がんでごめんね…「人生最後の生理」はある日突然やってきた

コクリコ 編集者
更新日:2019-10-15 07:03
投稿日:2019-08-06 06:00

生理がなくなると本当にラクチン?

 さて、診察が始まると先生が「うーん。これ、生理ですね。子宮口から出血してますよ」と。なんということでしょう。なんの前触れもなく、まったく時期外れの生理がきていました。普段ならひどい生理痛で気づくのですが、今回は少しも痛みがなく、生理とは露ほども疑わずにいました。当然ながらなんの処置もされぬまま、帰路につきます。

 あぁ、これが人生最後の生理か。

 これまでずっとずっと生理痛が重くて、鎮痛剤も1度に2錠も3錠も飲んで、痛みで吐いたり、のたうちまわったりしたものですが、人生最後の生理は、生理と気づかないほどなんの痛みもなく、ただ、さらさらと優しく血を流していました。

 スピリチュアル的なものはあまり信じていない私ですが、このときばかりは自然と涙が出て、感傷的になったものです。これまで30年以上も付き合ってきた生理と子宮に穏やかに別れを告げられるよう、身体が計らってくれたのかなと思いました。ありがとう、私の子宮。

 4年前にグレープフルーツ大の子宮筋腫が見つかったときも子宮全摘の選択肢があったけど、子宮を温存できるように筋腫のみを摘出して。そうしてこれまで守ってきたけれど、もうこれでさようならだね。ごめんね、病気になっちゃって。

慰めや励ましはときに残酷…

 ところで、子宮全摘というと数名から「生理なくなって、ラクだね!」と言われたものですが、実際のところ、なかなかそうは思えないです。今でも、ドラッグストアの生理ナプキンコーナーを通ると「あぁ、もうこれ、私にはいらないもんなぁ」とちょっとさみしくなりますし、自分より年上の方が言う「もう私なんか(生理が)あがりそうで!」といった冗談にも、「もう私はあがってるもんな……」とチクッと胸が痛みます。

 経産婦かそうでないかにもよるかと思うのですが、「生理がなくなってよかったじゃん!」みたいな慰めや励ましは、私にとって元気になれる言葉ではなかったです。

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


控えめな家族葬が200万ってマジ? 祖母急死で痛感!葬儀業者の“こっそり上乗せ”テク
 幼い頃に両親が離婚し母方の実家で暮らすことになりました。そんな筆者を優しく迎えてくれた祖母が2023年の11月に他界。...
2024-07-02 16:36 ライフスタイル
「楽しく暮らしています」“たまたま”が遠く離れた母上に一筆啓上
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
幸せの価値、そして――。
 家族親子恋人たちお年寄りも若者も桜に埋もれて過ごす時、人は皆幸せそうだ。  季節はもうすぐ梅雨――。
ほっこり癒し漫画/第74回「ヘルプみーこ」(中編)
【連載第74回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
今さら聞きにくい? 英語の新敬称「Mx.」や「X」って何
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
夫の胸ポケからキャバ名刺→子の刻に家出!?いいから落ち着けが止まらない
 LINEの文面だけでも、意外と「焦ってる」「取り乱してる」と分かるものですよね。今回は、そんな慌ただしいLINEを3つ...
すげえ!BoA完コピおじいに喝采。スナック常連の濃ゆいエピソード3選
 みなさんの職場には癒しキャラはいますか? スナックで働いているといろんな人を見るのですが、癒しキャラもとっても多いんで...
好きを仕事にしても「しんどい」よ。憧れだけではない現実との向き合い方
 キャリアについてよく聞くフレーズが「好きを仕事に」。確かに、好きなことでお金を稼げたら一挙両得! 幸せな毎日が送れそう...
「マタニティハイ」要注意! おブスな振る舞いが誰かを傷つける可能性も
「妊娠して幸せの絶頂です!」と感じている女性必見! 今回は、マタニティハイでやりがちなNG言動を4つ紹介します。  妊...
クネクネの正体はおとうさん!“たまたま”が真実を知った瞬間
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
【花屋実践】春から秋まで眼福♡ずぼら激推し良コスパの姫リョウブって?
 今年も自らの無計画さを後悔する季節がやってきました。  猫店長「さぶ」率いる我がお花屋の店横にある屋外LAB(「植物...
「ぼっち・ざ・ろっく!」のぼっちちゃんも仰天!承認欲求モンスター図鑑
 承認欲求は、人間であれば持っている自然な欲求。誰だって「自分の話を聞いて欲しい」「自分を認めて欲しい」と感じることがあ...
気まずい既読スルー後は演技力が命!《文章未完+矢印》で打ち途中を装う
 友達や知り合いからLINEが届いても、LINEの内容や忙しさによってはつい返信を後回しにしてしまいがち。そのまま忘れて...
6月病とは? 実は5月よりもタチ悪い説が…早め対策がマスト
「GWが明けてからも5月病にならず元気だったのに、6月になってからなんだかやる気が出ない…」「6月に入ってから、体も心も...
2024-05-21 06:00 ライフスタイル
【調香師監修】頭のにおいは“武器”!愛され頭皮になるヘアケア&香り術
 男性から女性への愛情行為のひとつに「頭皮のにおいを嗅ぐ」しぐさがあります。カレが貴女の頭のにおいを嗅いできたら、それは...
まさに鈴カステラ! 爪とぎ中に立派な“たまたま”がポロリ♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...