星野源さんもNO! タレントの画像をSNSで無断使用する心理

内藤みか 作家
更新日:2019-06-10 06:37
投稿日:2019-06-10 06:01
 歌手で俳優の星野源さんが、ラジオ番組で、SNSのアイコンに自分の画像を使われることにはっきりNOを示しました。有名人でここまではっきりと自身の画像の利用に難色を示すケースは珍しく、多くの反響がありました。それにしても、SNSアイコンを芸能人の画像にしたがる人がいるのは、なぜなのでしょう?

応援の気持ちを伝えたい

 SNSのアイコンをタレントさんの顔写真にしている人の多くは、そのタレントさんのファンだと思われます(一部、なりすましやアフィリエイト目的の人もいるようです)。彼を応援しています!彼のことが好きです!と言葉で伝えるより、本人画像をアイコンで出してしまったほうがわかりやすいのでそうしているのかもしれません。

 画像利用する側からすれば応援の気持ちがあるようです。「世の中にはこんなに素敵な人がいるということを世界中の人に伝えたい!」と願う気持ちで画像転載してしまったのでしょう。でもその画像の利用について、本人はもちろん、所属事務所の許可を得ている人は、ほとんどいないのではないでしょうか。

自分がいちばんのファンだと伝えたい

 そのタレントの広報をサポートするつもりで画像を利用している人もいます。「本人はSNSをしていないので、代わりに私が」「本人忙しいのかぜんぜん投稿してなくて、出演告知もできてない。みんなに知らせなきゃと思って」などと言っている人もいます。これらは善意で行われている、とてもありがたいことです。ただし、画像を無断転載さえしていなければですが。

 自力でネット検索し、彼の出演情報をキャッチし、いち早くSNSで拡散する。そのことが快感になっている人もいます。「誰に教えてもらったの?」「どういう情報入手ルートがあるの?」などと、特別なファンであるかのように思われることが嬉しいのです。誰よりも彼のことをわかっていて、応援している。自分こそが一番のファンだと思われたいために頑張っている人もいます。これについては画像を無断転載さえしていないのであれば、ありがたいことだと思います。

肖像権や著作権を侵害するおそれも

 基本的にタレントの画像は無断転載不可であるものが多いのです。なぜならば、顔画像はタレントの商品でもあるため、無断で利用すると肖像権やパブリシティ権の侵害となる可能性があるからです。また、その画像を撮ったカメラマンさんの著作権にも関係してくる場合もあります。本来は勝手に利用や加工をすべきではないのですが「いけないことなのかもしれないけど、本人や事務所から注意されたらやめよう」と考えている人もいるようです。

 タレント画像をアイコンに使うのは、本人のアカウントのように見えて紛らわしいので許可なくやらないほうがもちろんいいです。また、有料配信された動画やメールの画像を無断でSNSにアップする行為も心配です。他の人たちがお金を払って見ているものを無料で外に出してしまうわけですから、営業妨害となってしまいかねません。「彼の素敵さを拡散したかった」と言う人が多いですが、真に応援したい気持ちがあるのなら、販売されているデータを無料でアップする行為は控えるべきでしょう。

楽しく応援するための裏ワザ

 画像はダメと言われてもどうしても画像を使いたい! そういう人は、SNSのリンク機能を利用しましょう。彼の画像が載っているページのURLを投稿本文に添えると、そのページの一部が表示されることがあるからです(表示されないページもあります)。運が良ければ彼の画像が出現するかもしれません。また、オンライン書店などで彼の写真集の販売ページのURLを添えても同様です。リンクされて出てくる商品画像については、無断転載とはなりません。リンク先が販売サイトならば、それを購入してくれる人もいるかもしれないので、応援にもなるのです。

 このように、画像を直接転載するのはNGでも、URLを貼ってリンクするのであれば大丈夫というケースはあります(していいのはサイトのURLを添えることだけ。そのページの画像を無断でダウンロードして転載することはNGです)。とはいえタレントの所属事務所によってはホームページに「リンクもNG」もしくは「リンクするときは許可を取ってください」などと表記がある場合もあるので十分な注意が必要です。素敵な彼を応援するために画像を皆に見せたい気持ちはわかりますが、タレントさんに迷惑をかけない方法で応援していきたいですね。

