背中に太い針! 9時間の“がん退治”手術後に待っていたもの

コクリコ 編集者
更新日:2019-11-02 11:54
投稿日:2019-09-10 06:00

微熱や高熱でも手術はするの?

 目覚めると手術の朝です。この先3、4日はシャワーも浴びられないのと、なんとなく身を清めるつもりでシャワーを浴び、さっぱりとしたところで朝の検温。37.3℃です。もともと平熱が37℃近く、ほかの人に聞いても「病院はわりと体温が高く出る」というので、これは平熱ってことでOK?

 看護師さんに聞くと、「大丈夫です。よほどの高熱でないと手術はしますよ」とのこと。そりゃそうですよね。だってこの手術のスケジュールがずれたら、みなさん大変ですもんね……。

 同じくがんを患った友達から後日聞いたのですが、同じ病室の人が「やっぱり怖いから手術を延期したい」と言ったら「9カ月後になりますよ」と言われていたとか。

 手術は午前10時から7時間30分の予定です。一時間前の9時には病室を出るので、両親が8時30分に来て部屋で待機。手術中は家族の誰かしらが病院にいて、なにかあったときのために備えます。

 高齢の両親に遠くから病院に来てもらって夜までなんて悪いな……ほんとにこれきりにしたいです。

 そして、両親が健在のうちはいいけれど、未婚子なしの私はこの先両親が亡くなってしまったら、誰に手術に立ち会ってもらえばいいのでしょうか……。

 世の中に未婚、子なしの人が増えていく中で、このあたりは変わっていってほしいと思います。友達が立ち会えるようになるとか。

まさかの徒歩

 さて予定時刻通り、9時には看護師さんが部屋に迎えに来てくれ、手術室へ。

「準備できていたら行きましょう」

私と両親「えっ?」

 ストレッチャーじゃないの? 歩いて行くの??

 そうなんです。ドラマでは絶対にストレッチャーに乗せられてるし、前回の子宮筋腫の手術でもストレッチャーで移動したのでてっきりそうだと思っていたのですが、今回は手術室までとことこ歩いて行ったんですね。この病院だけでなく、がんの手術だとたまにあるようです。

 両親と別れて手術室へ向かう専用のエレベーターには何人もの患者さん。みんな歩いてるんだ……と急に面白くなってしまって、緊張感もゼロに。

背中に太い針を刺す「硬膜外麻酔」

 いくつも並んだ手術室の前にはオペ専門看護師2名、麻酔医2名、そしてほんまに先生。自己紹介ののち、1台のパソコンを見ながら術式の確認です。

 それが終わると手術用のキャップをかぶり、手術室に入ってベッドに上がって横たわります。全部自分で(笑)。

 麻酔医が2名いたのはどうやら1名は若手っぽく、1名は指導医です。若手の男性麻酔医、めちゃめちゃおしゃべりです。まずは点滴です。

「どうする? どこに針刺す? あ、麻酔はじめて? 麻酔で気持ち悪くなったことある?」

 もう忘れてしまったのですが、結構ずっとしゃべっていたので「先生、明るいんですね」と言うと「そうねー、麻酔医は僕みたいなおしゃべりが多いよね!」と言ってましたが、これまで会った麻酔医におしゃべりはいません。

 点滴に続いて硬膜外麻酔をします。硬膜外麻酔とは背中に太い針を入れて硬膜外腔まで入れ、この針づたいに細い管を入れて硬膜外腔に留置し、鎮痛剤などをここから流すもので、術後しばらく入れっぱなしです。痛いです。

 猫みたいに背中を丸くして針を刺すのですが、若手の麻酔医がヘタなのと私が猫みたいに丸くなれないのもあって四苦八苦し、指導医の麻酔医の先生がキレ気味に私の背中をぎゅーぎゅー丸め、サッと針を刺して完了。

 このあと、ちょっとまどろんでいたら「コクリコさーん、コクリコさーん」と呼ばれ、執刀医T先生が登場。

「先生、メガネどうしたんですか?」

「手術のときはコンタクトなんですよ!」

 などとちょっと会話をし、いよいよ手術開始です!

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


手間いらずでコスパすごっ!ルドベキアは見つけたら即買い!!
 職業病というか、なんというか。道端でハッとしちゃう植物を発見したら、どうにも気になるワタクシ。たとえ運転中でもどんなも...
【絶望】「夫の実家に帰省」要注意マナー&土産選びのまとめ
 夫の実家が遠方にあると、普段はあまりストレスを感じないかもしれません。しかし、問題は年に数回ある帰省時……。「気が重い...
愛してるぜ!意中のおんにゃの子に鼻チューしたい“たまたま”
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
クーラーいつ掃除する?在宅勤務の“上から夫”に怒り爆発LINE
 コロナ禍ですっかり定着した在宅ワーク。今まで、仕事に出ていた夫が家にいる日々に、ストレスが溜まっている妻はたくさんいる...
障子がビリビリに…子どもから家を守るには 2022.7.16(土)
 持ち家でも賃貸でも、家にはなるべく傷つけずに過ごしたいものですが、それは大人の都合のようです。悲しいかな、大切にしてい...
いつか来る日のため…知っておきたいペットロスの乗り越え方
 家の中でペットを飼うのが一般的となった近年、昔に比べてペットとの距離も近くなっているため、ペットロスに悩む人も増加傾向...
アッ、やられた! 豹変する先生に身の危険を感じる私
 書店員として本を売りながら、踊り子として舞台に立つ。エッセイも書く。“三足の草鞋をガチで履く”新井見枝香さんのこじらせ...
愛される「ちゃっかり者」の共通点 人気NO.1の瞬間を目撃!
 ”ちゃっかり者”って言葉を聞いた時、みなさんはどんな印象を持ちますか?  私はちょっと、ずるい印象がしてしまいます...
ちび“たまたま”が爪とぎコーナーで「お母さん、交代して~」
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
わ、簡単!ハイブリッドスターチスを流行りのドライにする!
 夏になると猫店長「さぶ」率いる我が花屋に来店くださるお客様の多くが、仏様のお花を買い求めにいらっしゃいます。そんなお客...
オレは“たまたま”に磨きをかける!パール男子に負けねえゼ!!
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
「おかずは卵、出し巻き、卵サラダ!」恨みを晴らすLINE3選
 ひどいことをされて、相手に恨みの感情を持ってしまった時、あなたはどうやって解消していますか?  今回は、深い恨み...
メンタル強者が指南「メンタル弱い人」共通の思い込みとは?
 みなさんは人の気持ちに敏感な方ですか? 相手が気分を害さないように行動したり、言葉を選んだりするタイプですか?  ...
伏し目がち“たまたま”の大人の色気…美シルエットにドキッ♡
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
人の幸せを喜ぶには? まずは“自分ファースト”で心に余裕を
 友達が幸せそうにしていると、なぜか自分だけが取り残されたような気持ちになる人もいるでしょう。人の幸せを自分のことのよう...
ミッフィーのライトが寝かしつけをお手伝い 2022.7.7(木)
 夫の転勤に伴い、子どもが生まれてから2度の引っ越しを経験した我が家ですが、どのおうちでも、子どもがいる部屋のどこかに鎮...