今さらですが「ボトックス注射」って何。目尻、眉間のシワを一撃!?【目元の美容医療に定評ある女医が解説】

増田えりか 医師(形成外科・美容外科・美容皮膚科)
更新日:2024-09-16 06:00
投稿日:2024-09-16 06:00

「効果はどれぐらい持続する?」気になるボトックス注射の疑問6つ

 ボトックス注射とは、筋肉の収縮を弱める注射のこと。筋肉はアセチルコリンという神経から放出される物質から司令を受けて収縮します。

 ボトックスは無毒化されたボツリヌス菌という菌で、標的部位に直に注射することで神経から出るアセチルコリンの放出に関わるSNAP25をブロックする作用があるため、筋肉は収縮できなくなります。

Q1. ボトックス注射はいつから始める?

 一度皮膚に刻まれたシワを消すのはなかなか難しいため、30代から始めるのが望ましいです。

Q2. 痛くないの?

 注射なのである程度の痛みは感じます。イートップでは痛みを和らげるために3つの対策をご用意しています。1つ目は単純ですが、しっかり冷やすこと。痛覚をある程度麻痺させられます。2つ目は、注入部位とは別の場所に振動を加えて“一点集中”の意識を分散させ痛みを少しでも感じにくくさせます。ここまでは無料で行います。

 3つ目は笑気麻酔です。鼻もしくは口から吸う麻酔で、お酒に酔ったような感覚になり、痛みを感じにくくしてくれます。3,300円ほどかかりますが、私増田自身もボトックスを打つ時は毎回使用し、大変効果があります。

 お酒に強い方は効きにくいというデメリットがありますが、一度やってみる価値はあると思います。

Q3. 効果はどのくらい持続するの?

 ボトックス注射の効果は3カ月~半年ほど。個人差がありますが、年間2~4回施術すれば、シワが少ない状態を維持できます。1回の施術料金の目安はボトックスの種類と必要な量にもよりますが当院では1カ月間の保証付き(効果が足りなければ無料で追加)で、FDAの認可をとった安心安全なアラガン社製で1部位18,000円~。

 エラや脇、肩などは分厚くて大きい筋肉に効かせる必要があるため、料金は高くなります。韓国製のボトックスはさまざまな種類がありますが、数千円の設定にしているクリニックが多いです。

Q4. 打ち続けるとどうなる?

 打ち続けることによる効果は主に2つ。1つ目は筋肉は使われないとどんどん薄くなっていくので、効果が持続するようになっていきます。はじめは3ヶ月に1回、5回目以降は半年に1回でも効果が続くようになる場合が多いです。

 2つ目はボトックスに耐性ができてしまう可能性があります。注入しても効果をあまり感じなくなった場合はこのパターン。ですが、安心してください、対策はあります。ボトックスの種類を変えるだけです。

 韓国製であれば米国アラガン社製にすると効果をまた感じる可能性が高いです。さらにもう一段階、FDAの認可を受けたボコーチェア(ゼオミン)と呼ばれるボトックスで、お値段は少々張りますが、圧倒的に耐性が出にくい商品なのでおすすめです。

Q5. やめるとどうなる?

 1回でやめると、1年以内に確実に筋肉は元通りに復活します。一度やってみて違和感や体質に合わないと感じたら終わりにすることも視野に入れても良いかと思います。

Q6. ボトックスによる副作用は?

 眼輪筋は目の周りをぐるっと一周取り巻く筋肉ですが、目尻側の一部の筋肉が頑張らなくなると、目頭側の筋肉が頑張って収縮しようとします。この代償反応が目頭側のシワを増やしてしまい、“シワのシワ寄せ”を作ってしまうのです。

“シワのシワ寄せ”は筋肉を強く収縮させないと起こらない現象のため、特に気にならないという方が多いのですが、稀に気になる方がいらっしゃいます。

 写真は私増田の目尻、眉間ボトックス施術前(左)、2週間後(右)のものです。目頭側のシワが深くなっているのが分かります。

  ◇  ◇  ◇

 目尻のボトックス注射を行う際は、しっかりとトレーニングを積んだドクターのいる安心安全な美容クリニックを選んだ上、カウンセリングで希望や不安をきちんと伝えることが大切です。

 次回は「おでこ&眉間のシワ」を取り上げます。またお会いしましょうー!

