3. 五月病におすすめの対策は?
五月病になり、心身ともに不調を感じたときにおすすめの対策を4つ紹介します。
3-1. 周りの人に相談する
五月病は、完璧主義で周りの人に弱みを見せるのが苦手な人ほどかかりやすいといわれています。新しい環境や人間関係で悩みを抱えたら、勇気を出して周りの人に相談してみましょう。家族でも友達でも同僚でも、話しやすい相手で構いません。
どうしても誰かに悩みを打ち明けるのに抵抗がある場合は、SNSやノートにアウトプットするだけでもいいでしょう。とにかく悩みを抱え込まないことを意識してください。
3-2. 摂る栄養素を見直す
栄養バランスの崩れによって自律神経のバランスが崩れて五月病になることがあります。忙しくて外食が続くことも多い時期ですが、栄養バランスを意識しましょう。
とくに、イライラを抑える効果があるといわれているGABAを多く含むトマトや玄米、「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの原料となるトリプトファンが豊富なバナナや大豆製品を意識して摂ってください。
一方、神経を興奮させる作用を持つカフェインや、交感神経を刺激する過剰な量のアルコールの摂取は控えるのがおすすめです。
3-3. 運動でリフレッシュする
血行が悪いと自律神経が乱れることがあります。適度な運動で血行を促進しながら気分をリフレッシュさせ、自律神経を整えて五月病を防ぎましょう。
ただし、激しい運動は交感神経を過剰に働かせ、逆効果になることがあります。通勤のときにエスカレーターではなく階段を利用したり、ウォーキングしたりするような軽い運動をしてください。
電車で座らず、姿勢よく立っているだけでも運動になりますよ。
3-4. 漢方薬の服用
自律神経のバランスによって体調を崩している場合、体質からの改善を目指す漢方薬の服用もおすすめです。漢方薬は自律神経失調症にも処方されることがありますよ。五月病の予防には「精神を安定させる」「血流をよくして自律神経の乱れを整える」「胃腸機能を改善する」といった漢方薬を服用しましょう。
<五月病対策におすすめの漢方薬>
・柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう):ストレスによる精神不安やイライラ、不眠などの症状を軽減します。
・補中益気湯(ほちゅうえっきとう):エネルギー不足による疲労や倦怠感、食欲不振を解消します。
スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能。お手頃価格で不調を改善したい方は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。
4. 五月病かな?と思ったら、すぐ対策を!
「五月病って、甘く見たらいけないんですね。今まで意識したことがなかったですし、名前だけはよく聞いていたので、軽い病気だと思っていました」
「聞いたことがある病気でも、怖いものもあるわ。少しでも心身に違和感があるときは、医師や薬剤師に気軽に相談してね」
「はい、ありがとうございます!」
自分の不調の原因がわかって安心したのか、アズサさんは明るい表情で頷きます。
「また気になることがあったら、いつでもサロンへいらっしゃい」
優しい表情でサロンを去っていくアズサさんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。
★サロン「コクハク」のオーナー えりの
顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。
(漫画/腹肉ツヤ子)
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<この記事の監修者>
あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ・さなえ)
デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。
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