西野カナは令和でも「震える」のか…活動再開で作風に変化は? 識者は「男性目線の楽曲増加」の可能性を指摘

更新日:2024-06-27 17:03
投稿日:2024-06-27 17:00

 歌手の西野カナ(35)が6月25日、芸能活動を再開すると発表した。7月には新曲をリリースするほか、11月にはコンサートを予定。本人が活動休止期間に入ったのは2019年2月3日のコンサートを終えてからだから、活動再開は約5年5カ月ぶりだ。

 2019年2月はどれほど昔かといえば、新型コロナウイルスの流行(2020年)以前であることはもちろん、もっと言うならば「令和」以前であり(改元は2019年5月1日)、もはや隔世の感も漂う。

■2010年には「会いたくて 会いたくて」が大ヒット

 西野は2008年2月デビュー。2010年には代表曲といえる「もっと…」「Dear…/MAYBE」「Best Friend」「会いたくて 会いたくて」がオリコン週間チャートのトップ10に軒並みランクイン。特に「会いたくて 会いたくて」は歌詞に出てくる「震える」というワードが、当時の若者から熱烈に支持された。

 それから長い年月が過ぎた2024年。同曲が発表された2010年といえばLINEのサービス開始以前という、いわば「通話とメール全盛」の時代だ。一方、14年後の世界はLINEはもちろんXやインスタグラムなどSNS全盛の時代であり、着信が「通話もしくはメールがあったこと」以外にも意味を持つ、具体的には振動ではなく一瞬の通知音で代用されるようになった時代ともいえる。

 となれば、携帯電話があまり「震えなくなった」ともいえる令和に活動を再開するにあたって、西野の作風が変化したりするのだろうか。

 ITジャーナリストの井上トシユキ氏は、若者が使うITツールは変化しているものの、「その『魂』にはあまり変化は見られない」としつつ、西野がこの時期に活動再開を思い立ったきっかけの「可能性」について指摘する。

「西野さんがデビューした時にはまだ存在していなかったTik Tokですが、ここにアップされている動画を見てみると、『西野カナ』的なフレーズ、具体的には比喩などではなくストレートな表現で自身の恋愛模様を描いていると思われる投稿をチラホラ見かけます」

 また井上氏は、西野がデビューした頃にはなかったYouTubeのショート動画にもこの傾向が見られると指摘する。

「これらの動画を投稿しているのは、やはり西野さんの歌を聴いて育った世代とみられ、『若かった頃の自身の恋愛を楽曲に重ねて懐かしんでいるよう』に思われます。つまり、活動休止期間は5年以上と長いものの、SNS上には西野さんの楽曲が受け入れられる素地が充満しているように感じます。このような空気を本人やスタッフが感じ取って、『活動再開は今だ!』と判断した可能性はあるでしょう」(井上氏)

■人生の節目を迎えた「西野ファンの女性たち」に刺さる歌詞とは?

 最後に井上氏は、以上の理由から「作風の変化はあまりないのではないか」と予想する一方、「アップデートは必須でしょう。具体的には、これまでよりも『男性目線』の楽曲を発表していく可能性があるでしょう」とも。

 井上氏はその理由として、西野が2019年3月に結婚し、2023年8月に出産を迎えるなど、「人生の節目」を次々と経験していることを挙げた。

「仮定の話になって恐縮ですが、女性目線で自己紹介をする『トリセツ』に対する男性目線による新曲、具体的には『結婚前の君と、今の君は違わない?』といったテーストの楽曲が出てくる可能性はあるでしょう。男性目線の歌詞ながら、それを聞いた女性ファンたちが、『やっぱり私のことを分かっていないまま結婚したな!』と感じる内容になっていれば、大ヒットの可能性があるとみて良いでしょう」(井上氏)

