雨の日の「頭痛」は水のせい? 梅雨の前に知っておきたい“気象病”の対策方法【医療従事者監修】

コクハク編集部
更新日:2025-05-23 06:00
投稿日:2025-05-23 06:00

3.天気に負けずに元気に過ごす対策

 気圧の変化によって頭痛が起きる、いわゆる「気象病」。それに対する有効な対処法を3つ紹介します。

3-1.運動習慣をつける

 気象病の主な原因は、汗やリンパ液などの体液の循環が悪くなることです。そのため、普段から余計な水分をためこまないからだ作りを意識すれば、気象病の軽減が期待できます。

 運動習慣をつけて汗腺を鍛え、汗をかきやすいからだを作りましょう。激しい運動ではなくても、ストレッチやウォーキングのような軽く汗をかく程度の運動で構いません。

3-2.ストレスの軽減

 気象変化は、からだにとって大きなストレスとなります。ストレスを感じると自律神経が働き、それにより気象病が引き起こされることもあるので要注意。

 運動習慣をつければ気象変化によるストレスに対応しやすくなりますし、気分のリフレッシュ効果も期待できます。

 そのほかにも、十分な睡眠をとってリラックスしたり、好きなものを食べたり趣味を楽しんだりして、ストレスを発散することが大切ですよ。

3-3.薬の服用

 気圧の変化による頭痛には、薬の服用もおすすめです。

 気象病がつらい場合は、医師が「バルプロ酸ナトリウム」や「ロメリジン塩酸塩」を処方してくれる場合があります。頭痛によって日常生活に支障が出ている場合、相談してみるのもいいでしょう。

 漢方薬を活用して、梅雨時期でも頭痛が起きにくいからだ作りに根本からアプローチするのもおすすめです。

気象病が気になる人におすすめの漢方薬

・五苓散(ごれいさん):体内の水分バランスを整える漢方薬です。梅雨時期のだるさや頭痛、むくみの解消が期待できます。

・加味逍遙散(かみしょうようさん):自律神経のバランスを整え、イライラやのぼせの改善が期待できます。

 スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能。お手頃価格で不調を改善したい人は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

4. 気象病は日頃の対策が大事!

「今まで、雨が降るたびに憂鬱な気持ちでいっぱいでした…。でも、なんとかなるかもしれないって思ったら、少し気が楽になりました。それに、気圧が下がると具合が悪くなるメカニズムもわかったので、彼氏にもしっかり話して理解してもらおうと思います」

「そうね。からだの不調への対策も必要だけど、周りの人に理解してもらえると気持ちもだいぶ楽になるわ。うまく説明できなかったり、ほかのPMSや生理痛などの不調を彼氏に理解してもらいたい…ということがあれば、またいつでも私に相談してちょうだい」

 えりのボスの言葉に、シオリさんは明るい笑顔を浮かべます。

「ありがとうございます! そう言ってもらえるだけでも、かなり気持ちが楽になりました」

 晴れやかな表情でサロンを去っていくシオリさんを、えりのボスは笑顔で送り出しました。

★サロン「コクハク」のオーナー えりの

 顔と口調は若いものの、年齢不詳。タヌキか妖怪の噂も囁かれる謎めいた主人だが、ココロやカラダ、健康に関する知識はズバ抜けており、何気にハイスペック。ムスメ時代に苦労してるため、自分より“後輩”の女にはしあわせになって欲しいと願っている。愛称は、えりのボス。

(漫画/腹肉ツヤ子

  ◇  ◇  ◇

<この記事の監修者>

あんしん漢方薬剤師 中田 早苗(なかだ・さなえ)

 デトックス体質改善・腸活・膣ケアサポート薬剤師・認定運動支援薬剤師。病院薬剤師を経て漢方薬局にて従事。症状を根本改善するための漢方の啓発やアドバイスを行う。健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘルス-youtubeチャンネルでは、お薬最適化薬剤師として「無駄な服薬はお財布と体の敵!」をモットーに薬の最適な選び方を解説する動画を公開中。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

