「東京に帰したくない」南国美青年のペニスの猛威に溺れ尽くして #5

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2023-09-15 06:00
投稿日:2023-09-15 06:00

まさかの不倫相手からのLINE

――続けてください。

「食事は済ませてくるよう伝えました。東京に戻る現実を思うと、ユウマ君との時間を1秒たりとも無駄にしたくなかった。彼の温もりを体に刻みたかった……。でも彼を待つ間、意外なことが起こったんです。

 ドタキャンした不倫相手、アツオ部長からのLINEでした。

――ミク、楽しんでるか? 急に行けなくなったことを本当に申し訳なく思っているよ。明日、羽田まで迎えに行くから、そのあと一緒に過ごそう。

 驚きました。あれほど淡々とドタキャンしたくせに、急に迎えに行くから一緒に過ごそうだなんて……。

 しかも、明日でユウマ君との『期間限定の恋』が終わろうとしていたタイミングでの連絡です。困惑しましたが、言葉ではいい表せない運命みたいなものを感じたのも事実です。

――ありがとうございます。沖縄を満喫していますよ。では、明日。

どうしてこのタイミングで

 LINE送信直後、部屋のチャイムが鳴りました。慌ててスマホをサイドテーブルに置いてドアを開けると、ユウマ君が照れ笑いしながら立っていたんです。

――お待たせ、ミクさんに早く逢いたかった。

 抱きしめられ、キスをされました。彼の柔らかな唇が愛おしかった……。でも、私の意識は半分ほどアツオ部長に持っていかれたまま。

(なぜこのタイミングなの……?)

 そう思いながら、笑みを作りました。ぎこちない笑みだったかもしれません。

 だから、無理やりユウマ君に意識を向けたんです。窓からは、あと1時間ほどで海に沈む夕陽が、西空を茜色に染めていました。

――私も早くユウマ君に逢いたかった。すぐにでも抱いて欲しい。

 泣きそうに言うと、ユウマ君はうなずき、

――僕もすぐに抱きたかった。

 ベッドに倒れ込んだんです」

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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