3,030円の努力!健康ランドを朝に晩に美容的に活用してみた

新井見枝香 元書店員・エッセイスト・踊り子
更新日:2022-12-23 06:00
投稿日:2022-12-23 06:00

朝に晩に励んだ美容ルーティン

 備え付けのメイク落としですっぴんになって、熱い湯に浸かって疲れをほぐし、塩サウナで横綱のように塩をまき散らし、じんわり汗が出てきたら、水風呂に入って、たっぷり水を飲んでから、本気のサウナ、水風呂を繰り返し3セット。

 最新式のシャワーヘッドからは、ミストやジェットが噴出するので、全身に浴びまくり、歯をむき出しにして口の中までマッサージ。歯茎までほどけて、備え付けの化粧水と乳液をばしゃばしゃ使わせてもらい、仮眠室で就寝。

 朝目覚めると、また同じコースを繰り返し、心も体も軽やかに出勤。バスタオルは洗ってくれるし、館内着のハッピーなムームーも貸してくれる。

 なにより、パウダールームには、自分の家にあるのよりずっと性能のいい、低温速乾ドライヤーが数台用意されている。

大浴場とサウナでの瞑想効果?

 踊り子として10日間仕事をしていると、拘束時間が長く、体力の消耗も激しく、食生活が乱れ、徐々に肌や髪に疲れが見えてくる。

 しかし今回の大阪では、東京の手狭なアパートで暮らす日常より、うるおいと輝きを増し、体のむくみも取れて、何より心が凪(な)いでいた。

 広い風呂とサウナでの瞑想が効いているのだろう。楽日の翌日、奈良に足を延ばし、広大なお寺を歩き回って、古代スイーツをたしなみ、地酒を飲み比べて帰ったほど、エネルギーに満ち溢れていた。

ノー休肝日で満喫した食い倒れの街

 大阪の夜は魅力的だ。大衆酒場、焼肉屋、ラーメン屋、粉もん屋。休肝日を設けるのも惜しく、終演後はひとりで飲み歩いた。

 それでも、毎朝すっきり目が覚めて、喫茶店のモーニングをおいしく味わえたのは、きちんとアルコールを抜いてから眠りについたからかもしれない。

 酔って帰宅すると、風呂に湯を張るどころか、シャワーをあびることも面倒くさい。しかしそこに風呂がぐつぐつ沸いていれば、ぽーんと脱いでじゃぼんと入れる。酔ったまま寝るから、二日酔いになるのだろう。(もちろん、深く酔っての入浴は危険です)

 そして何より、食べ物が持ち込めないので、〆のコンビニスイーツを食べることがなくなり、館内の自販機は割高なので、ジュースも飲まず、なぜかおいしく感じるウォータークーラーの水をがぶがぶ飲む。これもまた、美と健康に良いこと、この上なし。

 ネカフェ難民のように、健康ランドで暮らすことを、本気で考えたい。

新井見枝香
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元書店員・エッセイスト・踊り子
1980年、東京都生まれ。書店員として文芸書の魅力を伝えるイベントを積極的に行い、芥川賞・直木賞と同日に発表される、一人選考の「新井賞」は読書家たちの注目の的に。著書に「本屋の新井」、「この世界は思ってたほどうまくいかないみたいだ」、「胃が合うふたり」(千早茜と共著)ほか。23年1月発売の新著「きれいな言葉より素直な叫び」は性の屈託が詰まった一冊。

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