中国の幼稚園の給食事情は? 徹底した衛生面と栄養管理の今

小阪有花 子どもの心スペシャリスト
更新日:2019-05-31 17:11
投稿日:2019-05-31 07:00
 保育園コンサルタントの小阪有花です。今回、私はお仕事で、中国・天津にあるセンディ幼稚園を視察してきました。そこで気になったのは給食事情。衛生面は大丈夫?栄養管理はできている?中国の幼稚園の給食ってどうなっているんでしょうか?

給食を外部の業者に発注してはいけない

 日本の幼稚園では、親がお弁当を作って持たせることが多いのですが、中国の場合、お弁当はなし。食事はすべて幼稚園で作らなくてはならないそうです。理由は食中毒防止のため。子どもの食事管理は園にいる栄養士が管理しています。

 調理師は、園児50人に対し1人と決まりがあります。もっとも、中国の幼稚園は園児50人程度では運営が回らないため、100人以上が当たり前なんだとか。そのため、調理師1人という事態は起こらないんだそうです。

給食にじゃがいもを使ってはいけない

 じゃがいもが好きな子どもは多いため、日本ではよく使われますが、中国では幼稚園での使用は禁止されています。

 じゃがいもの芽の部分に「ソラニン」という有害物質が含まれており、これを大量に摂取すると中毒症状に陥る場合があるからです。

 中毒を起こすと、嘔吐・発熱・下痢・腹痛、ひどい場合は呼吸困難を引き起こすことがあり、とくに子供の場合は、大人に比べて「ソラニン」への耐性が少ないと言われていて、中国では使用を禁止されている幼稚園が多いそうです。

 もちろん、家庭で食べることは禁止されていないので、あくまで幼稚園の中だけの話です。

中国の幼稚園は食事の時間が5回もある

 なぜ幼稚園で5回も?と驚かれる方も多いと思いますが、中国の幼稚園は開園時間が早く、閉園時間が遅いのです。

 そもそも中国には保育園がなく、乳児を預けたい場合は託児所を使います。なので、幼稚園といっても、その役割は日本の保育園と変わりません。

 日本の保育園と違うのは、中国の幼稚園の食事は昼ごはんやおやつだけでなく、朝ごはん、夜ごはんまで幼稚園で済ませるということ。

 つまり、朝ごはん→軽食→昼ごはん→おやつ→夜ごはん……と、一日の食事をすべて幼稚園で済ませるのが普通なのです。

家族とのごはんの時間はないの?

 幼稚園に子どもを預けていると、平日はほぼ家族で一緒にごはんを食べる時間はないそうです。でも、休日はしっかり家族でごはんを食べているようですよ。

 ちなみに、1日5回の給食は強制ではなく、あくまで選択制です。ただ、幼稚園がこのようなサービスを提供することで、家族は安心して仕事に集中できるのだそうです。

 家族とのごはんの時間が休日しかないのは寂しいように見えますが、中国ではそれが当たり前。その代わりに、昼ごはんはもちろん、朝ごはんも夜ごはんも、お友だちみんなで食べられるのが素晴らしいところ。

 家族が忙しく孤食化が進んでしまっている日本と比べると、決してデメリットだけではないのかもしれませんね。

  ◇  ◇  ◇

 中国の幼稚園の給食事情、いかがでしたか?今では行政が抜き打ちでチェックに訪れるなど、中国の幼稚園の衛生管理は徹底されているようです。

小阪有花
記事一覧
子どもの心スペシャリスト
保育コンサルタント。アイドル時代の旧芸名は小阪由佳。「ミスマガジン2004」グランプリで芸能界デビュー。09年に引退後、保育園の先生を経て現職に。チャイルドカウンセラー、幼児食インストラクター、ベビーシッター、家族療法カウンセラーなどの資格を持つ。
XInstagram

ライフスタイル 新着一覧


モヤモヤ解決! なぜ私はイジられ仕事を押し付けられるの?
 仕事は好きで辞めたくないけど……イジられたり、仕事を押し付けられたり、扱いが雑でツライ……と悩む方も多いですよね。私も...
辛いのは貴女だけじゃない…子育て中に響いた救いの言葉7選
 子育ては本当に難しい。日々試行錯誤し、たくさんの壁にぶつかり、少しずつ子供と一緒に成長しています。育児中、孤独を感じた...
クリスマス準備はいつから? アドヴェントとリースの意味
 まもなく12月。12月といえば、1年の中で楽しいイベント目白押しでワクワク。街も行き交う人達の心と同調するかのようにウ...
解決できない悩みはどうする? 心のモヤモヤを消す4STEP
 大人になると自分では解決できない悩みがつきまといます。「なんとかしたい!」と思っているのにも関わらず、気持ちの整理がつ...
サンタさんは何歳まで? バレない工夫&上手な卒業の仕方
 親になってからのクリスマスって、これまでと違ったワクワクがありますよね。その一番の理由は、愛しい我が子にとっての“サン...
職場で泣く女性は4タイプ! 泣かれた時のベスト対応は?
 社会人ともなると、泣くに泣けなくなるのが一般的。でも、時々いますよね、泣く女性。なぜ、彼女たちは泣いてしまうのでしょう...
まるでぬいぐるみ…いまにも二足歩行しそうな“にゃんたま”君
 きょうは、二足歩行しそうなにゃんたまωにロックオン♪  独特の巻き毛の遺伝子を持つ、珍しいにゃんたま君。 ...
服飾工場からエロの世界へ…名物女性プロデューサー誕生秘話
 企業に勤めていてもフリーランスでも、夜職の女性も専業主婦も、「今から10年後の私は……?」と不安や迷いをおぼえる瞬間が...
家で突然死も…軽視は禁物“ヒートショック”の5つの予防方法
 寒くなってくるこの時期は、お風呂が気持ちいい時期でもありますよね。しかし、この入浴が“命取り”になる可能性があることを...
卵巣摘出、ホルモン欠乏…健常者こそヘルプマークの認知を
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー2年生です(進級しました!)。がん告知はひと...
気になる彼に攻め!「デートお誘いLINE」に絶対入れたい内容
「気になる人がいるんだけど、どう距離を詰めればいいかわからない」  そんな時は迷うことなく、自分から攻めるのが一番!…...
シャンパンを入れてもらったらホストはどんな気持ちになる?
 ホストクラブでは恒例の光景となっているシャンパンコール。高額のシャンパンを入れたお客様を店内のホストが取り囲んで威勢の...
まさに鈴カステラ!愛と野望がつまった茶トラ“にゃんたま”
 きょうは茶トラ3兄弟の憩いの場所にお邪魔しました。  気持ちよさそうにくつろぐ姿にほっこり♪  注目すべき...
“卵巣年齢”が分かる「AMH検査」は独身こそ試す価値がある!
 日本は不妊治療の件数は世界一なのに、体外受精で赤ちゃんが産まれる確率は最下位。そんな状況を変えるために、ミレニアル世代...
いつ、何を、どうする?「寝・食・動」リカバリー方法を解説
 NYのセレブたちがこぞって実践している「ヘルスリテラシー」という考え方があります。自らが現地で本概念を学び、最強のパフ...
オトナ女子の休日アイデア4選! 楽しく遊んで気分転換を♪
 大人になるにつれて仕事が忙しくなりますよね。仕事が忙しいと休日に昼前まで寝てしまったり、倦怠感を理由に起きてからもダラ...