浮気編<2>軋むベッドの上でイヤらしさを持ち寄ったバカの顛末

小悪魔ドルチェ寿司 編集者
更新日:2019-07-28 18:12
投稿日:2019-06-14 06:00
 わたしとひろし(非仮名w)の48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものか。ホットなイットボーイというより、じわじわ低温やけどさせる引退系男子。そんな男を好いて惚れ尽くしたわたしの話をしてみたいと思います。今回は野坂昭如的男と女の深い“河”についてのお話です。

【vol.17】

 男と女は恋人から望むものが得られないとき、3パターンに分かれます。要求過多になるかほかで埋めるか、あるいは関係を終わらせるか、です。

 この性質が同じふたりならうまくいく可能性が高いのですが、そうとも限らない。実際は、相手が要求過多になっているときに話し合いにも応じず善処を怠り、お互いの中庸を探る努力もせず、ノラリクラリと交わしながら逃げつつ、ほかの相手を探し始める男性に対して、要求過多のデフレスパイラルに陥り「どうしてこうしてくれないの」、「なぜああしてくれないの」と金切り声で懇願する女のパターンが多いようです。そしてそれは悲劇しか生まず、3パターン目の別離に繋がります。

 お互いにほかはほかで埋めつつ、ふたりの日常をつつがなく送ることを優先する価値観を共有している〈機能性カップル〉、あるいは、お互いが要求過多になり喧嘩ばかりのカップルでもトムとジェリーのように仲良く喧嘩してその後のセックスで燃える〈装飾性カップル〉は、それぞれ良い意味でも悪い意味でも長続きしちゃいます。

 ちなみに〈装飾性カップル〉のドラーマな展開は中毒性を帯びていき、どんどん激しく極端になっていくわけですが、いずれにせよ、わたしとひろしも同じ性質であれば一切問題はなかったはず。

 ところが、穴埋め外注人間(わたし)と要求過多人間(ひろし)とでは深くて暗い誰も渡れぬ河があるわけで……。

ナポレオンとドンペリの饗宴@東京下町

 前回、ひろしの携帯電話から新喜劇LINEの数々を見てしまったわたしはそのまま飲みに行きました。

 朝4時ごろ、前後不覚の意識混濁になりながら出勤中の知り合いである築地の仲買人たちとすれ違うと異変を察した彼らは上着を貸してくれ、「河岸で飲み直すからついて来い」。わたしはそのまま拉致連行されたのでした。

 河岸の片隅で発泡スチロールの上に座り、心配した仲買人たちから続々と差し入れられるパックの鬼殺し(好意)を涙目でちびちびと引っかけます。肴は、たったいま解体され捨てられる寸前のマグロの骨から削り出したばかりの中落ち。その後も噂を聞きつけた仲間の仲買人が差し入れの酒を片手に冷やかしにやって来ては爆笑しながらターレで去るという築地の伝統芸能が繰り返され、仕事が終わると場外の飯屋に集合し、朝9時から大宴会が始まります。

 下町のナポレオン「いいちこ」の一升瓶が3本、下町のドンペリ(とみんなが呼ぶ)「二階堂」は2本空きます。そして仲買人たちが夜の帳の合図とともに続々と脱落していくなか、今度は仕事が終わり始める出版社仲間たちとの飲みへと直行します。

 予習(飲酒)が完璧すぎて目覚めたら誰かと裸で爆睡。軋むベッドの上でイヤらしさを持ち寄ったバカは、また帰宅途中に築地の仲買人の「飲むぞ!」の声にフラフラとついて行くのです。

 なんて小汚い。
 
 “痴的”好奇心、全開フルスロットル。
 
 そして健全な自己であったがゆえに、全件事故――。

ダブルスタンダードのカマテちゃん大暴走

 その年のクリスマスウィークは有給が取りやすく、毎日泥酔しては誰かがそばにいる生活を25日の21時まで続けました。その間、ひろしのLINEは全て既読スルー。付き合ってからの2カ月間、ほとんど一緒にいたからこそ着信も含めると毎日200件以上の連絡がありました。エレクトリカルパレード感溢れる手腕が遺憾なく発揮されています。

 全方位、抜かりなし、マメ系男子。結果、わたしの方が悲しみによるリベンジ浮気で5mmの尺取り虫生活を送ってしまっていたのです。

 わたしの穴埋め外注人間にして「全力で逃げまくるから、どこまででも追いかけて来て欲しい」という要求過多のカマテちゃん精神が遺憾なく発揮され、ひろしはひろしでこれまで通りわたしのすべての生活をコントロールして支配下に置きたいがため、このままの状態は許すことができない。

