更新日:2023-08-11 06:00
投稿日:2023-08-11 06:00
一世一代の嘘をついたワケ
――えっ、そんな……。
「驚かれるのも当然ですよね。ユウキも戸惑っていましたから……。でも、頭では理解していても、やはりヨウコへの復讐心がふとした時にこみ上げてくる。何かの形で、絶対あの女を苦しめてやるという執念は消えません。
だから一世一代の嘘をつきました。最初こそ困惑していたユウキも、『アミとはやっぱり運命なんだ』という感じで納得してくれました。
ユウキに知られないよう、いつかヨウコを地獄に落とす瞬間が来ると思うと、笑いがこみ上げてきます。相変わらず、私って性格悪いですよね(笑)」
――ちなみに、夫のシュウジさんは……?
「実は、あの夜以来、夫婦関係が続いています。妊娠中だから激しくはできませんが、優しく労わってくれるんです。でもユウキとも離れられない。結果、夫の出張中にユウキにも抱かれています」
最低かもしれないけれど、これが私が選んだ道
――そんな……。
「自分でも最低の女だと自覚していますが、これが私の選んだ道です。ヨウコへの復讐心が消えることはありませんし、夫もユウキも欲しい。いつか天罰が下っても、その時はその時で覚悟ができています。
今はお腹の子供が無事産まれてくることを願うばかりです。アンナもきょうだいができるのを楽しみにしていますし」
アミさんはお腹を撫でながら、ほほ笑んだ。
◇ ◇ ◇
予想外の結果に、ただただ驚くばかりだが、人の数だけ愛の形があることを改めて感じさせられるエピソードだ。
今回、誰にも言えない秘密を、包み隠さず話してくれたアミさんに感謝をしたい。そして、新しい命が無事誕生することを心から願いたい。
(了)
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