恐ろしい光景
ある暑い夏の深夜の出来事でございます。連日の繁忙期で、わずかに仮眠してすぐに職場へ戻らなければならなかったこの日、やっとの思いでたどり着いた自宅のドアを開けた瞬間、“タダゴト”ではないことが起こっていたと気がついたのです。
めっちゃクサイっ!!www 普通じゃないぞ!
鼻の奥に刺さる刺激臭はまるで毒ガス。しかも部屋が暑すぎ! 臭いのと暑いのとで軽くパニック状態に陥ったワタクシはすっかり疲れもぶっ飛び、大汗をかきながらニオイの元を探しますが、あまりの強烈なニオイになかなか判別ができず……。
それでもようやく“震源地”がキッチンだと確認し、目にしたのは留守中にいただいたであろうメロン3玉。共に置かれた食品箱のジャガイモや玉ねぎの上で大爆発を起こし、箱の中で大洪水を起こし、腐敗臭が放たれていたのです。
なぜいままで気がつかなかったのかな? などと片付けながら頭の中によぎる様々なことに、“花屋あるある現象”を思い出したのでございます。
今回は「花はなぜしおれるの? エチレンガスと花」の解説です。
植物は呼吸している
花に限らず野菜や果物などの植物は、人間と同じく酸素を吸って二酸化炭素を出すという「呼吸」をしながら生きております。
植物は収穫される前に光合成によって溜め込んでいた糖と酸素を結合することにより呼吸するわけですが、同じ呼吸でも植物の場合は呼吸するたびにエチレンガスという“成長ホルモン”を放出してしまうのですね。
エチレンガスって聞いたことあるなぁ、と思っているアナタ。昔からよくいう「硬いキウイフルーツはリンゴと一緒におけば熟すのが早くなる」のアレです。
エチレンガスは、よくいえば成熟、悪くいえば老化を促す物質。その放出量や影響度は植物の種類により異なります。
自分で出したガスで勝手にしおれる?
エチレンガスを多く放出する果物として、リンゴは有名ですが、ワタクシが爆発させてしまったメロン、油断するとすぐにものすごい太いウ○チみたいに黒くなるバナナ、これからよく出回る梨や柿、アボカド、桃も特に多いといわれています。
でもって、近くにある植物や果物、野菜などにも影響を及ぼし、しかも自分で出したエチレンガスを食らってドンドン老けていく……この現象は、花も同様でございます。
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