低温調理がポイント
とにかく濃厚なんです。一口食べるとコクのあるレバーの風味が口の中にパァーッと広がって…。ほとんど上質なレバーペースト。フォアグラのような食感です。
「クリーミーで口の中で溶けるでしょ」と店主、自慢の一品だそうです。どこにでも売っているレバーが絶品になるのは、低温でゆっくりと調理しているから。温度が低いと繊維を壊さないので、火を入れても硬くならないとのこと。中まで火が通っているのに、不思議なほど軟らかくてみずみずしい味わいです。
ちょっと時間はかかりますが、作り方はカンタン。手間いらずなのも嬉しいところ。
「まず、レバーを塩水に90分ほど漬けて下さい。中まで塩が回ります。90分経ったら、塩味が染みたレバーをジップロックに入れて密封し、60度のお湯で1時間、加熱します。温度が70度を超えるとレバーが硬くなるので要注意です。鍋からあげた後、しばらく水が出るので、ザルにあけて水気を切って下さい。水気がなくなったら、サラダ油に浸します。最後にゴマ油と醤油を適量たらせば完成です。好みでネギをかけて下さい」
味つけはシンプルなのに、ハーブを入れたような香りがします。レバー独特の臭みは、まったく感じられません。
飲む酒は、赤ワインで決まり。濃厚なレバーの味に負けない、重いモノを選びたいですね。
ちなみに、写真の奥は、同じ調理法で作った鶏の胸肉です。こちらもよろしければぜひ挑戦してみてください。
【材料】
・レバー
・塩
・サラダ油
・ゴマ油
・醤油
・ネギ
【レシピ】
1. レバーを15%の濃度の塩水に90分間漬ける。
2. 軽く水気を取ったら、レバーをジップロックに入れて密封して、60度の温度の鍋に1時間かける。レバーの菌は60度以上で死滅する。70度以上だとレバーが硬くなるので要注意。
3. 鍋からあげたら水気を取り、サラダ油に漬けた後、最後にゴマ油と醤油をたらす。好みでネギを加える。
本日のダンツマ達人…村瀬文吾さん
▽むらせ・ぶんご
鮮魚店が経営する居酒屋「魚真」で10年間修業。魚を徹底的に勉強し、33歳の時、独立。
▼よしだかいがん
営業時間は夕方6時から朝6時まで。魚がおいしいと評判の店。常連客は刺し身を目当てに通ってくる。早い時間は近所のサラリーマンが多いが、新宿2丁目のど真ん中という立地もあって、深夜から朝方は2丁目の住民が多い。
東京都新宿区新宿2―13―6
℡03・5379・5488
不定休
(日刊ゲンダイ2018年5月22日付記事を再編集)
フード 新着一覧