膣内フローラって何? 繰り返す膣炎は悪玉菌が原因?(専門家監修)

コクハク編集部
更新日:2023-03-30 06:00
投稿日:2023-03-30 06:00
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、ちょっとした有名人。でもって、タヌキか妖怪の噂も囁かれるなか、健康に関する知識はズバ抜けている――。
 そんなえりのボスのもとにはウワサを聞きつけ、今日も悩みを抱えた女性が、ふらりと立ち寄ったようですよ。

1. 繰り返す膣炎、気を付けているのになぜ?

 恵美さん(33歳女性・仮名)からご質問をいただきました。

「ちょっと疲れたり体調が悪かったりすると、すぐ『膣炎(ちつえん)』になってしまうんです。ムズムズしたり痛みがあったり、おりものも増えたりするから、仕事中も常に気になってしまって……。清潔にするようにしているのに、いつも繰り返してとてもつらいんです」

 恵美さんは、憂鬱そうにため息をつきながら悩みを打ち明けます。

「気をつけているのに、膣炎を繰り返してしまうのはとてもつらいわよね」

 うんうんと頷きながら、恵美さんの話を聞くえりのボス。

「そうなんです……。もうどうしようもないのでしょうか?」

 恵美さんはすがるようにえりのボスに訴えます。

「細菌性膣炎は、膣内細菌のバランスが崩れることが原因なの。デリケートゾーンを清潔にすることも大切だけれど、膣内フローラを整えることで細菌性膣炎を予防できる可能性が高くなるわ」

「膣内フローラって何ですか? 詳しく教えてください!」

 これは放っておけません!

2. 膣内のトラブルには膣内フローラが関係している?

「膣炎の予防には、膣内フローラを整えることが必要なんですか?」

「ええ、膣内フローラは、膣の常在菌が集まっている様子を表す言葉なの。膣内フローラのバランスが崩れると、悪玉菌が増えてさまざまなトラブルを引き起こしやすくなるのよ」

 膣内細菌には、膣の健康を守る「善玉菌」と、増えすぎるとさまざまな症状を引き起こす「悪玉菌」がいます。

 膣内フローラが整い善玉菌が優位な状態では、感染症の予防や妊娠率の向上など、さまざまな効果が期待できます。

 しかし、バランスが崩れ悪玉菌が優位になると、雑菌が繁殖しやすくなり、悪臭やかゆみ、膣炎などが起こってしまうのです。

「そうなんですね。私の膣炎も膣内フローラの乱れが影響しているんでしょうか……」

 恵美さんは興味深そうに、えりのボスの話を聞いています。

繰り返す膣炎は、膣内フローラの乱れが関係しているかもしれないわね。これから、膣内フローラを整える方法をご紹介するわ」

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