マッサージいらずの肩こり解消法!根本原因の改善におすすめの漢方薬3種

コクハク編集部
更新日:2023-05-18 06:00
投稿日:2023-05-18 06:00

4. しつこい肩こりには漢方もおすすめ

 肩こりには、漢方薬で内側からアプローチをするのも効果的です。

 漢方薬は、こりの緩和と根本原因の改善の両方に働きかけるので、しつこい肩こりでお悩みの方にはとくにおすすめといえるでしょう。

 肩こりの原因としては、冷えや血行不良、過労、ストレス、水分代謝の乱れなどが考えられます。改善するには、肩こりの痛みに対しての鎮痛作用に加えて、

・血流をよくして肩の筋肉をほぐす
・からだを温めて筋肉をゆるめる
・肩の筋肉に栄養や酸素を届けて疲労を軽減する
・自律神経のバランスを整え、ストレスが原因の肩のこりを軽減する
・水分の循環をよくして老廃物や疲労物質を排出する

 といった働きをもつ漢方薬を選び、根本改善を目指します。

 バランスのとれた食事や運動などを毎日続けるのは苦手という方も、症状や体質に合った漢方薬を毎日飲むだけなので、継続しやすいのもメリットです。

 ここからは、肩こりでお悩みの方におすすめの漢方薬をご紹介します。

<肩こりでお悩みの方におすすめの漢方薬>

4-1. 大柴胡湯(だいさいことう)

 気(エネルギー)の流れを整えることで、気の滞りによる肩こりや頭痛に働きかけます。比較的体力があり、便秘がちで上腹部が張って苦しい方におすすめです。

4-2. 二朮湯(にじゅつとう)

 水分の循環をよくして肩にたまった余分な水分を排出することで、肩の痛みを和らげます。肩や上腕が重く、だるい方におすすめです。

4-3. 葛根湯(かっこんとう)

 筋肉に潤いを与え、引きつりや痙攣を和らげるため、肩や首のこりに用いられます。比較的体力のある方におすすめです。

 漢方薬を選ぶ際には、自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合っていない場合、効果が出ないだけでなく副作用が起きることもあります。購入時には、できる限り漢方に精通した医師、薬剤師にご相談ください。

 最近では、スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。相談から購入までスマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談できます。

 また、漢方薬はお手頃価格で自宅まで届くので、不調を改善したい方は医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

5. しつこい肩こりはからだの内側からケアしよう

「しつこい肩こりは、そもそもの原因をケアするほうがいいんですね。勉強になりました!」

 えりのボスの話を、うなずきながら聞く一美さん。

「よかったわ。まずは肩こり対策ができる生活習慣を意識してみて。ほかにも、専門家に相談して漢方薬での体質改善もおすすめよ」

「もう肩こりにはうんざりなので、さっそく生活習慣の改善と漢方薬をはじめようと思います」

 そう言って、一美さんはサロンを後にしました。

「ええ、また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」

 一美さんの肩こりが1日でも早く改善されることを願う、えりのボスでした。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方(オンラインAI漢方)薬剤師 碇 純子(いかり・すみこ)

 薬剤師・漢方薬生薬認定薬剤師/薬学修士/博士(理学) 。神戸薬科大学大学院薬学研究科、大阪大学大学院生命機能研究科を修了し、漢方薬の作用機序を科学的に解明するため、大阪大学で博士研究員として従事。現在は細胞生物学と漢方薬の知識と経験を活かして、漢方薬製剤の研究開発を行う。世界中の人々に漢方薬で健康になってもらいたいという想いからオンラインAI漢方「あんしん漢方」で情報発信を行っている。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

YouTube「Medical Health CH」

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


「涙袋」が痛く見えないコツは? やっちまったNGメイクを参考にして
 涙袋メイクは簡単に目の縦幅を広く、大きな目に見せることができるので、毎日欠かせない人も多いのではないでしょうか? 筆者...
マンホールを歩くのもダメ? アレルギーがしんどい人の苦労エピソード
 食物や花粉、金属に虫など、アレルギーにはさまざまな種類があります。アレルギーでしんどい状態は、体験してみないとなかなか...
40代女が陥りやすいショートヘア失敗回避策 我慢すれば済む話ではない
 流行りのショートヘアで、小顔を目指すつもりが、「思ってたのと違う!」と鏡の中の自分にツッコミを入れる女性は多いようです...
40代でも絶対に諦めない! パサつき原因&ツヤ髪を取り戻す4つの習慣
 40代以降の見た目年齢を決める大きな要素が、髪の毛です。40代を超えると、髪がパサつき、白髪も増え、残念な印象に……。...
美髪の秘訣はマヨネーズでマヨシャン!? 人には言えないオモロ美容法6選
 世の女性の多くは、綺麗になるためにいろいろな努力をしています。筋トレやスキンケア、エステなど、良いと言われたものはすべ...
今さらですが「ヌン活」ってなに? 赤っ恥をかかない服コーデの正解
 肌寒くなってきたこの頃、秋本番です。秋といえば、グルメやスイーツですが、より優雅に雰囲気まで味わうなら「ヌン活」がおす...
性交渉でできもの!?【専門家監修】デリケートゾーンの異変とケア方法
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
ショック! まつ毛サマがごっそり抜けた…今すぐ見直したい5つの悪習慣
 洗顔やメイクの際、まつ毛がごっそり抜けた経験はありませんか? 突然抜けたら、誰だってびっくりしますよね。「どうしよう…...
40代はVIO脱毛のやり時!でもアンダーヘアどこまでなくそうか問題が…
 アンダーヘアを脱毛する若い女性が増えていますよね。でも、40代を過ぎるまで自然体で過ごしてきた女性にとっては、どこまで...
40代おブスアイメイク、同じアイシャドウでも塗り方で激変するテク3選
 アイメイクには、欠かせないアイシャドウ。毎日のメイクにおけるマストアイテムであるにもかかわらず、塗り方を間違えてしまう...
仕事終わりに突然のお誘い…ってか合コン!? ボロボロ姿を一瞬で整える法
 社会人生活を過ごしていると、「今日、◯◯社の人たちと飲みに行かない?」と仕事終わりに突然のお誘いが舞い込むことがありま...
40代でニット帽?ちょっと待った!今年こそ卒業を考えたほうがいい理由
 秋めいてきたこの頃。「そろそろニット帽でも出そうかな♪」なんて思っている40代女子はちょっと待った! もしかして、その...
“メンタル繊細”で生きづらい?【専門家監修】HSPの特徴と即セルフケア
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
夏の終わりの肌トラブル、放置プレーしてない?日焼け・毛穴・乾燥ケアを
 暑い日が続いていましたが、ようやく秋らしい気候に。夏が終わって肌の変化に気づいたり「あれ、なんか老けたかも……」とショ...
ほんのり臭ってる? 40代の加齢臭対策に「ちょっといい♡」プチプラ3選
 40代を迎えると、自分の発するニオイが、ふと気になる場面も増えますよね。「あれ? なんだか臭いかもしれない……?」とい...
大正時代の化粧品!?「コスメ今昔」パック、オイル…美への憧れは一緒
 みなさんは、普段から手にしている化粧品の昔の姿を想像したことはありますか?  筆者は先日、クラブコスメチックス...