さよなら子宮! 妊娠云々ではなく死ぬか生きるかを選択する

コクリコ 編集者
更新日:2019-09-19 06:16
投稿日:2019-06-11 06:00

不安や恐怖を払しょくするには「情報収集」が大切

 独身ですし、年齢的にも子どもを考える状況にはありませんでしたが、子どもが嫌いなわけでもなく、もしもこの先子どもを授かることがあったらいいなとは思っていました。

 ですから、がんになったことと同じくらい、子宮を失うことに直面したショックは大きかったです。でも、もう子どもができるできないではなく、私は死ぬか生きるかを選択しないといけないんだ……。

 なんで私、がんになっちゃったんだろう……。

 広汎子宮全摘出は、婦人科でもっとも大きい手術といわれています。所要時間は8時間ほど。後遺症として、排尿障害、排せつ障害、リンパ浮腫、性交痛、腸閉塞などが予想されます。無事に手術が終わっても、がんが再発しなかったとしても、生涯その後遺症に悩まされることがあるのです。怖いです。

 また、卵巣を失うことで閉経を迎えます。閉経による更年期障害、骨粗しょう症、ホルモン欠乏によるうつなども起こりえます。

 調べてきたなかに「準広汎子宮全摘出術」という、単純子宮全摘出と広汎子宮全摘出の間の術式がありました。広汎子宮全摘出よりも切除範囲が狭く、後遺症が少なくて済むそうなのです。

 それを選択できないか。先生に尋ねると、

「よく調べてるなぁ。でも残念だけど、それについてはまだエビデンスがないんだよね。もしかしてどちらを選択しても予後は変わらないかもしれないけど、変わるかもしれない。腺がんは危ないから、大きく取っておくべきなんだ」

 エビデンス=証拠、根拠。現段階では準広汎全摘出術では、広汎子宮全摘出ほど予後を保証できないということです。

患者は医者の言いなりでいいの?

 術式も開腹手術(お腹を切るので傷が大きく、高侵襲)と腹腔鏡手術(お腹に穴をあけてカメラと器具を入れて行うので傷が小さく、低侵襲)がありますが、“安全に、残らずがんを取り除きたい”先生の方針では開腹一択

 開腹すればごそっと臓器を取り出せますが、腹腔鏡手術では臓器を体内で小さく切ってお腹の穴から出すので、その際にがん細胞が散らばってしまわないとも限らないということです。

 ちなみに、かかりつけ病院でC病院の他に名前が挙がった「A病院」は医療ロボット・ダヴィンチによる腹腔鏡手術を行っています。嵐の二宮和也さんのドラマで描かれた、あの医療ロボットです。

 今だから言えることですが、怖いからといって目を背けていると、患者は医者の言いなりなってしまいます。自分の病気をしっかり理解すること、治療法を調べること、自分がどうしたいか考えること、わからないことはわかるまで聞くこと、そしてできるだけ正しい情報(と思われるもの)を収集することが大切なのだと思います。

 私の情報収集方法については次回(6/18公開予定)お話しますね。

 これで開腹による卵巣を含む広汎子宮全摘術が決まりました。42歳での閉経。そしてさよなら子宮――。

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


戦うべき相手は過去の自分 時には昇ってきた階段を振り返る
 時には昇ってきた階段を振り返る。ずいぶんと上がった、と誇りに思うこともあるし、まだこんなところか…と凹むことも。 ...
親を嫌いになってもええやん? 40女が手放せた“無理と我慢”
 早いものでもう2月。新年をきっかけに、今年こそは! と決意を新たにした方も多いのではないでしょうか。  筆者もそのう...
コミュ力ゼロ、ママ友関係が苦痛でしかない…テッパン切り口&対処法
 子育てをはじめるともれなくついてくるのが、たくさんの人間関係。保育園や学校、ママ友との交流の機会が多いので、コミュ力の...
愛しいおんにゃの子に猛アピール♡“たまたま”君の恋の行方は
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
悔やまれる添い乳よ…子育てが落ち着いた40代ママが語る育児後悔エピ
 子育て期間中は、何が正解なのかわからないまま日々育児と向き合わなくてはなりません。しかも、子供によって成長の速さも性格...
世界的にフラワーバレンタインが来てる!愛の告白より感謝を伝える日に
 立春(2月4日)を迎え、暦の上では春。ですが、この記事を書いている最中にもテレビ画面には「本日関東地方は雪」ニュースが...
入籍お知らせで赤っ恥!させていただきますはダメ、巷でよく聞く変な敬語
 日本語って本当に難しいですよね! 中でも、日本人ですら間違えてしまうのが、敬語です。    案外、正解を知っている...
飛び立つのは怖いけど…いくつになっても思い切りって大事
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
“万年毛玉ジャージ”のママ友ん家がレベチ!良くも悪くもドン引きしたエピ
 人は見かけでは判断できません。特に、相手の本当の部分が垣間見えるのが「家の中」です。  いつも綺麗な人なのに家がすご...
朝寝坊にイチャイチャバレ…夫の実家に帰省した時の“珍”失敗談4つ
 結婚すると、長期休みや年末年始に夫の実家に帰省する人が多いですよね。そして、夫の実家への帰省中に、夫の家族から引かれる...
発達障害児の長男 児童精神科で勧められた「プレイセラピー」を受けたら
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
ちょいワルと見せかけて…実はおしゃべりな“たまたま”にキュン
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
鉄橋の間をゴーゴーと風が通ってゆく…ここは夢と現実の境目
 鉄橋の間をゴーゴーと風が通ってゆく。眼を閉じて、橋と共に吹き飛ばされる自分を想像してビクッとする。  と思ったら...
太陽のように明るく!「娼」の成り立ち、知っていますか
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ソロウエディングってなに? 痛いとは限らない意外なメリットと注意点
 最近流行っている「ソロウェディング」をご存知ですか? ソロウェディングは、一人で結婚式を挙げたり、ドレスを着たウェディ...
中途入社ちゃん「ご迷惑では ご都合は ご連絡は」接客AIか?気遣いすぎ
 人への気遣いは大切。まったく気を遣わなければ、ギクシャクしたり口論になったりするため、最低限の気遣いは必要でしょう。 ...