本当のルッキズムってなんだ? Z世代が支持するグループ「HANA」が社会に“No”を突き付けた影響

宮本デン ライター
更新日:2025-06-25 11:50
投稿日:2025-06-25 11:50

Z世代に爆発的な人気を得ている「HANA」

 社会に深く根付き、日々私たちを苦しめる「ルッキズム」。そんなルッキズムが支配する社会に対し、Noを突きつけるアイコニックな存在が現れました。

 ラッパー・アーティストであるちゃんみながプロデュースするオーディション番組『No No Girls』(以下『ノノガ』)出身の7人組ガールズグループ「HANA」。2025年4月にデビューして以降、Z世代を中心に爆発的な人気となり、YouTubeに投稿されたデビュー曲の再生回数はわずか2ヶ月で2500万回再生を超えています。

 そんな一大ムーブメントを巻き起こしているHANAが、ルッキズムに支配された社会に突きつけたNoとは何なのか? 彼女たちの軌跡を通して考えます。

【こちらもどうぞ】仕事一筋の私が『対岸の家事』詩穂に共感した理由。くだらない「専業主婦vsワーママ」対立してる場合じゃない

“反転”では抜け出せない。アンチ・ルッキズムに潜む落とし穴

 日本語では「外見至上主義」と訳されるために誤解を生みがちですが、ルッキズムは「可愛ければ・綺麗ならよい」「可愛くなければ・綺麗でなければダメ」という単純なものではありません。

 そこを履き違えてしまうと、ルッキズムに対抗しようとしても単なる「意見の反転」になってしまい、今度は別の差別を生み出してしまうのです。

 たとえば「可愛い子は性格悪い」「太っている子はおおらか」といったような言葉を聞いたことはありませんか? これは一見「外見至上主義」に反しているように見えますが、従来のルッキズム的価値観を裏返しただけの、新たなルッキズムでしかありません。

 それでも「現状のルッキズムへの対抗策はそういった反転の態度である」という考え方は長年社会に蔓延していました。

 好意的な評価であれ否定的な評価であれ誰にも外見からジャッジされたくない、という矛盾を抱えながらも、「ルッキズムに迎合するわけにはいかない」となんとか反転の態度をとることで対抗の意志を示してきたのです。

 そんな「ルッキズムに対抗しようとする姿勢もまたルッキズム」という無限ループのような状況を抜け出し、新たな価値観を示す存在。それが7人組ガールズグループ「HANA」です。

宮本デン
記事一覧
ライター
1993年神奈川生まれ岩手育ち。ネット文化を愛し、ネット文化と共に生きるサブカルライター。大衆が作り出すカオスがどこまでいくのか見届けたくて、ネット文化や、音楽などサブカルチャー全般に関する執筆をしています。愛するものを深掘りし拡大、視点を変えて照らし合わせて。世界の解像度を上げることをひたすら追求しています。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


結婚しても“垢抜け主婦”でいられるアラフォー女性の特徴3つ
「結婚すると、地味になるよね」――。そんな風に言う人はたくさんいます。男性に限らず、結婚せずに働き続ける女性もそう言うか...
ヘルスリテラシーの“1日1万歩”は達成以上に「習慣」が大事
 NYのセレブたちがこぞって実践している「ヘルスリテラシー」という考え方があります。自らが現地で本概念を学び、最強のパフ...
微動だにしないけど大丈夫? 心臓に悪い…熟睡“にゃんたま”
 にゃんたマニアのみなさまこんにちは。  きょうは神社の境内で行き倒れのにゃんたまωにロックオン!  微動だ...
老後のための貯金にこだわらなくて良い理由!今を優先してOK
 老後のために、貯金をしようと思っている人は多いでしょう。しかし、老後の貯金にばかり拘って、今を見失うのは本末転倒ではな...
合併症の合併症!? 40℃の高熱で希少がん病棟へ“強制送還”
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー2年生です(進級しました!)。がん告知はひと...
無理不要!「超ワンパターンな朝食」で仕事への活力と健康を
 NYのセレブたちがこぞって実践している「ヘルスリテラシー」という考え方があります。自らが現地で本概念を学び、最強のパフ...
雨上がりの南の島で…念入りパトロール中の“にゃんたま”君
 雨がやんで、パトロール中のにゃんたまω君に出逢いました。  濡れた毛並み、この時期ちょっと寒そうに見えますが、こ...
セックスレスを解消したい…抱いてほしい女性がとるべき行動
 皆さんは「レス」の定義をご存知でしょうか?「(特別な事情がない時)カップルの合意した性交あるいはセクシュアル・コンタク...
デキる女は睡眠上手!逆効果にならない「寝だめ」をマスター
 NYのセレブたちがこぞって実践している「ヘルスリテラシー」という考え方があります。自らが現地で本概念を学び、最強のパフ...
うつ病の初期症状を見逃さない! 予防のための4つのポイント
「社会人になったんだから」と多くの人たちがメンタルの不調を訴える、現代のストレス社会。たしかに仕事では自分のストレスにな...
家にこもるなんて損! お金をかけずに休日を楽しむ方法4選
「つい家から出ずにアマゾンプライムビデオを見て土日を過ごしちゃった」「だって外に出るとつい散財しちゃうから」――。そんな...
努力と執念の結晶! 人と人との縁をつなぐ「ブバルディア」
「UFOって本当に空飛んでるんだからね」  愛読書がオカルト雑誌「ムー」というワタクシの兄がある日、自宅の窓に突然...
貯金ができない女は卒業! ストレスなしで節約する4つの方法
 消費税は10パーセントの大台に乗り、いよいよ「無駄遣いをやめて、もっと節約しないと今後はマズいかも……」と焦っている浪...
夢物語の2000万円より老後に役立つヘルスリテラシーとは?
 NYのセレブたちがこぞって実践している「ヘルスリテラシー」という考え方があります。自らが現地でこの概念を学び、最強のパ...
大問題作? “にゃんたま”の奥に秘めた貴重な部位がチラリ!
 にゃんたマニアのみなさま、にゃんと! きょうは大・問題作です……!  普段は可愛いにゃんたまωの奥に秘められてい...
冬季うつに負けない! 寒い季節にメンタルを強くする習慣4つ
「寒いのが苦手ってわけじゃないけど、毎年冬が近づくと気持ちがふさぎこんでしまう」  それは、日照時間が落ちてセロトニン...