「車麩と谷口屋の油揚げ 福地鶏のピリ辛煮」ダシがしみしみ

コクハク編集部
更新日:2022-11-28 06:00
投稿日:2022-11-28 06:00
 伝説の達人に聞く、男子が泣いて喜ぶおつまみ。題して“ダンツマ”。今回は東京・神楽坂の「そば・郷土料理 九頭龍蕎麦本店」の長内宝生さんに、ダシを味わう「車麩と谷口屋の油揚げ 福地鶏のピリ辛煮」のレシピを教えていただきました。

お酒に合うよう鷹の爪を入れて

合う酒=辛口の冷酒(C)コクハク
合う酒=辛口の冷酒 (C)コクハク

 分厚い油揚げがたっぷりとツユを吸っています。具はもちろんですが、このちょっとピリ辛なツユが実はお酒のアテになります。温かいツユには辛口の冷酒がちょうどいいんです。

「福井の油揚げは独特で、分厚いのが特徴です。地鶏の福地鶏を使いましたが、スーパーで売っている鶏肉でも構いません」

 車麩(くるまぶ)は福井名物ではなく東北地方のもの。

「炊くことで素材が味を吸い、味を出していきます。だから白だしだけで十分です。お酒のつまみならばこれぐらい味が濃くてもいいです」

 野菜や鶏のだしがまろやかに出ています。

「ちょっとおでんぽいですが、関東風おでんとの違いは昆布がそんなに効いていないところ。これは煮物なので炊き込んで味をつけていきます。お酒のつまみに合うように鷹の爪を入れました」

 関東風おでんでもカラシをつけますが、ピリ辛はおつまみの王道なのです。

【材料】

・車麩(乾燥) 3個
・油揚げ 4分の1
・鶏もも肉 150グラム
・マイタケ 1パック
・鷹の爪 3本
・ダイコン 20グラム
・ニンジン 20グラム
・小松菜 茹でて30グラム(2束)
・白だし 100㏄
・水 100㏄

【レシピ】

(1)車麩を水につけて1時間ほど戻す。戻ったら水を絞る。

(2)油揚げは茹でこぼして油抜きをする。

(3)マイタケを適当に割き、ダイコン、ニンジンは乱切りに。

(4)小松菜をそのまま茹でる。

(5)鶏もも肉は皮目を下にしてフライパンで焦げるまで焼く。焦げが大事。

(6)焦げ目がついたら裏返して火を止め10分間放置。余熱を入れたあと、8等分に切る。

(7)白だしと水を鍋に張り、下ごしらえしたすべての材料を入れて3~5分ほど強火で炊く。

(8)器に盛って出来上がり。

本日のダンツマ達人…長内宝生さん

▽長内宝生(おさない・ほうせい)
 1983年、熊本県生まれ。高校卒業後に上京し、なだ万で5年間修業。四谷荒木町・鈴なりの立ち上げに関わり、浦和の高砂、パークホテル東京の花山椒などの懐石料理、牡蠣専門店などで日本料理の経験を重ね、九頭龍蕎麦3店の料理長に。

▽九頭龍蕎麦本店
 飯田橋駅から神楽坂を上り徒歩5分。大根おろしをのせて汁をかけて食べる名物・越前おろし蕎麦と郷土料理のお店。福井が位置する北緯36度地帯は蕎麦栽培に適しており、玄蕎麦の希少な在来種がある。塩ウニやへしこ、味噌豆腐など福井のこだわり料理や地酒が豊富。越前おろし蕎麦を広めた老舗「うるしや」(福井県越前市)を買い取り復活させ、田町店も開業した。

 東京都新宿区神楽坂3-3

(日刊ゲンダイ2020年9月11日付記事を再編集)

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