「古傷をえぐる行為だ」恋人の詮索に嫌悪する47歳男性の憂鬱

並木まき ライター・エディター
更新日:2023-01-14 06:00
投稿日:2023-01-14 06:00

誰にも話したくない

 こうポツリポツリと話し始めたナオトさん。「ここまでの話は、楓も知っていると思うんですよね。僕も周囲に、ここまでの話は普通にしますから。でも、じゃあなんで婚約破棄になってしまったのかとか、どんな相手とだったのかってところは、誰にも話したくないんです」と、かたくなに口を閉ざします。

「当時、かなり壮絶な別れ方をしましたし、相手は立場のある人なので僕のせいで迷惑をかけたくないというのもあるし。っていうか、そもそも過去のことだから、楓が今それを知ったからって状況はなにも変わらないし、なんの意味もないことなんじゃないですかね?

 僕からすると、楓の都合で古傷をえぐられるのは勘弁です。こういう付き合いが不満ならば、僕じゃなく別の人をさっさと探してくれよって思ってしまいますね」

自分の過去をさらけ出す恋人にうんざり

 だんだんと苛立ちが表に出てきたナオトさんは、楓さんへの不満へと話が発展していく事態に……。

「逆に楓は、僕が知りたくもないのに、自分の過去のことをペラペラと話しすぎだと思うんですよ。前の旦那さんがどんな人だとか、仕事は何をしているとか、実家がどうだとか……。

 僕、そんな話を聞いてもちっとも楽しくないですし、どうでもいいので聞いていてもつまらないだけです。それなのに楓は、ずいぶんと前に離婚した旦那さんの話を、僕の前で出しすぎだと思います。

 元旦那さんに嫉妬するとかはないですけど、同情はしますね。別れて何年も経ってから、見ず知らずの男を相手に、元妻がアレコレと話題にしているって知ったら、気分が悪いだろうなぁって。

 僕がもし元旦那さんの立場だったら、不愉快で仕方ないですね。あ、もしかして僕も楓と別れたら、ああやっていろいろと次の男に、“元恋人”として何回も話題に出されるんですかね?

 本当に勘弁だなぁ、面倒くさいですね、そうなったら」

 ◇  ◇  ◇

 恋人同士であれ、夫婦であれ、100%同じ価値観を有する男女は稀です。ましてや交際前の男女となれば、なおのことです。少しのすれ違いが、大きな溝に発展することも少なくないのが異性間における現実でしょう。

 まさにこれこそが、男女関係における醍醐味にもなれば致命傷にもなる“冷酷と激情”のはざまなのかもしれません。

並木まき
記事一覧
ライター・エディター
元市議会議員・時短美容家(一般社団法人 時短美容協会・代表理事)の肩書きを有する。20代から見聞きしてきた魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様への分析を活かし、美容や恋愛に関するコラムを中心に、さまざまな媒体に寄稿。
Instagram公式HP

日刊ゲンダイ掲載「あの人は今」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/geino/277865

関連キーワード

ラブ 新着一覧


もう当分恋愛は無理…自分で“恋愛ブロック”かけてませんか?
 もう二度とほかの人と恋愛することはないんだろうなぁ……と思って結婚したものの、離婚してしまえばまた独身。再び恋愛をする...
七味さや 2020-09-04 06:00 ラブ
私たちはなぜ「恋愛リアリティーショー」に夢中になるのか?
 私たちは、なぜ恋愛リアリティーショーに夢中になってしまうのでしょうか。人の恋模様を観察する番組のどういうところにハマっ...
内藤みか 2020-09-03 06:00 ラブ
気が強い彼女に見られる5つの特徴! 周りにどう思われる?
 気が強い女性は、その性格ゆえに敵対視されることもあるかもしれませんが、仕事もプライベートも芯を持って取り組むため、周り...
恋バナ調査隊 2020-09-03 06:00 ラブ
時代錯誤!家事分担から逃げるため屁理屈しか言わない夫たち
 家庭内の家事分担に関して、屁理屈しか言わない夫も存在するようです。男女共同参画が進み、当たり前に家事分担をしている家庭...
並木まき 2020-09-02 06:00 ラブ
モテ期到来かも!? 見逃したらもったいない7つのサイン♡
 いつ訪れるのかわからない「モテ期」。そんなモテ期到来のサインがわかれば、素敵な相手を探せるチャンスもぐっと広がるでしょ...
恋バナ調査隊 2020-09-02 06:00 ラブ
ついに夫婦が直接対決! 妻に問い詰められた夫が語った真実
 郊外に念願の一軒家を手に入れた、1組の「パワー夫婦」。会社への通勤には少々不便な地でも、テレワークがメインの今は「少し...
並木まき 2020-09-01 06:05 ラブ
タフな大和撫子♡中国地方出身の女性の性格・特徴&恋愛観も
 シリーズ「地域で違う!男女の恋愛観まるっと調査!」、今回は、中国地方出身女性編! 中国地方は、鳥取県、島根県、岡山県、...
男性に告白された!上手な断り方5つ&トラブルを防ぐ注意点
 本来、告白されるというのは嬉しいこと。女性として、男性に好意を持たれるというのは幸せですよね。しかし、興味のない男性か...
恋バナ調査隊 2020-09-01 06:00 ラブ
元彼とワンナイトからズルズル…自分の幸せのための考え方!
 元カレとのワンナイトからズルズル……良くないこととは知りながらも関係を断ち切れず、思い悩んでいたりしませんか? 10代...
若林杏樹 2020-08-31 06:00 ラブ
硬派でオクテ? 中国地方出身の男性の性格や特徴&恋愛観は
 シリーズ「地域で違う!男女の恋愛観まるっと調査!」、今回は、中国地方出身の男性編! 中国地方は、鳥取県、島根県、岡山県...
男性が女性を意識する瞬間10選!恋の始まりを引き寄せて♡
 気になる男性ができたら「恋愛対象として意識してもらいたい」と、思う女性は多いでしょう。実は男性には、今まで特に意識して...
恋バナ調査隊 2020-08-30 06:00 ラブ
“ほぼ初対面”の気になる人と距離を縮めるLINEテクニック3つ
 会わずとも連絡が取れるチャットでのコミュニケーションは、現代における恋の発展に最も重要なものといえます。特に合コンやア...
ミクニシオリ 2020-09-05 05:30 ラブ
なぜか彼氏が途切れない女性の特徴6選! 思わぬデメリットも
 なぜか、彼氏が途切れない女性っていますよね。ひっきりなしに彼氏が変わる女性は、「さそがし、モテるんだろうな」なんて思わ...
リタ・トーコ 2020-08-30 06:00 ラブ
不倫が成立しやすい同窓会…ヤリモク男が狙う女性の3大要素
 男女問題研究家の山崎世美子(せみこ)です。不倫や浮気あるあるのシチュエーションの代表的な集まりといえば同窓会です。SN...
山崎世美子 2020-08-30 12:01 ラブ
男性が女性に冷める7つの瞬間! 可愛い彼女でいるためには?
 あんなにラブラブだったのに、なんだか急に冷たくなった彼。「自分では何をしたのかわからない……」そんな時、もしかしたら彼...
恋バナ調査隊 2020-08-28 06:00 ラブ
鬼嫁な上に不倫まで…ドン引きしかない“ママ友”の呆れた生態
 不倫をしているうえに、家庭では鬼嫁……となると、もはや夫に対しては同情しかありませんよね。ママ友にそんなタイプがいる女...
並木まき 2020-08-28 06:00 ラブ