増田えりか
記事一覧
医師(形成外科・美容外科・美容皮膚科)
「イートップクリニック」院長。2013年日本大学医学部卒業後、東京臨海病院、昭和大学病院、千葉こども病院などの形成外科で経験を積む。湘南美容クリニック高田馬場院長を経て、2021年に赤坂見附にイートップクリニックを開設。目周りの手術では業界トップクラスの症例数。『360度美人』を目指して! 美容医療だけではなく、広くお悩み解決に携われるよう、婦人科専門医による婦人科外来、泌尿器科専門医による男性美容外来、美容師とのコラボレーションで頭皮・髪質治療も展開中。

病院HPYouTubeInstagram

ビューティー 新着一覧


化粧ノリの悪さは便秘!?お通じ改善に「進化系オートミール」
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
20代の本音!残念なアラフォーリップメイクを画像で解説
 メイクは、リップの色や種類によってかなり顔の印象を変えてしまうもの。マットやティント、ツヤなど多くの種類があり、それぞ...
育児中の体の不調 のどの違和感と帯状疱疹 2022.11.15(火)
 妊娠と出産。そして、その先に待つ子育て――。ひとりの人間を育てるのはとても尊い行為だと思いますが、同時にハードで孤独な...
まだまだ進化!最新「韓国コスメ」5つの注目ブランドレポ
 まだまだちょっとずつトレンドを変えてブームが続いている韓国コスメ。先だって、注目の韓国コスメ関連のイベントが開催されま...
「ネイルケアはディオール」投資額ウン十倍だけど正解でした
 外出の機会も増えて、セルフネイルを小まめにしています。そんなある日、ネイルオフした爪がガサガサになっていることに気がつ...
パール系を武器に!40代女性のニットで老け見え原因&回避法
 寒い季節になってくると、温かいニットを着たくなりますよね。でも、なぜか20代ではおしゃれに着こなせていたニットも、40...
不安感いつまで?プレ更年期「ぐるぐる思考」への向き合い方
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
朝夜実録レポ!たった3000円で“褒められ毛穴”になる簡単テク
 秋が深まってくると、毛穴まわりが気になりませんか? 汗や皮脂の影響を受けやすい夏を終えると、特に小鼻などの黒ずみや毛穴...
最強の防寒具?「バラクラバ」アリかナシか 2022.11.8(火)
 この冬“最強”の防寒グッズとして注目されている「バラクラバ」。2021年頃からロエベやルイ・ヴィトン、グッチやミュウミ...
何を着たらいいかわからない40代必見! 基本のワードローブ
 40代になると、体型の変化で今まで着ていた服が着られなくなったり、節約生活でファッションにお金をかけられなくなったりと...
ドンキPBの吸水ショーツ&低用量ピルで生理中でも楽しくラン
 スポーツの秋ですね! 秋晴れの下、思い切り体を動かすのは気持ちがいいですよね。ストレス解消やダイエット目的などなど、運...
私の髪よ…プレ更年期の抜け毛・薄毛はセルフケアで対策OK!
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
同僚から総ツッコミ!「久しぶりのメイク」で失敗しない鉄則
 長引くマスク生活や手のかかる小さな子供の子育てに追われ、メイクをしない生活が続いていた人も多いですよね。もし、久しぶり...
超ゴワつく!どうすればいい? セルフ白髪染め失敗あるある
 白髪ってとても目立つので、白髪染めが欠かせませんよね。でも、「毎月美容院に行く余裕はないけれど、セルフ白髪染めをすると...
シャンプーもプロテイン!ダメージヘアのライターがガチ比較
 みなさん、秋ですよ〜! ヘアケアに力を入れていますか? 毎日の丁寧なシャンプーとドライヤーが大事なのはもちろんですが、...
「首が短いんです涙」“顔デカ”見えを回避する洋服の選び方
「首が短いせいか、お気に入りの服を着ても垢抜けない……」と、お悩みの女性も多いはず。もしかしたら間違った服選びで、ダサさ...