 会いたい一心で携帯電話が振動する回数は減ったが、西野本人や女性ファンたちは今後もコンスタントに震えていきそうだ。

エンタメ 新着一覧


炎上芸人・粗品は松本人志にビビってない!キンプリへの暴言も計算済み?
 2018年にコンビとして『M-1グランプリ』(テレビ朝日系)のチャンピオンとなり、2019年にピン芸人として『R-1ぐ...
堺屋大地 2024-05-15 06:00 エンタメ
「握手」の演出に伏線?寅子と花岡は友情の証、優三のそれとは真逆だった
 寅子(伊藤沙莉)の1年先を行く花岡(岩田剛典)は司法修習後の試験に合格。どうしても早く伝えたいと寅子に電話をしてきたの...
桧山珠美 2024-05-14 16:00 エンタメ
あぶ刑事ヒットならドラマ化も?柴田恭兵の“枯れた老人”は世を忍ぶ仮の姿
 先月までNHK-BSで放送していた「舟を編む~私、辞書つくります~」はなかなか素敵なドラマでした。  三浦しをん...
映画『広末涼子』(仮)の鳥羽氏は中盤キャラ?スキャンダル史まだ続く説
 昨年6月、人気シェフ・鳥羽周作氏とのダブル不倫が報じられ、無期限の謹慎処分を受けていた広末涼子。その後、夫だったキャン...
堺屋大地 2024-05-11 06:00 エンタメ
花岡(岩ちゃん)、寅子に匂わせプロポーズ!?でも黄色いバラの花言葉は…
 とうとう合格した寅子(伊藤沙莉)、先輩の久保田(小林涼子)、中山(安藤輪子)。そして寅子と合格者が3人も出たことで、廃...
桧山珠美 2024-05-10 15:30 エンタメ
生田斗真“無痛おねだり”大炎上の後始末 羊水発言は“謹慎4カ月”だったが…
 俳優の生田斗真(39)が大炎上している。生田はインスタグラムのストーリーズで、ファンから質問に回答する企画で「今日で妊...
優三のいい人キャラさく裂!予告でヒヤリとした梅子の断崖絶壁シーンも〇
 涼子(桜井ユキ)と香淑(ハ・ヨンス)の思いを背負って、寅子(伊藤沙莉)たちは再び高等試験に挑むが、今度は梅子(平岩紙)...
桧山珠美 2024-05-09 16:30 エンタメ
『虎に翼』脚本家、アニメ界でなぜ高評価?朝ドラ人気の要因は公平な目線
 NHK連続テレビ小説『虎に翼』が好評だ。主人公は日本初の女性弁護士・三淵嘉子をモデルとした猪爪寅子。彼女が投げかける疑...
竹もとで勉強する寅子たちは今時のノマド?法律事務所の初仕事はお茶入れ
 昭和13年春、明律大学を卒業した寅子(伊藤沙莉)たち。寅子は雲野(塚地武雅)の法律事務所で働きながら高等試験合格を再び...
桧山珠美 2024-05-07 14:20 エンタメ
あさイチで光った令和の“料理男子”の新星、キスマイ横尾のライバル現る!?
 ゴールデンウィークといっても、どこかにお出掛けの予定になんの予定もなく、ただ漫然とテレビを見ていたら、神様から思わぬご...
直言ら16名全員無罪!憲法記念日に放送された寅子が語る「法」の解釈
 昭和11年12月。1年半に及んだ直言(岡部たかし)の「共亜事件」がいよいよ結審の日を迎えた。  寅子(伊藤沙莉)...
桧山珠美 2024-05-04 06:00 エンタメ
直言の判決いかに? 寅子の表情、優三腹くだり…テンポ絶妙な法廷シーン
 公判中に倒れた直言(岡部たかし)は、自分の無実を信じる寅子(伊藤沙莉)の気持ちに応え、取り調べで自白を強要されたことを...
桧山珠美 2024-05-02 17:13 エンタメ
『虎に翼』の週タイトルになぜ「?」はる記“主婦乃手帖”で一発逆転なるか
 直言(岡部たかし)は寝たきりでろくに食事も取ろうとしない。そんな様子をはる(石田ゆり子)は心配していた。  一方...
桧山珠美 2024-04-30 13:50 エンタメ
大谷結婚モロ被りの不穏も何のその!各世代イケメン網羅のキムタクドラマ
 木村拓哉(51)主演ドラマ「Believe-君にかける橋-」(木曜21時、テレビ朝日系)がスタートしました。待ちに待っ...
永瀬廉は大人の色気、髙橋海人はヘタレの真逆 確かに築くキンプリ2人体制
 昨年より、2人体制となったKing & Prince(以下、キンプリ)の永瀬廉(25)と髙橋海人(25)。4月期に始ま...
こじらぶ 2024-04-27 06:00 エンタメ
岩ちゃんか仲野太賀か…優三株の上昇、高等試験に落ち続ける原因判明!?
 突然、猪爪家に検察が押しかけ、はる(石田ゆり子)は直言(岡部たかし)が贈賄で逮捕されたと告げられる。  証拠品と...
桧山珠美 2024-04-26 16:45 エンタメ