和食とアンチョビーの珍しいコラボ
アンチョビーは、カタクチイワシの塩漬けをオリーブオイルに浸したもの。パスタやピザ、サラダの味付けによく使われるます。スーパーでも売られている身近な食材ですが、和食に使うのは少々珍しいような…。
「これは親父が考案したつまみです。タケノコをゆでるとき、穂先を切り落とすでしょ? それをどうにかして使えないかと考えたわけです。まあ、苦肉の策ですね。千切りにしたタケノコの穂先と和えて、お通しにして出したりしてたんです」
なるほど、アンチョビーって万能なんですね。
ホクホクとしていて甘味がある空豆に、アンチョビーの塩辛さとコクが実によく合います。タケノコはもちろん、枝豆、インゲン、ジャガイモを和えても、いけるとのこと。身を崩して酒でのばしただけなのに、合わせる食材のバリエーションは豊富なんです。
「イカでやるのもいいですよ。細づくりにして和えたりね。塩辛とはまた違った風味を楽しめると思います」
素人は、あれもこれもと足したり入れたりしたくなるのですが、プロの料理人は素材を生かして余計なことをしないんですね。勉強になります!
【材料】
・空豆
・アンチョビー
・日本酒
(それぞれ適量)
【材料】
1. アンチョビー適量をすり鉢ですり、酒を少々加えてのばす。
2. 空豆を塩ゆでして皮をむき、①のアンチョビーと和える。
今日のダンツマ達人…岡田幸造さん
▽おかだ・こうぞう
1959年、東京都生まれ。慶応義塾大卒。新橋の料亭「松山」で修業したのち、86年から2代目の父・千代造と一緒に厨房に入る。祖父・庄次が築いた江戸の味を守りながら、挑戦も続けている。
▼はちまきおかだ
1916(大正5)年に京橋区尾張町(現・銀座5丁目)で開業。昨年10月、創業101年を迎えた。水上瀧太郎、久保田万太郎、川口松太郎、吉田健一、山口瞳ら多くの文人に愛されてきた銀座の老舗。戦争や都市計画のあおりで、1968(昭和43)年に現在の地に移転した。
中央区銀座3―7―21
℡03・3561・0357
(日刊ゲンダイ2018年4月14日付記事を再編集)
フード 新着一覧