櫻坂46渡邉理佐 卒業ライブで欅坂46の封印曲を解禁できた訳

こじらぶ ライター
更新日:2022-05-26 06:00
投稿日:2022-05-26 06:00

卒コン全21曲中8曲が欅坂46時代の楽曲

 話を冒頭のコンサートに戻し、セットリストに目を向けると、2日間ともに「Overture」(序曲)含め全21曲中、8曲が欅坂46時代の楽曲となった(2日目の渡邉所属ユニット「青空とMARRY」メドレー全4曲も1曲にカウント)。

 これまで、卒業するメンバーの所属ユニット曲や日向坂46(旧けやき坂46)との合同曲といったごく一部の例外を除き、20年のラストライブ以降、欅坂46の楽曲を封印してきた櫻坂46。

 だが、2つのグループで確かな存在感を示してきた渡邉の「卒業コンサート」らしく、彼女の意見を反映させたセットリストでは、欅坂46の人気シングル曲やライブ定番曲が約1年7か月ぶりに解禁された。

櫻坂46のグループカラーは何にも染まっていない“白”

 櫻坂46として始動するにあたり、欅坂46楽曲を封印することには賛否あったが、結果として、これまでのライブで櫻坂46オリジナル楽曲だけで勝負してきたからこそ、「櫻坂46らしさ」が育まれたように思う。

 それは楽曲によって可愛くもなり、カッコ良くもなり、妖艶にもなれる、いい意味で何でもあり、ということだ。櫻坂46のグループカラーは、「何にも染まっていない“白”」で、逆に言えば何色にも染まることができる。

 そうした「櫻坂46らしさ」を確立した今だからこそ、欅坂46の楽曲を織り交ぜても、飲み込まれず両立できていた。

再認識させた欅坂46の楽曲のパワー

 櫻坂46楽曲に挟まれ、サプライズで次々と欅坂46楽曲が披露されると、メンバーも観客もこの時を待っていたような高揚感に包まれていた。

 21人だった1期生がこのコンサートでは9人になっていたが、欅坂46の楽曲が持つパワーは凄まじく、色鮮やかに蘇り、決して封印したまま忘れられていいものではないことを再確認させられた。

 それでも櫻坂46パートになると、メンバーみな櫻坂46の顔つきになる。2つのグループを自在に行き来し、櫻坂46が欅坂46と地続きであると訴えているようでもあった。

 クールと言われた渡邉が、「卒業コンサート」ではおおいに泣き笑い、菅井友香(26)に大外刈りを仕掛けるなどおふざけで笑わせ、しんみりさせすぎない配慮もあったように思う。

「ここまで残ってくれてありがとう」

 そんな彼女にファンの大半が伝えたいことは「ここまで残ってくれてありがとう」ではないだろうか。

 約7年間グループを支え続けた偉大なる功労者は、欅坂46の楽曲という宝物をあるべき場所に戻し、純白のドレスを身に纏い、聖母のような笑顔でステージを後にした。

こじらぶ
記事一覧
ライター
STARTO ENTERTAINMENT、秋元康系女性アイドル、ローカル、地下アイドル等数々の現場を経験。Xでもご意見を募集しております。

