佐野勇斗「ESCAPE」視聴率低迷でも評価上昇のワケ…テレビコラムニストが深掘り
秋ドラマは中盤から後半へ。三谷幸喜脚本&菅田将暉(32)主演で前評判の高かった「もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう」(フジテレビ系=水曜夜10時)は、視聴率、配信、ネットの評価いずれも振るわず、なかなか上昇気配がない。そんな中、同じ水曜10時の日本テレビ系「ESCAPE それは誘拐のはずだった」はどうか。
「『もしがく』の初回がコケたので、1週遅れてのスタートは追い風になってもおかしくなかったのですが、視聴率はいい勝負で低空飛行。ただ、配信やネットの評価では『もしがく』を上回っていますし、若年層を中心に評価や人気もじわり上昇しています」(エンタメ誌ライター)
「ESCAPE」は桜田ひより(22)と佐野勇斗(27=写真)のダブル主演。誘拐された令嬢と誘拐犯が一緒に逃げるという《心震わす!ノンストップヒューマンサスペンス》(公式サイトから)で、逃亡劇の中に“信頼”や“再生”の物語を織り込む構成だ。
初回の世帯視聴率は4.7%、個人2.5%(関東地区=ビデオリサーチ調べ)。その後も4%前後で推移しており、数字だけ見ればパッとしない。ネット上では《サスペンスとしては物足りないし、逃げる根拠もあやふや》といった厳しい見方もあるが、《2人のビジュが最高》《ファーストサマーウイカや山口馬木也、途中参戦の志田未来もいい味出してる》といった声が目立つ。レビューサイトFilmarksでも回を追うごとに好意的な声が増え、5点満点で3.8の高評価(11月7日現在)。「もしがく」の3.1を大きく上回っている。
「キャストが豪華な『もしがく』に対して、桜田さんと佐野さんというフレッシュなコンビは健闘していると言っていいでしょう」と語るのはテレビコラムニストの亀井徳明氏。亀井氏は「“考察”を誘うサスペンスというより、青春バディーものとして僕は楽しんでいる」と、こう続ける。
「特に佐野さん。これまで繊細で神経質そうな役柄が多かったイメージですが、今回演じている“ちょっと粗暴でおバカだけど、根はいいヤツ”がハマっている。そのハマり方は、『池袋ウエストゲートパーク』(2000年TBS系)以降の長瀬智也さんを彷彿とさせます。長瀬さんより抑え気味だけど、それはそれで今風だし、ビジュは負けてない。桜田さんとの掛け合いも間が良くて、だからこのコンビなら“探偵と助手”的なバディーものでもいけるかもなんて思いながら、応援しています」
ドラマ制作会社関係者も「初回から《誘拐なのにほほえましい》《2人の表情の変化に絆が感じられる》という反応が多かった。想定より女性視聴者が多く、SNSでは《“勝男”の竹内涼真より、“リンダ”の佐野勇斗のほうがいい》なんて声もあります」と語る。
今期は「じゃあ、あんたが作ってみろよ」(TBS系=火曜夜10時)で竹内が演じる時代遅れで残念なハイスぺ男子の“勝男”が話題。佐野が演じる気のいい誘拐犯“リンダ”はそれにどこまで迫れるか。
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