SM出会い系で連絡先交換 「メール調教」で遭遇した珍事とは

深志美由紀 官能作家
更新日:2020-04-13 14:20
投稿日:2019-07-02 06:00
 出逢い系サイトなどでよく行われるSMプレイのひとつに、「メール調教」というものがあります。今回はその時に起こった事件をお話したいと思います。

メール調教、始めてみたものの…

 ある日、私はSM出逢い系でアドレスを交換した男性と「メール調教」をすることになりました。

 一体どんなことを命令されちゃうんだろう?ドキドキ……。

 いざ初めてみると、彼からの指示は主に「このような格好で写真を撮れ」というようなもの。OL風のミニスカートで、ストッキングを履いて……ふんふん、と思いながら、わたしはいう通りに写真を撮って彼に送信します(顔が映らないようなものです)。

 ところが最初はよかったのですが、だんだんと彼の求めるポーズなどの指示が細かく、頻繁になってきました。

 しまいには5分ごとにポーズ指定の写真を要求されるようになり、「これって調教ではないのでは……?」と不審に感じて、「もうこれ以上は送れません」とお断りのメールを送ったのです。

 すると彼は激怒! 途中で辞めるのは許さない、早く送れ、と催促の嵐。あまりにしつこいので私は無視を決め込みました。

するとその後……

 あ~、変な人に当たっちゃったな~と思っていると、数日後、同じ掲示板を通して仲良くなった別の男性から1枚の写真が届きました。

「この写真、君じゃない?」

 なんと、それは私が先日例のメール調教師に送った写真ではないですか!

「えっ。確かに私だけど、それ、どうしたの!?」

 と訊ねると、

「今、やりとりしている自称M女性が送って来たんだ」

 とのこと。彼はその写真に写っている女性の服装が私のものと同じことに気付いて、確認の連絡をしてきてくれたのです。

 私はそこでハッと気付きました。

 つまり、あの日も彼はネカマをしていて、別の男性に求められるがまま私へ写真の指示を出してきていたのだと……! 女性の振りをして、男性とのやりとりを愉しんでいたのでしょう。だから、私が写真を送らないと言ったことにあんなに焦ったのに違いありません。

 S男性を装うMネカマ。そんな人がいるなんて……。写真を送る時には改めて注意しなければならないな、と思った出来事でした。

深志美由紀
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官能作家
集英社ノベル大賞佳作受賞にてデビュー。2010年「花鳥籠」
で第一回団鬼六賞優秀作受賞、同作13年映画化。新聞や電子書籍など、男性のみならず女性にも受け入れられる官能小説を多方面で執筆。著書に「ゆっくり破って」(イーストプレス)「美食の報酬」(講談社文庫)など。自他ともに認めるダメ男好きで、自らの体験を活かしたエッセイ漫画なども配信中。

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