エンタメ 新着一覧


「あんぱん」のぶ、“落とし前”の付け方はそれでいいのか。次郎役の中島歩はあまりにも素晴らしかった
 終戦から5か月が経ち、国民学校ではGHQの指導のもと軍国主義教育からの転換が図られる。のぶ(今田美桜)は病気が一向に回...
桧山珠美 2025-07-01 17:39 エンタメ
『バチェラー6』第8話(最終話)を正直レビュー! ラスト予想、当たった人いるの? 制作サイドにまんまと騙されました
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第8話。本編最終回です。小田...
中村未来 2025-07-25 15:23 エンタメ
曽田陵介、FANTASTICS佐藤大樹と“縁”に驚き「青春時代の人が隣にいた!」甘酸っぱい中学生の頃
 2019年に俳優デビューをきっかけにドラマ、映画、舞台とさまざまな作品に出演。そして先ごろ放送を終了した『いつか、ヒー...
望月ふみ 2025-06-23 07:00 エンタメ
【募集】2025春ドラマの感想は? 面白かった&ガッカリを教えて!『対岸の家事』『最後から二番目の恋』etc
 コクハクでは2025年春ドラマを対象としたアンケートを実施します。4月よりスタートした春ドラマ、「面白かった」作品や「...
72歳、ザ・ぼんち里見まさとに“若い女子”が熱狂。イケジジブームが来るか? 老害にならずモテる大人の魅力
 去る5月17日フジテレビ系で放送された結成16年以上の漫才師による大会『THE SECOND~漫才トーナメント~・グラ...
「あんぱん」ここがヘンだよ、戦争パート。のぶが夫に駆け寄らないのはなぜだ?
 次郎(中島歩)からの便りに顔を輝かせるのぶ(今田美桜)だったが、それは海軍病院からだった。のぶが不安な気持ちで病室に入...
桧山珠美 2025-06-21 12:55 エンタメ
『バチェラー6』第7話を正直レビュー!石森さんの“事実発覚”に全視聴者が驚いた…。辻󠄀本さんの高度な会話テクにも注目
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。第7話は、クアラルンプールへ久次米...
中村未来 2025-06-21 06:00 エンタメ
『バチェラー6』第6話を正直レビュー!小田美夢の“あまりにあざとい”テクニック。キス連発は最初から決めてた?
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第6話。前回のラストで、早朝...
中村未来 2025-06-20 06:00 エンタメ
「あんぱん」清(二宮和也)は出る出る詐欺じゃなくて一安心。岩男とリンはやっぱり“チリンの鈴”だった
 銃撃された岩男(濱尾ノリタカ)は、嵩(北村匠海)にリンはよくやったと言って息絶える。八木(妻夫木聡)は、リンは親のかた...
桧山珠美 2025-06-19 17:28 エンタメ
『バチェラー6』第5話を正直レビュー。自然体の笑顔をやっと見れた。で、なんで突然キスした?
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第5話。もう折り返しなんて早...
中村未来 2025-06-19 06:00 エンタメ
令和ロマンくるま、吉本退所でも絶好調の今。もう一度「M-1」優勝を狙ってみてはどうか
 4月末で吉本興業との契約を終了した令和ロマン高比良くるま。一時期活動休止していたが、5月末には復帰。現在、精力的に活動...
帽子田 2025-06-19 06:00 エンタメ
『バチェラー6』第4話を正直レビュー。石森さんまさかの本命? みんな久次米さんの魅力をもっと伝えて~!
『バチェラー・ジャパン』シーズン6を、シリーズの大ファンである筆者が、正直にレビュー。今回は第4話。ホワイトローズを受け...
中村未来 2025-06-18 06:00 エンタメ
奥平大兼、世間とのギャップに戸惑い「僕のプライベートを見たら驚くと思う」悩んだときの考え方は?
 長澤まさみさんと共演した映画『MOTHER マザー』でのデビューに始まり、映画やドラマで常に心に残る芝居を見せている奥...
望月ふみ 2025-06-18 06:00 エンタメ
田中圭ショックか?木梨憲武、玉木宏ら「夫婦円満」をアピールするイケメンたち。向井理も丸くなった
 サントリー「角瓶」のCMが新しくなりましたね。「♪ウィスキーがお好きでしょ」の歌をバックに、バーテンダーの井川遥と客の...
「あんぱん」嵩(北村匠海)と健ちゃん(高橋文哉)コンビが心強い。岩男には“嫌な予感”しかない…
 嵩(北村匠海)は、絵の才能を見込まれ宣撫班勤務を命じられる。宣撫班では紙芝居を見せていた市場でひと騒動があったといい、...
桧山珠美 2025-06-16 16:45 エンタメ
前田敦子の「アイドル否定発言」に物議。卒業後に佐藤健と撮られても、現役時は“偶像”を演じきったプロなのに
 先月、『突然ですが占ってもいいですか?』(フジテレビ系)に出演した元AKB48の前田敦子。番組内で「『アイドルになりた...
堺屋大地 2025-06-16 06:00 エンタメ