2. 生理時の腰痛はプロスタグランジンが原因
「そもそもどうして生理で腰が痛くなるんですか? 関係なさそうなのに」
「いい質問ね。生理時の腰痛はプロスタグランジンによるものよ」
「プロスタグランジンって生理のときに出ているホルモンですよね。昔、習った気がします」
「あら、よく知ってるじゃない。感心感心」
生理時に放出されるプロスタグランジンには、子宮を収縮させる働きがあります。生理時、いらなくなった子宮内膜の排出に必要なホルモンです。
しかし、この子宮の収縮が激しいと、収縮に伴う痛みが下腹部から全身に広がり腰痛として知覚されるのです。
「でも生理の症状って人によって違いますよね。腰痛なんて出ないっていう人も」
「その通り。腹痛、頭痛、イライラ、吐き気など、出方は人それぞれよね」
えりのボスは、ちらりとマキさんを見ます。
「とくに生理時に腰痛が起こりやすいのは、腰回りが冷えやすかったり、ガードルのような締めつける下着を付けていたり、運動不足で骨盤が硬くなったりしている人ね」
「……私のことだ」
ボソッとつぶやいたマキさんに、えりのボスはにっこり笑いかけました。
「生理中の腰痛を和らげる方法として、まずは生活習慣のポイントからみていきましょうか」
3. 生理中の腰痛を緩和する生活習慣のポイント
日常生活で以下のポイントに気をつけることで、生理時の痛みを軽減できる場合があります。
3-1. からだを冷やさない
からだが冷えていると血流が悪くなるため、子宮が硬くなって収縮がうまくいきません。子宮が収縮しづらいと、より多くのプロスタグランジンを分泌するため強い収縮が起こり、痛みを強く感じるのです。
冷えやすい人は、次のように日常生活から対策をしましょう。
・からだを温める食材を摂る(大根、長ネギ、しょうがなど)
・入浴時は湯船に浸かる
・エアコンの冷風はなるべく避け、腰周りはストールやカイロなどで温める
生理が始まると体温が少し下がるため、いつもより血の巡りが悪くなることもあります。ご紹介した方法で、冷えにくい体質を目指しましょう。
3-2. ストレスをためない
ストレスはホルモンバランスを崩す原因となります。ホルモンバランスが乱れると、正常にプロスタグランジンが分泌されません。とくに、生理中は気持ちが不安定になりがちなので、ゆったり過ごすことが理想です。
以下のような方法で、ご自身のストレスと上手に付き合いましょう。
・予定を詰め込みすぎない
・アロマなどでリラックスする
・睡眠を十分にとって1日の疲れをリセットする
「好きな香りを知る」「寝室環境を整える」「生理時でも楽しめる趣味を見つける」など、普段から自分がリフレッシュできる方法を見つけておくとよいでしょう。
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