 ほかを探すにしろ、別れるにしろ、あれもこれもしてくれた上になんでもいうことを聞く奴隷状態にわたしを戻してからでないと気が済まないのです。そんなふたりの要求過多ドラマは、周りの人をも巻き込んで深くて暗い河の濁流に飲み込まれていくのです。


 次回(6/21更新予定)に続きます。

小悪魔ドルチェ寿司
記事一覧
編集者
出版社で勤務のかたわら、現場主義のスケベライフを送っている最中に81歳と恋に落ち同棲生活開始。

関連キーワード

エロコク 新着一覧


「妻を他の男に抱かせたい…」エリート商社マンの告白 #1
「ネトラレ(寝取られ)」という言葉をご存じでしょうか。官能小説やアダルトゲーム等ではすでに定番化しているこちらの分野、い...
蒼井凜花 2020-10-11 06:38 エロコク
おすすめ人気膣トレグッズ5選!感度UPでもっとキレイに♡
「膣トレ」って、聞いたことがある人は多いでしょう。締まりが良くなる、イキやすくなるなど、セックス時にメリットがあるだけで...
ローターとしても挿入しても♡遠隔操作もできちゃう優れモノ
「安物買いの銭失い」という言葉がありますが、ラブグッズをコレクションし始めたころの私は、まさにそれでした。というよりも、...
桃子 2020-10-05 06:00 エロコク
SEX観を変えた映画と彼…“無理しない”に気づいた人形プレイ
 その人の生き方は、セックスのシーンでも滲み出るのではないでしょうか。受け身だったり恥ずかしがるよりも、アクティブで主体...
大泉りか 2020-10-03 06:00 エロコク
編集部&プロが選ぶ 女性に優しいおすすめラブグッズ11選♡
 あなたは、ラブグッズを使ったことがありますか? 「興味はあるけれど機会がない」「周りにバレたら困る……」と、尻込みして...
デリケートゾーン全体をカバー…マッサージされるような快感
 女性はクリトリスの刺激が大好きです♡  ラブグッズ業界はそのへんをしっかり心得ているので、あの手この手でクリに...
桃子 2020-09-26 06:00 エロコク
ヤリモク男は悪いの?あなたも“ヤリモク女”になっちゃえば?
 カラダ目当ての男って、私は嫌いじゃありません。「ヤリ逃げされた」とか「遊ばれた」とか言ってる女子もいるけど、性欲を満た...
スルッと簡単に挿入できる“リモバイ”でアブノーマルな快感を
 リモートワーク、リモート飲み会……。リモートという言葉がこんなに使われる日が来るなんて、誰が予想したでしょう。ラブグッ...
桃子 2020-09-20 06:00 エロコク
これが正解!浮気がバレた時のパーフェクト対処法7カ条<前>
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットなイッ...
スマホをリモコンに遠隔操作!遠距離恋愛カップルにおススメ
 手にした瞬間、ずっしりと重い。「ウィーバイブ ワンド」は私が試してきた数々のラブグッズの中でも最重量級です。  ...
桃子 2020-09-18 12:03 エロコク
自在に曲げて好きな角度に当てれば…念願の“中イキ”が実現
 気持ち良さとは理屈によるものではない、と思われがちです。たしかに、セックスではフィーリングが大事。でも実は、体の仕組み...
桃子 2020-09-07 11:06 エロコク
され女が浮気相手と直接対決!やり取り全貌と招かれざる客
 わたしとひろしの48歳差の激しすぎる恋――男は何歳まで男なのか、81歳との恋愛模様とはいかなるものなのか。ホットなイッ...
世界が広がった…夫一筋の専業主婦が“裏垢”にハマった理由
 ツイッター上で、性的な画像や発言などの投稿をくりかえす“裏垢女性”のアカウント。目にする度に「いったい何の目的があって...
大泉りか 2020-09-02 18:00 エロコク
膣と子宮から広がる波紋…重く細やかな振動で深いオーガズム
「骨まで愛して」という懐メロを聴いたことがあります。人には見えない、自分の芯のところまで愛されたいという、情念や執着があ...
桃子 2020-08-29 06:00 エロコク
敏感な部分にジャストミートで“リモバイ”を十分に楽しめる
 “リモバイ”という言葉が分かるなら、あなたはラブグッズ上級者。この連載でも何度か取り上げてきましたが、リモートバイブ、...
桃子 2020-08-24 15:29 エロコク
女流官能作家なのに「膣イキ」できない…お悩み解消法3選!
 日々、男女のセックスを書いている官能作家の筆者ですが、実はセックス時、膣内(なか)でイクことができません。  こ...
蒼井凜花 2020-08-18 23:35 エロコク