘ままれて……私、体の奥から愛液がどんどんあふれていくのを感じていました。

 それを、彼はジュル……とすすってくれる。

 すごく嬉しかった。互いの体液を体内に取り込んでいるーー。まだセックスにいたっていない段階ですが、すでに心も体も一つになった感覚です」

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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