大学進学で破局した「初めての男」と再会、結婚相手があの子なんて…#1

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2024-09-03 13:53
投稿日:2023-07-14 06:00

彼を奪った女が妻なんて!

――残酷な現実とは、いったい何でしょうか?

「ユウキと娘さんに部屋にあがってもらって、リトミック教室の申込用紙に必要事項を書いてもらっていたんです。家族構成の部分を見て、愕然としました。妻の欄に『ヨウコ』と記してあったんです。

――ヨウコ……ってもしかして、高校時代のヨウコ? 付き合っていたのは知っていたけど、結婚したのね。おめでとう。

 あえて明るく言いました。彼は一瞬、困ったような顔をしましたが、

――あ、ああ……。今、2人目を妊娠中なんだ。

 その時、教室のオモチャで遊んでいた娘さんが『パパー、これ面白い』と彼を呼んだので、会話は終わったのですが、私の腹の奥にどす黒いものが渦を巻いていましたね」

燃え上がる「復讐」の二文字

――そんな……過去のこととはいえ、おつらいですね。

「はい、当時の悔しさがさらに強烈によみがえってきました。確かに私には夫と娘もいて、一般的には『幸せな家族』と思われるかもしれません。ただ、出張が多く夫婦の会話も減った夫への不満や寂しさが募っていたタイミングでしたから……。

(ヨウコさえいなければ、私はユウキと結婚して、別な幸せが待っていたかも)

 そんな思いがこみ上げてきたんです。こっちは夫婦レスなのに、ヨウコは2人目を妊娠している――その時です。私の脳裏に『復讐』という二文字が浮かんだのは。

 この日をきっかけに、彼を寝取ってやるという計画が始まりました。

 続きは次回

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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