「あんしん漢方」を詳しく見てみる

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


キスに集中できん!彼氏の塩対応はいやーな口臭のせい?【薬剤師監修】口の臭いの原因・セルフチェック・対策
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
老け疲れ顔の原因No.1目の下のクマ! 種類別、ヒアル顔回避の治療法は?【目元の美容専門医師が解説】
 東京・赤坂にある「イートップクリニック」院長の増田えりかと申します。この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、...
【美容のウソ・ホント】ほうれい線がマッサージで消えるって本当? 医師3人の答えは/専門家監修
 SNSやYouTubeにさまざまな情報が溢れている昨今。美容について発信するアカウントも多く存在し、なかには同じテーマ...
更年期のセックス「痛いから演技しちゃう…」【薬剤師監修】性交痛対処のイロハ&おすすめの漢方薬
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
運動不足を5つの工夫で解消! 忙しいワーママの美BODYゲット大作戦
 体を動かすのが好きな人やダイエットをしたい人、健康になりたい人にとって、運動はとても大切ですよね。でも「忙しいワーママ...
「目が死んでる」アラフォー女性の“大損”アイメイク。20代女性が僭越ながら再現してみました
「目は口ほどに物を言う」ということわざの通り、目元が周りに与える印象は大きいですよね。  ですが、アイメイクのせい...
食欲の秋ですが! ダイエット失敗談“あるある”6連発、そりゃ痩せないよね…
「ダイエットをしても、いつも必ず失敗してしまう」と、痩せられないことに悩む人は多いようです。なぜ、みんななかなか痩せられ...
歳は取るもの、尿はちょい漏れるもの!? 40代向け尿漏れ対策に取り入れたいセルフケア【薬剤師解説】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
【美容のウソ・ホント】顔マッサージを毎日するのはOK?NG?医師3人の見解は/専門家監修
 SNSにさまざまな情報が溢れている昨今。美容について発信するアカウントも多く存在し、なかには同じテーマでも相反する意見...
40代、ほうれい線が目立つよ…。王道人気のヒアルロン酸は回数限定!?【抗加齢学会正会員の女医が解説】
 東京・赤坂にある「イートップクリニック」院長で抗加齢学会正会員の医師、増田えりかと申します。この連載では美容医療“若葉...
古い下着は運気を下がるだけじゃない!風水的には「寿命3年、処分時に感謝」、ビジュの見極めは?
 皆さんは、同じ下着を何年くらい使いますか? 半年で替える人もいれば、3年以上使っている人もいますよね。実は、風水では古...
40代こそおすすめ!進化続行中のオルチャンメイクで女っぷりを底上げしましょ♡
 オルチャンメイクといえば、どうしても可愛らしい印象が強くて「40代には向いていない」と思っている人は多いはず。でも、オ...
豊胸の覚悟までは…【薬剤師監修】30代からの理想のブラジャー選びと5つの育乳方法
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
産婦人科医の「腟ヒアルロン酸」セミナーに潜入! 感度が高まるって本当? 女性への実技も見学してきた
 目元のシワやほうれい線、眼頭下から頬中央まで斜め下方に表れるゴルゴラインなどを目立たなくさせる方法して、主流の美容整形...
ダイエットしてもバストキープは可能? 女性の永遠のテーマ、きれいに痩せる4つのコツ
 ダイエットしたいけれど、バストが痩せるのは嫌だと悩む女性は多いですよね。実際に、お腹の脂肪だけを落として、バストキープ...
40代美容家が無限リピする「お値段以上」ヘアオイル2品。うねりもクセも怖くない!
「ヘアオイル」の種類は多けれど「お値段以上」で「しっとりツヤツヤ」。この2つをクリアするヘアオイルって、案外見つからない...