ジョブズもニーチェも散歩好き 64歳プロ童貞が「毎日同じルート」を歩くワケ

山口明 プロ童貞・現代アーティスト
更新日:2025-05-31 08:56
投稿日:2025-05-10 06:00
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳の時に仕事中心で働く生き方をドロップアウト。現在は悠々自適な老後(?)を送りながら、還暦過ぎの童貞としてメディアに登場して注目を集めています。今回のテーマは散歩の効能についてーー。

認知症の母と散歩した思い出

 Hello、本日も童貞なり。

 数年前、まだ母親と実家に住んでいた頃、毎日親子で1時間以上も散歩をしていた時期がある。

 当時の母は認知症を発症したばかりで、目を離すと勝手に家を出て徘徊してしまうもんだから、さすがに長時間歩かせれば疲れて徘徊をやめてくれるんじゃないかって思ったんだ。 

 期待通りにはいかず、しばらくひとり歩きは続いて、その母ももう施設にいるんだけど、なんだか習慣だけが残って、今も毎日ひとりで散歩をしている。56歳でデザインの仕事を完全にやめてから時間だけはあるから、午前と午後に散歩することもある。

 ところで、アメリカ国立がん研究所が65万人の10年間のデータを調べたところ、毎日25分間の「散歩に相当する運動」をする人は、運動不足の人より4年近くも長生きするんだとか。毎日10分のウォーキングでさえ寿命に2年の差が見られたそうだから、それくらい散歩の健康効果は絶大なんだね。

 ちなみに母は今、90歳でもうオレの顔も名前もわからないんだけど、やっぱり足腰だけはいまだにしっかりしているよ(笑)。

【読まれています】人生64年ずっと実家暮らしですが何か? 介護に看取り…「子ども部屋おじいさん」が至った境地

散歩とターンテーブルの共通点

 この連載の内容も散歩しているときに思い付くことが多い。宇宙からインスピレーションをキャッチしている…とか言うと胡散臭いけど、ひらめきとして降りてくる感じがするんだ。

 これまで生きてきた人生で吸収した、大量の情報や無駄な知識の断片が散歩中に頭の中で混じり合って、ある瞬間にひとつの文脈に気づく――これってDJやヒップポップのアーティストがさまざまなレコードの断片をリミックスして新しい音楽をつくり出す手法に似てない?

 だとしたら、オレにとっての散歩はDJのターンテーブルやミキサーみたいな、ナニカとナニカを掛け合わせるための「装置」みたいな存在なのかもね。

 ちなみに、毎日だいたい決まったコースを歩くようにしている。

 ときおり行ったことのない道を歩くと、知らないお店があったりして新鮮で楽しいんだけど、そんな日はなぜかインスピレーションが降りてこないんだよね~。見慣れない景色の中を歩くと、新しい情報を処理することに脳が忙しくなるからかな。

 そんなわけで、毎日のように飽きもせず同じ道を歩き続けながら、頭の中では布施明がカバーした「マイ・ウェイ」って曲の「信じたこの道を私は行くだけ」の一節が流れているんだ。

山口明
記事一覧
プロ童貞・現代アーティスト
1960年生まれ。プロ童貞しかし、あるときは現代アーティスト。そしてまたあるときはオナニストにして予言者。しかし、その実体は無職のオシャベリ・クソジジイ。毎日、地元MAD CITY(松戸市)の平和を守る為、猫背&早歩きでパトロール。本日も童貞戦線異状なし!!
著書の「ワイルドチェリーライフ山口明 童貞力で一億総クリエーター時代を生きる」が発売中。代理人による公式Xも更新中。

ライフスタイル 新着一覧


女性の夏冷え対策はクーラーから!今年こそ冷えない体作りを
 猛暑が続く近年、熱中症対策としてクーラーをかけるのはもはや当たり前ですよね。でも、屋内ではどこもかしこもクーラーが効い...
さよなら子宮! 妊娠云々ではなく死ぬか生きるかを選択する
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー1年生です。がん告知はひとりで受けました。誰...
星野源さんもNO! タレントの画像をSNSで無断使用する心理
 歌手で俳優の星野源さんが、ラジオ番組で、SNSのアイコンに自分の画像を使われることにはっきりNOを示しました。有名人で...
いずれはボス? 歴代五指ぷりぷり“にゃんたま”のイケ面公開
 世界一多くにゃんたまを撮影している私ですが、以前ご紹介した歴代5本指に入る魅力のにゃんたまの気になるイケ面を公開! ...
痛くないの? 床に頭を打ちつける子どもの主な理由と対処法
 保育園コンサルタントの小阪有花です。チャイルドカウンセラーのお仕事もさせてもらっている私のもとには、お子さんに関するさ...
紫陽花は憂うつな気分を吸い取る…嫁が義母に贈った意味は?
 梅雨は紫陽花の季節。小さな花をたくさん集めて丸く咲く紫陽花(あじさい)は、雨に濡れると美しく輝き、憂うつなはずの重い気...
暑い日は木陰でウトウト…“にゃんたま”維持には養生が一番
 ニャンタマニアのみなさまこんにちは!6月なのに暑い日が続きますね。  にゃんたまωって、温めちゃいけないそうなん...
子どもを比べない子育てを 「いつかできる」の視点を持って
 今も昔も、「親」は自分の子どもと他の子どもの成長をつい比べてしまいがち。でも、結論を言うと、できるできないを比べても何...
転院先に…スーパーポジティブ母とスーパードクター現る
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー1年生です。がん告知はひとりで受けました。誰...
ごはんの時間だ♪ ぴょんぴょん跳ねる腹ペコ“にゃんたま”
 きょうも世界一かわいい下ネタ、にゃんたまωにロックオン。  おなかすいた~。ごはんのじか~ん!目の前をにゃんたま...
義母とほどほど良い関係を築くには? 5つのポイントを紹介
 今も昔も「嫁 vs 姑」問題に悩む女性は多いです。義母とうまくいかないことで離婚に至った、という話も聞きますよね。でも...
ラベンダーの“魔力”とは? 芳ばしい香りには厄除けの効果も
 初夏にかけて、お花屋さんの店頭にはさまざまな種類のラベンダーの鉢が並び始めます。小さく可愛らしい花を細い茎の先にたくさ...
中国の幼稚園の給食事情は? 徹底した衛生面と栄養管理の今
 保育園コンサルタントの小阪有花です。今回、私はお仕事で、中国・天津にあるセンディ幼稚園を視察してきました。そこで気にな...
ママは産後7年を育児に捧げるべき?仕事や夢との向き合い方
 妊娠・出産を終えてほっとしたのも束の間、そこから始まる育児期間。ママは「我が子のためなら自分は二の次」になってしまいが...
母性本能が止まらない…将来有望な赤ちゃん“にゃんたま”
 わんぱくでもいい、立派なにゃんたまに育ってほしい!  大好評のリクエストにお応えして、こにゃんたまωにロックオン...
なぜ出張ホストをしているの? この仕事を選ぶ男性の心理
 最近、出張ホスト(レンタル彼氏)のニーズが高まっています。おひとりさま社会と言われ、恋人がいない独身女性が増えているの...