「妾(めかけ)」は“差別的用語”とは限らない

コクハク編集部
更新日:2024-01-20 19:18
投稿日:2023-10-01 06:00
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地名などをピックアップ。毎日頑張るあなたがちょっぴり得した気分になれますように……。

【今回の女ことば】妾(めかけ)

 今年は「鬼平犯科帳」「剣客商売」などの著書がある池波正太郎生誕100年。多くの人気作品があり現在、NHKBSプレミアムで、中井貴一主演の「雲霧仁左衛門6」が放送中です。

 1989年に放送を開始した中村吉右衛門主演の鬼平犯科帳(フジテレビ系)は2016年まで続き、エンディングテーマのジプシー・キングス「インスピレイション」も良かったですよね。この曲とともにドラマが完成されている、といっても過言ではないと思いながら見ていたものです。

 さて、このドラマの主人公、鬼の平蔵こと長谷川平蔵は、妾(めかけ)の子として描かれています。「唖の十蔵」(決定版 鬼平犯科帳1 文春文庫)の最後に長谷川平蔵が「おれも妾腹(めかけばら)の上に、母親の顔も知らぬ男ゆえなあ……」とつぶやいています。

差別を助長する意図はない

 広辞苑(第7版)によると、妾は目を掛けるの意味、正妻のほかに養って愛する女。てかけ、側室とあります。

 この妾という言葉は二号、情婦、愛妾とともに「記者ハンドブック(第14版)」には「ジェンダー平等への配慮」の性差別「女性を特別視する表現、男性側に対語の表現は原則として使わない」として載っていますが、注釈として、歴史上の出来事などで表現する場合は適宜判断する、となっているため、一概にダメとも言い切れないようです。

「唖の十蔵」の奥付にもあるように「今日からすると差別的表現ととられかねない箇所があるが、それは江戸時代の風習、慣行にもとづく歴史的事実の記述、表現で、差別を助長する意図はない」のです。

(日刊現代校閲/タダ美)

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


「息子の名字をどうするか問題」…子供たちは柔軟だった
 はじめまして。シングルマザー3年目の孔井嘉乃です。私には、6歳になる息子がいます。  家庭の事情はそれぞれあって、離...
心を開いてくれた♡ "にゃんたま”パワーの癒しに救われます
 きょうも、にゃんたまωを求めて旅は続きます。  にゃんたまは非常にセンシティブな部位なので、初対面の相手に、そう...
もう戻れない…嫁姑の“誤爆LINE”で家庭崩壊!緊迫の内容5選
 今回は、結婚している女性にとって、ただただ恐怖でしかない「嫁姑の誤爆LINE」をご紹介します。「あの時気づいていれば!...
なぜイライラしてしまう? 頑張る人ほど他人に厳くなる理由
「いいなぁ、私なんか……」と自分を羨んでくる人に、「じゃあなぜ頑張らないの!?」とイラッとしたことはありませんか? しか...
長く続いた面倒なLINEのやりとり…自然な終わらせ方5選
 日常生活に欠かせないLINEは、どこにいても気軽に連絡を取り合うことができる最高のコミュニケーションツールです。でも、...
しながわ水族館にカワウソがお引っ越し 2021.10.29(金)
 しながわ水族館(品川区勝島)は19日で開館30周年を迎えました。今月17日より、30周年を記念した音声ガイド「シュラと...
食欲の秋!青空の下でおやつ中の“にゃんたま”後ろ脚にも注目
 きょうは、にゃんたま集合! 食欲の秋がやってきました。  抜けるような青空にシッポを突き上げて、おやつを頬張りま...
小さくても効果絶大!ブルースターは男の子のラッキーカラー
 猫店長「さぶ」率いる我が花屋、さすが店長が猫というだけあって、お子様連れのお客様がとても多いのでございます。  ...
近いのに遠い実家…娘が孫を連れて出戻ってきた時の親の心
 はじめまして。シングルマザー3年目の孔井嘉乃です。私には、6歳になる息子がいます。  家庭の事情はそれぞれあって、離...
どれにしようかにゃ♪ 猫じゃらしを吟味する“にゃんたま”君
 たくさんあってどれにじゃれようか目移りしちゃう!  きょうは、風に揺れる天然の「猫じゃらし」で遊びたい放題です。...
ママ友のひどいLINE…空気が読めない&常識知らずな内容5選
 保育園や幼稚園の保護者同士でやりとりするママ友LINE。同じクラスのママに誘われて断るわけにもいかず、半ば強制的にグル...
角川武蔵野ミュージアムに行ってみた 2021.10.24(日)
 埼玉県所沢市に誕生した「ところざわサクラタウン」は、アニメホテル×ミュージアム×レストラン×多目的ホールなどで構成され...
醜すぎる女性同士のバトル! 姑・友人・姉妹のドロドロLINE
 女性同士のケンカって、ドロドロしがちですよね。「本気でぶつかり合えばすっきり解決!」ができる男性に比べて、女性同士のケ...
断捨離で社会貢献 「古着deワクチン」レポ 2021.10.22(金)
 整理整頓が苦手です。特に洋服。気が付くとクロゼットはいつもパンパン。そのくせ着る服はいつも一緒という残念な事態に。この...
あなたは大丈夫…? ”不幸中毒”になっていたお客さんの話
 自分のことを「不幸だな」「不運だな」と感じることはありますか?もちろん生活の中でそんなふうに感じる瞬間はあると思います...
猫は「きもちいい」の天才! 日差しにウットリ“にゃんたま”
 猫は「きもちいい」の天才です。  きょうは柔らかな日差し。ただでさえ気持ちの良い日なのに、にゃんたま君は背中を伸...