入院初夜に襲われた“下剤地獄”からがん患者と仲良くなる問題

コクリコ 編集者
更新日:2019-10-26 04:49
投稿日:2019-09-03 06:00
 私は42歳で子宮頸部腺がんステージ1Bを宣告された未婚女性、がんサバイバー2年生です(進級しました!)。がん告知はひとりで受けました。誰にも頼れず、心の内側にずっと不安を抱えながらがんと闘うのはとてもつらいこと。なぜ私が……と思う気持ちと向き合って、そして不確かな情報に惑わされないように、私の体験がお役に立てれば幸いです。

下剤に次ぐ下剤…

【Note.18】

 入院初日に出てきた晩ご飯は翌々日の手術に備えた低残渣食(ていざんさしょく・胃腸に負担をかけない食事)。お腹をからっぽにするための準備です。

 やわらかくて、繊維質のまったくない軽~い食事は噛み応えがないので一瞬で食べ終わってしまい、病院の探検に行ったり、シャワーを浴びたり、Twitterを見たり。サインしなければならない書類――手術の同意書、輸血の同意書、麻酔の同意書、膿瘍ドレナージ・チューブ留置同意書を読んでサインをします。

 23時には下剤を飲み、この日は楽しみにしていたサッカーの試合があったので、夜中の2時までテレビを観て就寝したのでした。

個室でよかった

 入院2日目。

 いよいよ明日が手術です。下剤が効きまくって明け方から何度もトイレ通い……個室でよかった!

 すでにそんな状態なのに朝ご飯を食べたら追加の下剤がやってきました。午前中に手術前最後の診察を受け、お昼を食べます。この先、夕方から明朝まで口にできるのはOS-1を3本だけ。その後もトイレに何度も行き、「もう出すものなんかないよ~」っと思っているとまた下剤がきました。く~。

医大首席卒の若手医師「めっちゃ痛いですよ」

 ところで、チーム医療を掲げるこの病院では、主治医であるT先生のほかに研修医のM先生も担当としてついてくれるそうです。口ぐせが「ほんまに~」なので、「ほんまに先生」と呼ぶことにします。

 ほんまに先生は研修医といってもいわゆる初期臨床研修医ではなく、2年間の研修医を終えてすでに医師として働いてる若手のお医者さんだそうです。ここ、がんの専門病院には全国から専門技術を学びに若手のお医者さんが来るそう。「レジデント」と呼ばれていました。専門領域の研修を行う後期臨床研修医のことだそうです。

 ほんまに先生の名前をググったところ(すぐググるコクリコ)、首席で医大を卒業していました。ほんまに~! すごいやないか。

 若いぶん、話しやすいので、いろいろなことを聞いてみます。

「痛いですか?」

「術後ね。たぶんめっっっちゃ痛いですよ。若いから」

「わたし、若くないです」

「若いです。見ました!? 周り、おばあちゃんばっかりなんですよ! あれくらいのお年寄りは痛みを感じにくいんですけど、コクリコさんは絶対に痛いです。先に言っておきます! たいてい麻酔で気持ち悪いのは翌日までで、痛いのは3日目まで。それ以降はグッとラクになるはず。目安が分かると耐えられるでしょ?」

 気持ち悪いのもめっちゃ痛いのもイヤなんですけど……しかも3日目までって……。子宮筋腫の腹腔鏡手術の際は翌日からしゃかしゃか歩けたし、ご飯も食べていたけれど、今回はそうはいかなそうです。

食事スタートは最短4日後

 事前に渡された『術後の目標』と書かれた用紙には、

・術後1日…自分で体位を変えられる。立位、歩行が開始できる。痛みが伝えられる。
・術後2、3日…歩行できる。
・術後4、5、6日…排ガスがある。食事ができる。

とあります。

 食事の開始は最短で4日後か。おおごとなんだなぁ。それなのに翌日から歩かせようとしている! 術後すぐの歩行は癒着を予防するために必要で、これをしておくと腸閉塞などになりにくいのだそうです。

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


趣味がない人、何してる? 休日の“ゆるふわ”な過ごし方5選
 趣味を楽しみながら、充実した休日を過ごしている人がいる一方、無趣味で何もせず一日を終えている人もいます。実は今、そんな...
寿司屋の大将が説く真理「結果の80%」は事前準備で決まる!
 わかっててもできないことって、ありますよね。この書き出しだけで、私はすでに耳が痛いです……。できないというより、やって...
「夫を大切にする」と誓った父子帰省の効果 2023.1.13(金)
 この年末年始、我が家では初めて夫と子ども2人だけで夫の実家に帰る“父子帰省”をしました。今回の帰省で夫や義実家に対して...
飛んでもブレない! モノトーン“たまたま”から目が離せない
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
“残業女”返上、定時に帰りたい!効率を爆上げする5つの裏技
 毎日のように残業が続くと、心身ともに疲れてしまいますよね。周りからは「頑張っている」と評価されるかもしれませんが、でき...
主なきビリヤード場 つわものどもが夢の跡 2023.1.12(木)
 古びた木造建築の破れた窓から覗くと、かつてのビリヤード場だった。    ここでどれだけの激戦が繰り広げられたんだろ...
お雑煮の具に“もち菜”を入れる県ってどこ? 2023.1.11(水)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
“最強”幸運カラー「緑色」を最も効果的に取り入れる方法は?
 2023年のラッキーカラーをウオッチしていると、赤やオレンジ、白、水色などがあげられていますが、多くに共通しているのが...
アレクサと暮らしたら生活が超快適になった 2023.1.10(火)
 Amazon Prime Day(プライムデー)に、AIアシスタント・アレクサこと「Echo Dot」を購入したら、生...
恋に一途からの子孫繁栄? 猫カフェのもふもふ“たまたま”♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
家族よ感謝したまえ!死なない程度の生活水準で家事をこなす
 ステップファミリー6年目になる占い師ライターtumugiです。私は10代でデキ婚→子ども2人連れて離婚→シングルマザー...
この斜面を登った先には、また斜面が… 2023.1.9(月)
 同じ苦難でも、先が見えるよりも、見えない苦難のほうがつらい。  この斜面を登った先には、また斜面があるのだろうな...
毎日ちゃんとお腹が減るってすごいこと 2023.1.8(日)
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
仕事、趣味、恋愛…今年こそ逃げ癖を直したい! 5つの克服法
 仕事でトラブルを抱えると、誰だって嫌になりますよね。社会人ともなれば自分で一つひとつ解決していくことが求められるはずで...
「当たってくじけろ」とハッパ!間違い慣用句のやらかしLINE
 普段何気なく使っている「慣用句」。上手に使いこなすことができれば、周囲に知的な印象を与えられますが、ちょっとしたミスで...
金欠なのにウニイクラ丼を求めた40女の末路 2023.1.7(土)
 あけましておめでとうございます。本年もよろしくお願いします。  っていうかね、新年早々ね、やばいんですよ。 ...