更新日:2023-07-28 10:39
投稿日:2023-07-21 06:00
「学生時代に援交してたんだってな」夫婦間に入った亀裂
しばらくしてやってきた2人は、着の身着のままという感じでした。
――大変だったわね。さあ、あがって。
ユウキとユリちゃんを家にあげました。時刻は夜8時。ユリちゃんの頬に残る涙の跡を見ながら、私はあえて明るい声で話しかけたんです。
――ユリちゃん、いらっしゃい。アンナがお部屋で待っているから遊んであげてね。ジュースとおやつも用意してあるわ。
ユリちゃんが来たのを知って、アンナは大喜びです。『しばらく、2人で遊んでいてね』と伝え、私はリビングに戻りました。
――ユウキ、大丈夫?
私はソファーでうなだれるユウキの背中を優しく撫でました。
――アミ、ごめん……実は……。
切り出された話に、私は慄(おのの)きました。なんと、ユウキは『ヨウコは学生時代に援交してたんだってな』と罵ったそうです。むろん、ヨウコは否定しましたが、大ゲンカになったそうで……。
それが原因で常に家庭はピリピリし、ユリちゃんに対しての暴力もエスカレートしたそうです。
どちらからともなく唇を重ね合い…
――ユウキ、言ってしまったものは仕方ないわ。最善案を練りましょう。
私は彼の横に座り、ひざを密着させました。ミニスカートとナマ脚に、ユウキがハッとするのがわかりました。
――こんなこと言えるの、アミだけだよ。
――いいのよ。好きなだけ吐き出して。
どちらからともなく体を寄せ合い、唇を重ね合いました。
(ああ……ユウキの唇の感触……匂い……)
長い年月をかけて、再び彼と肌を合わせている現実に、頭の中が真っ白になりました。高校時代、処女と童貞で結ばれた私たちは、本来ならこうして大人になっても繋がっていたかもしれないんです。
――ユウキ、寝室に行きましょう。
――さすがにそれは……。
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