毒親育ちの彼は“宿敵”大御所男性カメラマンとも肉体関係に#6

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2022-02-25 06:00
投稿日:2022-02-25 06:00

三人でセックスをしているかのような不快感

ーーおつらいですね。続けてください。

「その夜は寝ようとしても、なかなか寝付けません。彼がベッドに入ってきて寄り添って寝てくれても、目をつぶるとあの忌々しいフェラチオの光景がよみがえってくるんです。

 芸能界に限らず、どの業界でも多少の色恋は存在しますが、まさかGさんが師匠のカメラマンと……。

 でも、そのことを彼に告げることはできません。

 私たちの恋愛はうまくいっていました。セックスも……たっぷりと丁寧に愛撫してくれる。大切に扱われているのが分かるんです。

 ただ、セックスの際は苦しかったです。私が彼のペニスをしゃぶったり、ヴァギナに挿入される際は、あの大御所カメラマンの顔がちらつきました。

 同時に、おぞましいほど鳥肌が立ちました。愛する彼に抱かれている間、常にあの大御所カメラマンが亡霊のように付きまとってきて……まるで三人でセックスしているかのような不快さに包まれてしまうんです……」

リストカットは師匠への怒りもあった…?

ーー続けてください。

「不快感や嫌悪はぬぐえませんが、それもいつしか薄れていくのが分かりました。彼はセクハラの件にはいっさい触れず、以前のようなリストカットもしなくなり、私に今まで以上に優しく接してくれるようになったからです。

 私自身も、彼が安心して過ごせるように言動や服装にも気をつけました。

 彼に言われたように地味目の服を着て、一緒の時はなるべく笑顔を心掛けて……ただ、ふとした時、あのキッチンで『ちくしょう……ちくしょう』と泣きながらカッターで手首を切っていた光景がフラッシュバックする時もありました。

 もしかしたら、あれは私にではなく、いえ……私だけではなく、師匠に対しての怒りもあったのではないかと思うようになって……」

ーーお気持ち、分かります。

「言いたいこと、訊きたいことはいっぱいです。でも、言葉にすると彼を失ってしまうのではないか……そんな不安が常にありました。

 もし、師匠との肉体関係はあってもそれは『単にビジネス上のことかも』と割り切っている自分もいたり……。とにかく彼を失いたくない一心で、笑顔の仮面をかぶって過ごす日々が続きました。

 それでも、彼が出張などで仕事で逢えない日が続くと、よからぬ妄想が膨らみますね。

 あのフェラチオの光景がいくども脳裏をかすめ、私を苦しめるんです。

 普通の人なら『信頼できる人に相談する』という選択肢もあったと思いますが、毒親育ちのせいか、万が一、彼の秘密が広まってしまったら……という恐怖もあるんです。

 楽観的な人には、とうてい理解できないでしょうね」

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

エロコク 新着一覧


憧れの有名女優の夫を寝取った女性の“驚きの理由”とは…#3
 大ファンである人気女優・美咲さん(仮名・30代)に近づきたいがために、その夫・Kさん(40代)と肉体的関係を持った邦子...
蒼井凜花 2019-09-02 06:45 エロコク
クワガタの角に息子クンを挟んで…男性を喜ばせるラブグッズ
 彼を喜ばせたい! でも何をどうしていいか分からない。テクニックを身に付けるのって難しそう……という女性に知ってほしいの...
桃子 2019-11-12 04:44 エロコク
映画「火口のふたり」に充満する男女のエロスと切ない裏事情
 女性は甘美な欲望に貪欲かつ忠実な生き物です。いいんです、それでいいんです。むしろ、オトナ女子なら神様が授けてくださった...
「ギネス世界記録」を断る失敗しない男・ひろしの処世術
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットな...
必要以上に身体を触られ…アラフィフ女に覚えた違和感
 同性からのセクハラも、逃げ場を塞がれやすいものです。 (この人の態度、なにかおかしいけど、まさか……女同士だし…...
女性器リノベに投資する女たち#3…「膣がゆるい」の真相は?
 美容整形外科のメニューにはあるのに、あまり表立って語られることの少ない女性器の整形手術。費用はどれぐらいかかるのか? ...
憧れの有名女優の夫を寝取った女性の“驚きの理由”とは…#2
 大ファンである人気女優・美咲さん(仮名・30代)に近づきたいがために、その夫・Kさん(40代)と肉体的関係を持った邦子...
蒼井凜花 2019-08-26 06:00 エロコク
地球の裏側からでも操れる? スマホで遠隔操作可能なバイブ
 仕事でもプライベートでも必要不可欠なものになっているスマートフォン。これからはセックスライフにも欠かせないものになるか...
桃子 2019-11-12 04:44 エロコク
タバコもピルも本当の自分も捨てたら酒カスになったわたし
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットな...
「会わずに君を追い詰めたい」SMサイトの男性が講じた奇策
 とあるSMサイトで出逢った人の中に、「会わないままで君のことを追い詰めたい」という一風変わった人がいました。  ...
性癖を通してパートナーを…緊縛されたかった女性の出会い
 あなたは、どういった性の願望を抱いていて、ひそかに何をしたい/されたいと願っていますか。自分の性癖の形を知れば、もっと...
大泉りか 2019-08-21 19:20 エロコク
吸って震えてのダブル刺激…“吸引系”火付け役の高級モデル
 毎年、「出会えてよかった!」と心から思えるバイブレーターが何本かあります。「ウーマナイザー デュオ」もそのひとつ。 ...
2019-11-05 13:23 エロコク
祝結婚・小泉進次郎的「鎧を脱がせる」隠れた被支配欲求とは
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットなイッ...
性欲の強い女性が好きそうな食べ物“ベスト5”を考察してみた
 私の周りには性欲の強い女性のお友達がいるのですが、彼女たちとご飯に行くと、メニューやお店のセレクトにどうやら傾向が見ら...
大きさも振動も…女性が安心できる「電マ」売れているワケ
 自分で自分を気持ち良くするセルフプレジャー。じっくりと楽しみたい夜もあれば、短時間でささっと済ませて眠りにつきたい夜も...
桃子 2019-11-12 04:43 エロコク
憧れの有名女優の夫を寝取った女性の“驚きの理由”とは…#1
 人の数だけドラマがあり、同時に嫉妬も憎しみも、それ以上の愛や執着もあるのだとしみじみ感じます。前回の「主婦レズビアン」...
蒼井凜花 2019-08-26 12:22 エロコク