親子間のモラハラ連鎖は彼女や嫁を巻き添えにする
健斗さんも勇太さんも、母親からモラハラを受けていたモラハラ連鎖の犠牲者です。このような親子間のモラハラはハラスメントとして意識されず、「子どもの幸せを願う親のサポート」と思い込んだままエスカレートしていきます。親から自分を切り離すためには家を出るしかなく、美沙さんも志穂さんもそんなモラハラ親子の分離のために利用されたということができます。彼らは、女性を幸せにすることではなく、自分の幸せを確保することだけを考えていたのでしょう。
親からモラハラを受けて育った人は、ためらいなく他者に対してモラハラを行ってしまいます。彼らには美沙さんや志穂さんを不幸にしているという自覚がありません。だから風俗で働いてお金を工面していた美沙さんに申し訳ないとは思わず、離婚した志穂さんに会いに行くことが迷惑だとは想像もしないのです。親が「これが愛情だ」と思いこんでモラハラをしたように、彼らも恋愛のつもりでモラハラ行為を行ってしまうのです。
一緒に暮らす前にモラハラ男を見抜くことは不可能!?
何でも話し合っているようでも、私たちは恋人や配偶者の生育環境をすべて知っているわけではありません。美沙さんも志穂さんも、事前にモラハラ男を見抜くことはむずかしいと言っています。しかし、「これはモラハラでは？と思ったらいつだって逃げ出していいんです。別れることに罪悪感を持つ必要はありません」（美沙さん）、「何から何までお膳立てされた幸せには気をつけて。精神的に対等でなければ、本当の愛情は生まれません」（志穂さん）という、モラハラサバイバーのお二人からのメッセージを皆さんにお届けします。
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