内藤みか
記事一覧
作家
著書80冊以上。大学時代に作家デビューし、一貫して年下男性との恋愛小説を書き綴る。ケータイ小説でも話題に。近年は電子媒体を中心に活動。著書に「あなたに抱かれたいだけなのに」など。イケメン評論家として、ホストや出張ホストなどにも詳しい。
XInstagram

ライフスタイル 新着一覧


子、姪、甥への「お年玉適正価格」問題 親戚と決めた我が家のルールは…
 子供たちのお正月の楽しみといえば、なんといっても「お年玉」ですよね。でも、大人にとっては「親戚の子へのお年玉の額をどう...
「自信がない人」必見! 必要なのは“勇気”なのかもしれない
 突然ですが、みなさんは自信と勇気の違いって説明できますか? 私はよく自信がなくて悩むのですが、本当は「勇気のなさ」こそ...
鮮やかな朱色にハッとする 見つけたのは秋が忘れていった物
 ずいぶんと歩いたけれど、ひときわ映える朱色にハッとして顔を上げた。 「秋の忘れ物」もきっと鳥に見つかって、最後は...
共働き夫婦はいつ洗濯物を干すのが正解? 一長一短な6つの選択肢
 現代では、多くの夫婦が共働きですよね。そこで問題となるのが「洗濯物をいつ干すか」という点です。特に朝からのフルタイム出...
Tバックで足が速くなる? 40女が自己ベストを更新できたワケ
 先日行われた「第18回湘南国際マラソン」の「ファンラン10kmの部」に参加してきました。ランニング歴15年にして初の1...
カメラマンの本領発揮! ウブ“たまたま”を追いかけパチリ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
節約は正義!家庭で過ごすクリスマスアイデア【飾りつけ編・レシピ編】
 一年の最後の大イベントといえば、やっぱりクリスマスですよね。特に子供のいる家庭では、部屋の飾りつけやパーティー料理など...
2023-12-07 06:00 ライフスタイル
縁起悪っ!ポインセチアが毎年グッタリな人へ…NG事項と育て方のコツ
 クリスマスを彩る真っ赤なポインセチアですが、実は暑い地方が原産で「寒いのは苦手」。そんなポインセチアを綺麗に長く楽しむ...
「うちの夫が美容に目覚めたら…」謎のこだわりと行き過ぎた美意識エピ
 美容といえば、女性を連想しますよね。でも最近では、男性もメイクやスキンケアをするなど美意識に変化が現れています。  ...
探し物のほうも「見つけられるタイミング」をうかがっている
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
気が重すぎる…。年末年始に義実家への帰省を円滑に回避する4つの方法
 年末年始が近づくにつれて「義実家への帰省がしんどい」と、気が重くなる妻たち。せっかくの新年なのに、1日中気を遣って食事...
お気に入りの柔軟剤♡ドラム洗濯機の乾燥モードでどうなる?
 初めまして! 大切なお洋服を洗っても、イヤ~な臭いがするとテンションが落ちてしまうコクハクガールズ1期生の「よもも」と...
1日8時間労働は働きすぎ? 理想の働き方を手に入れる方法
 セックスレスや婚外恋愛、セルフプレジャーをテーマにブログやコラムを執筆しているまめです。  海外のTikToke...
16年物グレゴリー「フローラルタペストリー」を卒業!ネットで新調し涙
 趣味もファッションもその時の流行りや年齢で変化しますが、それとは別にいつまでも好きなモノってありませんか?  30代...
子供のおねだり攻撃をかわす4つの対策&絶対やってはいけない行動
 子供はいつでも自分の欲求を全力でぶつけてきます。だからこそ、子育ては本当に体力&忍耐勝負! 特にママたちを困らせるのが...
一心に、朝日に向けて飛ぶその眼は何を視ているのか
 思いはそれぞれでも同じ方向を向いて、必死に羽を羽ばたかせて一心に飛ぶ。  疲れたら声を掛け合い、ときには目的地を...