「裏切者!」妻のネイルが頬を裂いて…男が直面した超修羅場。離婚の先にあった予想を裏切る結末

蒼井凜花 官能作家・コラムニスト
更新日:2025-11-07 11:45
投稿日:2025-11-07 11:45

妻のネイルが顔面に

 しかし、甘い逢瀬は半年ほどしか続かなかった。

「その日、美紀と箱根のホテルに泊まっていたんです。翌日はゴルフの予定。妻には『接待ゴルフ』と伝えていました」

 夜11時――突然、部屋のチャイムが鳴った。ドアスコープをのぞくと、そこにはスーツ姿の男性、妻の加奈子、義母、義兄の4人が並んでいた。

「バレた! と思う間もなく、何度もチャイムが鳴って…美紀に伝えると『バレたら仕方ないわ。入ってもらって』と言われ、観念してドアを開けました」

 第一声は、妻の絶叫だった。

「『裏切者!』と叫ばれた直後、顔面に鋭い痛みが走りました。鏡を見ると、妻のネイルで引っかかれた三本の爪痕――まるで“アディダスのロゴ”のようでした」 

人生最悪の夜のあとは…

 血まみれの幸次郎さんを見るなり、美紀は妻に「暴力はやめなさい!」と一喝し、事態は修羅場に。

 興信所を使って2カ月から尾行されていたことも、その時に知ったという。同行したスーツ姿の男性は弁護士だった。

「妻に『この女と私、どっちを選ぶの?』と詰め寄られました。ためらいましたが、『申し訳ない。僕は美紀を選ぶ』と答えたんです。その瞬間、妻の顔が般若のように怒りで歪み、義母と義兄は『離婚だ。息子とは一生会わせない』と吐き捨てて出ていき…人生最悪の夜でした」

 だが、その修羅場のあと、美紀さんはこう言って笑ったという。

「『やだ、顔面アディダスね!』って。消毒と絆創膏で手当てを受けながら、僕が『こんな時に笑うな』と口をとがらせると、彼女は『こんな時だからこそ笑わなくちゃ。慰謝料はせいぜい200万、大丈夫よ』と豪快に笑うんです。翌日は、顔に絆創膏を貼って一緒にゴルフをしましたよ」

怒涛の恋愛遍歴を経てたどり着いた関係

 ホテル側には、セキュリティの甘さに苦情を入れつつも、スタッフは事情を察して苦笑いだった。

「プレーのあと、『僕はいずれ離婚する。その時は再婚しよう』と、思い切ってプロポーズしたんです。でも美紀は『お断り。幸次郎とは友達で十分!』とニッコリ。即フラれました(笑)。それでも、彼女がそばにいて救われたのは事実です」

 その後、幸次郎さんと加奈子さんは正式に離婚した。

 交際からの別れ、結婚、復縁、不倫発覚、離婚――怒涛の恋愛遍歴を経て、いま美紀さんとは「唯一無二の友達」としてつながっている。

「顔面アディダスは、今も会うたびに笑い話のネタです。そんな激しい人生も、自分らしいと思えるようになりました。明るい美紀のおかげで、仕事も人生も前向きに頑張れています」

 うっすらと傷跡が残る幸次郎さんの笑顔に、雄々しさがにじんでいた。

蒼井凜花
記事一覧
官能作家・コラムニスト
CA、モデル、六本木のクラブママの経歴を持つ異色の官能作家。近著に「CA、モデル、六本木の高級クラブママを経た女流官能作家が教える、いつまでも魅力ある女性の秘密」(WAVE出版)、「女唇の伝言」(講談社文庫)。
オフィシャルサイトYouTube

