更新日:2024-08-22 17:29
投稿日:2022-11-25 06:00
運命が動き出したアフタヌーンティー
ーー続けてください。
「3人でコーヒーとケーキのアフタヌーンティー。私は緊張しつつも、何とか笑顔で会話をし、質問にも丁寧に答えました。
で、ここからE美さんから仰天の申し出があったのです。
『うちのA太郎ももう29歳でしょう? そろそろお嫁さんを考えているのだけれど、R子ちゃん、前向きに考えてくれないかしら?』と。
一瞬の間があり、私が返答に困惑していると、A太郎さんは私をまっすぐに見据え、
『僕なら構いません。母から聞いていた以上にR子さんは素敵で聡明な女性だとピンときました』
と、まさかの言葉が発せられたんです。
セレブな奥様の正体は
『R子さんはどうかしら?』
畳みかけるE美さんに、私は『ありがたいお話なのですが、実は、母の乳がんが見つかってしまって……』と、目を伏せました。
母を置いて結婚はできないことに加え、あまりにも早急過ぎる流れに戸惑ってしまって……。
しかし、返ってきた答えは予想をはるかに超えたものでした。
『母さん、うちの病院にR子さんのお母様に入院してもらうのはどうかな』
『それはいいわね。個室は空いているし、ご希望なら特別室を使ってもらっても良いわね』
私、ポカンとしてしまいました。そう言えば、カルチャースクールで会うE美さんは『セレブな奥様』程度の認識でしたが、実は都内の総合病院の院長夫人で、A太郎さんも医師だったのです。いずれはお父様の跡を継ぐそうで……」
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