シンママは外出したらダメ?母の「独身なんだから」に苦笑い

孔井嘉乃 作詞作曲家・ライター
更新日:2022-02-23 05:21
投稿日:2022-02-22 06:00
 はじめまして。シングルマザー3年目の孔井嘉乃です。私には、6歳になる息子がいます。
 家庭の事情はそれぞれあって、離婚に至った経緯なんて誰とも分かり合えません。でも、「シングルマザー」になった女性に共通する思いは、きっとあると思います。
 まだまだシンママ歴が浅い私ですが、日々の中で感じていること、自分の中で消化できたこと、解決していないこと、そんなことをこの連載「シングルマザーもいいじゃない」で、綴りたいと思います。

我が子を預けて外出する時の話

 離婚前のこと。仕事の打ち合わせや付き合いなどで、元夫に息子を頼んで外出する機会が稀にありました。そんな時には、数日前からタイミングを見計らい、出かける理由や内容を事細かに伝えて許可を取り、当日はケチをつけられないように家事を完璧に終わらせて出かけたものです。

 四六時中ずっと一緒にいる息子を置いて出かけてくると、なんだか忘れ物をしてきた気持ちになります。でも、その反面、背中に羽が生えたような自由な気持ちになり、「妊娠前はこんな日常を送っていたんだな」と、懐かしさを感じたりしました。

 しかし、そんな自由な時間を過ごしている時に限って、「泣きやまない」「ご飯を食べない」「言うことを聞かない」「寝ない」など、必ず元夫から連絡が来ます。「すぐに帰れないんだから、どうしてもじゃない時は連絡しないでよ……」と思いつつも、息子を頼んで出かけている以上、あまり強くは言えません。(そもそも、“頼む”と思っていたこと自体、今、考えるとどこかおかしいのかもしれませんね)

 常に連絡を気にしながらの外出は、正直、落ち着きません。背中の羽は着信があるたび重くなり、寂しがっている息子の顔が浮かんでしまい、予定を早く切り上げて帰り道を急ぐこともありました。

 こんな「我が子を預けて外出する時の話」をママ友たちに話すと、「わかる!」のオンパレード。これは、よくある「育児あるある」かもしれません。

「ママなのに」「ママなんだから」

 普通に外出するだけでも、「ママなのに」「ママなんだから」と、言われることがあります。「お子さんは今?(どうしているんですか?)」と、聞かれるたび、なんだか悪いことをしているような気持ちになります。

 もちろん、「ママ」として我が子を大切に考えるのは当たり前のこと。でも、仕事に限らず、ママが外出するのはそんなに良くないことなのでしょうか。

「はたして、世の多くのパパたちも同じ気持ちなんだろうか? いや、そうじゃないだろう」というのは、離婚前から思っていたことです。少なくとも「仕事」に行くパパは、家を一歩出たら自由。自分の好きな時間にご飯を食べ、トイレに行き、音楽を聴きながら電車に乗ることができます。そのたびに、我が子の顔が浮かんでいるのでしょうか……きっと、否!!

 特に子供が小さな頃、そんな普通のことができないのが「ママ」です。我が子にとって唯一無二の存在であると自覚しているからこそ、「ただ外出する」ことは、なぜかとてもハードルが高いのです。ましてや「シングルマザー」になると、別の意味でも、より高いハードルが立ちはだかります。

孔井嘉乃
記事一覧
作詞作曲家・ライター
3歳からピアノを始め、現在は作詞作曲家&シンガーソングライターとして活動中。2014年からウェブライターとしての活動を開始。得意ジャンルは美容、恋愛、ライフスタイル。コスメコンシェルジュ、日本化粧品検定1級、ベビーマッサージ資格、乳児心理+児童心理資格取得。
2016年、ママユニット「mamakanon」を結成。活動5年目にして、YouTube再生回数1,200万回達成。2020年、フレンチシンガーバイオリニストソングライターとのDuo「ellipsis」を結成。両者の絶対音感を活かしてカバー演奏などを行う。
1児のママ。特技は早起き。ウィスキーが好き。

◇孔井嘉乃公式サイトmamakanon公式 YouTubeチャンネルellipsis公式 YouTubeチャンネル

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


夜明けとともに起きだしたコハクチョウの胸の内
「あ~! 眠いけど、きょうも1日がんばるかあ!」  なんて言ってたりして。今朝の自分のことだけど(笑)。  ...
SNSや現実でも…他人の容姿批判がやめられない人は2種類いる
 みなさんの周りに、他人の容姿(ビジュアル)についてうるさい人、いませんか?  私はそういう人を見るたびに「かわいそう...
バカにしてる、よね? 部下になめられる理由と上司が改めたい悪癖3つ
 キャリアアップはうれしいけれど、部下ができると「なんだかなめられている気がする…上司としての威厳がないのかな?」と新し...
いつだって癒しを提供…成長が楽しみな“たまたま”を愛でる
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
そのあえぎ声、どこまでが本当ですか?
 素朴な疑問、と頭に付ければ何を聞いても許されるとは思っていないのだが、失礼を承知で、どうしても聞きたいことがある。 ...
落ち込んだらシーラカンスのことを考えるといいかもしれない
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
お正月にしめ縄って必要かぃ?「しめ縄」と「しめ縄飾り」の違いも解説
 今年もあと2週間を切りました。年末だというのにあまりの暖冬、ここ数日は少しは寒くなったものの更年期のワタクシは、本職の...
「女は見た目がすべて」の思い出に悶々…容姿いじりのトラウマの克服法
「女は見た目がすべて」なんて言葉が昔からあるように、男性よりも女性の方が外見を厳しく見られる傾向です。そして残酷なことに...
人生初のぎっくり腰なぜ発症? 40女の激痛を救った意外なコスメは…
 齢46、人生初のぎっくり腰になりました。腰が砕け、身動きがまったく取れない状態に陥るって本当にあるんですね。  デス...
韓国は「ひとり飯」ほぼタブー! おひとり様=みじめな人認定で苦労した
 ちまたでは『孤独のグルメ』(テレビ東京系)や『ひねくれ女のボッチ飯』(テレビ東京系)、『めんつゆひとり飯』(BS松竹東...
2023-12-19 06:00 ライフスタイル
自然の石を積んだ石垣でできた江戸時代から続く「棚田の村」
 見知らぬ土地で、山道を越えて現れた見事な石垣に圧倒される。ここまで積み上げる労力を想像すると途方に暮れるし、これが自然...
“たまたま”とももうすぐお別れ…去勢前のおやつシーンを激写
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
#2 友達の結婚、喜べないのはなぜ? 勝ち組を裏切りだと感じてしまう記憶
【#1のあらすじ】  ミュージシャンの沙恵は高円寺に暮らし、芸人の卵や音楽仲間と毎日飲み歩いている。高円寺はうんざ...
#3 結婚で“輪”から去る友人への寂しさ。心地よい独身生活で失ったもの
【#2のあらすじ】  ミュージシャンの沙恵は高円寺に暮らし、毎晩芸人の卵や音楽仲間と飲み歩いている。高円寺はうんざ...
妙齢って何歳? 三省堂 現代新国語辞典のいまっぽい凡例に注目
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
母親が施設から帰ってくる夢…認知症の予兆を「ボケたな」で済ませない
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(63)。多忙な現役時代を経て、56歳...