関連キーワード

ラブ 新着一覧


ジワリと怖い…メシマズを指摘された妻の恐ろしい「ひと言」
「メシマズ」と呼ばれる女性たちには、面と向かって夫から料理について指摘をされると、激昂するタイプもいるようです。  意...
並木まき 2020-02-21 16:57 ラブ
大人の出会いの場所って? いつまでも素敵な恋をしていたい
 私は大人の女性と主張するみなさん。最近、“恋愛”してますか? 「恋愛したい」と思っていても、仕事にたび重なる残業、休日...
東城ゆず 2020-05-20 11:22 ラブ
結婚相手に一流を選んだつもりが…「三流の男」だった話3選
 一流の夫を選んだと思ったら、見事に三流の男だった…という苦い結婚生活を送っている女性もいるようです。  魑魅魍魎(ち...
並木まき 2020-02-21 16:54 ラブ
夫婦の愛も冷める…グータラ夫の奇行に嘆く妻たちの心の叫び
 大好きだった夫と結婚した妻たち。しかし同じ屋根の下で生活し、やがて子供も産まれると、日に日に気持ちが冷め始める……。そ...
インリン 2019-07-18 06:00 ラブ
会話スキルなしでもOK 「立ち飲み屋」は自然な出会いの宝庫
 出会いは欲しい。できるだけ自然に。もっと言えば運命を感じる形で……。  古今東西の人類の望みです。たとえ出会いを...
うかみ綾乃 2019-07-17 06:24 ラブ
これってセレブ?「電車に乗らない男」との結婚生活はアリか
 毎日通勤ラッシュの電車に乗って、仕事へ行くのは大変ですよね。休日も、人気のスポットへ電車で向かうには、どうしても混むし...
田中絵音 2019-07-16 14:51 ラブ
バツイチ女性が今モテる! 彼女たちに学ぶ“恋愛の極意”とは
 バツイチ女性は、スピード婚の人が多いです。バツイチ女性が再婚を切り出すと、「一度は失敗してるんだから、ちょっとは慎重に...
東城ゆず 2019-07-16 06:00 ラブ
離婚するべき? やめるべき? 離婚に踏み切るべき3つの理由
 今や3組に1組が離婚するとも言われているからか、離婚しようかどうしようかと迷う女性もかなり多いのです。けれど、いったい...
内藤みか 2019-07-15 06:00 ラブ
都合のいい女にならない! 逆手にとって恋愛を楽しむには?
 世の中的に「都合のいい女」の対義語は「本命の女」らしいのですが、でも、それって本当? と、疑問に思ってしまう私。本命だ...
リタ・トーコ 2019-07-14 06:00 ラブ
交際中の顔は演技…見栄っ張りな夫を間違えて選んだ妻の苦悩
 見栄っ張りな男と結婚してしまった女性は、苦労が絶えないのも実態です。 魑魅魍魎(ちみもうりょう)な人間模様分析を得意...
並木まき 2019-09-05 14:47 ラブ
悲劇はここから…夫のマザコンが発覚した摩訶不思議な瞬間
「私が結婚した男は、マザコンじゃないはず」と思っていても、入籍後に、まさかのマザコンが発覚するパターンもあるようです。 ...
並木まき 2019-07-13 06:00 ラブ
彼女にしたいと思う女性とは? 異性を落とす戦略的モテテク
「いい人と出会ったのに、2回目に繋がらない」「いつも遊びの関係で終わってしまう」  出会いはあるのに、好きな人はできる...
伊藤早紀 2019-07-13 06:00 ラブ
喧嘩で黙る男性の奥底で何が? その理由をパターン別に分析
 男女の喧嘩で女性が“話し合いたい”と思うと、男性が黙って何も言わなくなるケース、よくありますよね。これってなぜ起こると...
しめサバ子 2019-07-12 06:00 ラブ
レトロブームな今夏は「ゴールデン街」でニッチな出会いを♪
 コリドー街、恵比寿横丁――。都会では「ナンパ街」として名の知れるスポットもたくさんありますが、最近はどこもちょっと情報...
ミクニシオリ 2019-07-12 06:00 ラブ
男性の嫉妬サインに気づいたら? 嫉妬を解く“魔法の言葉”♡
 一見クールに見える男性でも、嫉妬のサインを無意識に出していることがあるって知っていますか? 男性の嫉妬を放っておくと、...
モテ女性に学ぶ 男性からほぼ100%プロポーズされる最強テク
 アラフィフのYさんは、デートをした男性から100%プロポーズされてしまうというすごい女性です。結婚し、人妻となった今で...
内藤みか 2019-12-11 06:00 ラブ