「セックスは心でするもの…」乳房、卵巣を失った人妻の甘美な気付き #5

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2024-03-01 06:00
投稿日:2024-03-01 06:00

これまでのあらすじ

 乳がんを患い、両乳房と卵巣を切除した香織さん(仮名・49歳主婦/子供アリ)。彼女は抗がん剤治療が一区切りついたタイミングで、7年越しの不倫相手の男性から別れを告げられてしまう。

 失恋の痛手から「男性に求められたい、愛されたい」との欲求が強まり、既婚者専用のマッチングサイトに登録した。出会ったのが、純也さん(仮名・56歳金融業/子供アリ)だ。

 チャットでのやり取りで意気投合した2人は新宿のホテルで男女の関係となる。しかし、最初こそ「女の悦楽」に浸っていた香織さんだったが、徐々に純也さんの身勝手なセックスに複雑な思いをいだく。

 そんな折、同じ既婚者マッチングサイトで出会ったのがタカさん(仮名・45歳会社経営/子供なし)だ。

 複数相手の同時進行する「分散」を心に決め、タカさんと会うことになった香織さんは――。

 前回までの話はコチラ→第1話第2話第3話第4話

ホテルのティールームに現れたのは…

――純也さんとセカンドパートナーになったのち、新しい男性タカさんとも会う約束に発展。その後をお聞かせください。

「はい、タカさんとは目黒にある結婚式場も兼ねたホテルのティールームで会ったのですが、写真どおり、スポーツマンの爽やかイケオジでした。

 いえ、イケオジというより『好青年』と言ってもいい若々しさを感じました。

 この日の私はベージュのカジュアル系のワンピース姿だったのですが、写真を公開していないにもかかわらず、私がティールームに行くと、席を立って笑顔で歩み寄って来てくれたんです。

――はじめまして。香織さんですよね? お写真にボカシがかかっていても可愛らしい雰囲気ですぐ分かりました。今日は貴重なお時間をくださり、ありがとうございます。

 周囲の客たちに聞こえないよう、さりげなく小声で挨拶をしてくださり、その気配りにも彼の優しい人柄がうかがえました。

――タカさん、初めまして。こちらこそ、お時間を作ってくださりありがとうございます。どうぞよろしくお願いいたします。

蒼井凜花
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官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
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