ニンジンやリンゴの食感に仕上げる
里芋というと、煮っころがしが定番ですよね。ほっくりとしたあの食感もたまらないのですが、時にはサッパリと仕上げてみては。それが、この一皿。その名の通り、見た目はそばそのものなんです。
「里芋をかつら剥きして、そば状に切りそろえたら、好みのそばつゆと一緒に茹でるだけ。食感を残すのが、おいしく仕上げるコツ。ポイントは、そこだけですね」
一口いただくと、シャキッとした歯ごたえ。たとえるなら、サラダに使う千切りのニンジンやリンゴの食感に近いかもしれません。食べ慣れたねっとりとした食感とは全く違います。
「かつら剥きしたら、海水くらいの濃度(3%程度)の塩水に10分ほど浸しておくと、ぬめりが取れます。それで、里芋がしんなりするので、茹でるのはサッとでいい」
食べるときは、温かいままでもよし、冷やしでもよし。そのときの気分に応じて食べ分けるのがおすすめ。
後味がアッサリしているので、日本酒は甘口でも辛口でも合いますよ。
材料
・里芋 大きめ1個
・水 194グラム
・塩 6グラム
・市販のそばつゆ 適量
・大根おろし 適量
・なめこ 適量
・長ネギ 適量
作り方
1. 里芋をかつら剥きにする。
2. 水と塩を混ぜ、1を浸す。
3. 10分ほどで2を取り出したら、そば状に切る。「不揃いで構わない」。
4. 市販のそばつゆで茹でる。
5. 好みで大根おろしやなめこ、長ネギなどを添えると、器が華やぐ。
本日のダンツマ達人…阿部学さん
▽あべ・まなぶ
料亭わらびの里、料亭金田中などで修業した後、多に川へ。だしをベースにした和食の王道を守りつつも、ちょっとした変化を加えてファンを魅了する。49歳。
▼多に川
薩摩おごじょがもてなす和食店。路地裏の雑居ビルにある隠れ家的なたたずまいで、夜はおまかせコースのみ。カウンター7席と4人掛けのテーブル2つながら、落ち着いて食事ができると評判に。
東京都港区赤坂2―7―5 赤坂ブライトビル1階
℡03・3568・2488
(日刊ゲンダイ2019年1月8日付記事を再編集)
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