援助交際も危機管理意識なし…精神的に未熟だった高校時代

深志美由紀 官能作家
更新日:2019-04-02 15:40
投稿日:2019-04-01 06:00

最初の出逢い系体験は高校生の時

 皆さん、出逢い系サイトを利用したことはあるでしょうか。最近は「マッチングアプリ」など、少しライトな名前でも呼ばれていますね。

 何を隠そう私、一番最初に結婚した夫との出逢いは出逢い系サイトでした。

 それに味を占めたというわけではないですが、今でも身分を明かさずに男性と知り合える出会い系は私にとって重宝しています。

 この連載ではそんな私が、今までの出逢い系ライフで特に印象深かったエピソ-ドを告白していきたいと思います。

 中には現代とは少々社会的事情が違うことや倫理的に正しくない行動なども出てまいりますが、そこはそれ、当時の空気をそのまま描いているということでご容赦頂ければと思います。何卒広いお心でお付き合いください。

東京の女の子の真似をしたい…

 一番最初の出逢い系体験はテレクラでした。

 当時はPHSが普及し始めたばかりで、まだインターネットもそこまで広まっておらず、雑誌の「文通相手募集」などに読者が平気で住所氏名を載せていた頃のことです。

 この頃ちまたでは援助交際が流行っていて、神奈川の片田舎に住んでいた少女の私も東京の女の子の真似をしてみたい、と、その世界に足を踏み入れてみようかと思ったのです。

 それに、なにしろお金も欲しかった。

 テレクラの番号自体は道端で貰うティッシュや雑誌広告、または公衆電話にチラシがたくさん貼り付けてあったりしていて、すぐに見つけることができました。

 当時PHSを持っていた私は勇気を出してそこに電話をかけてみて、一人のおとなしそうな男性と交渉し、なんとか約束を取り付けることができました。

男性の部屋に着いてハッと…

 待ち合わせの場所は都内のお相手の部屋です。今考えると危ない話ですが、当時の私にはそんな危機管理意識もありませんでした……。

 ほぼ初めての東京、電話で道案内をして貰いつつドキドキしながら男性の部屋に着いたのですが、いざ、という時にハッと気付きました。

 コンドームがないのです。

「あのう、ゴム持ってますか?」「は?普通、ウリやるなら自分で用意するものじゃないの?」

 想像通り地味ではありましたが何だか感じ悪く、苛々した様子の男性。若干気まずい雰囲気が漂います。

 結局、「じゃあ、私が買って来ます」と言って私は彼の部屋を出て、そのまま戻ることはありませんでした。

(もちろん、お金は貰っていません)

 当時、条例もなく高校生が大人とセックスをすることはそう犯罪的なことではないという認識でしたが、やはり、17歳くらいではまだ精神的に未熟だったなと今となっては思います。

深志美由紀
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官能作家
集英社ノベル大賞佳作受賞にてデビュー。2010年「花鳥籠」
で第一回団鬼六賞優秀作受賞、同作13年映画化。新聞や電子書籍など、男性のみならず女性にも受け入れられる官能小説を多方面で執筆。著書に「ゆっくり破って」(イーストプレス)「美食の報酬」(講談社文庫)など。自他ともに認めるダメ男好きで、自らの体験を活かしたエッセイ漫画なども配信中。

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