気分がズーン…その症状「冬季うつ」じゃない? 寒い季節でも元気になる“かんたん習慣”【医療従事者監修】

コクハク編集部
更新日:2025-12-18 11:45
投稿日:2025-12-18 11:45

2. 冬季うつに注意したい人の特徴

「冬季うつは、いわゆるうつ病と似た部分もあるわ。だけど、冬季うつだけの特徴的な症状もあるの。

 だから、自分はうつ病とは無縁だと思っている人でも、一度チェックしてみることをおすすめするわ」

「えりのさんがそこまで言うなら…。ちなみに、冬季うつってどんな特徴があるんですか?」

・秋から冬にかけて気分が落ち込み、春になると自然と回復する
・長時間眠っても眠気がとれない
・甘いものや炭水化物を食べすぎる傾向がある
・集中力が低下し、仕事や家事、学業の効率が下がる
・人と会うのが面倒で、引きこもることが多い
・季節ごとに気分の浮き沈みが激しい

「言われてみると、該当する特徴が多い気がします。とくに、冬って寝ても寝ても眠くて、だから友達と会う約束も最低限にして、休みは家に引きこもっていることが多いです。ひどい日だと、布団から出ようと思っているうちに寝てしまうくらい眠気が強くて…」

「それは、やっぱり冬季うつの可能性が高いわ。冬季うつでは、甘いものがやめられなくなったり、布団から出られないほど眠かったりする症状を訴える人が多いの。

 もちろん、少し食べすぎたり眠くなったりするだけならいいけど、放置すると生活の質が大きく低下するわ」

「確かに…。気分転換のショッピングも行けないことが多くて、ちょっとむなしい気持ちになることがあります」

「そういうことが続くと、気分転換が上手なカズミさんも、うつ病になるリスクが高まってしまうわ」

「なるほど…それは怖いですね。でも、冬季うつってどうやって対策すればいいんですか? 日本が冬になったら南半球に行くってわけにもいかないですし…」

「大丈夫。現実的な対策を今から紹介するわ」

3. 冬を全力で楽しむためには?

 毎年、冬になると体調が優れなくなったり気分が落ち込みがちになったりする人に、おすすめの対策を4つ紹介します。

3-1.摂るべき栄養素

 冬はクリスマスディナーや年末の残業、忘年会で栄養バランスが偏りがちな季節ですが、冬季うつを防ぐためには栄養バランスを意識することが大切です。

 とくに、魚やきのこ類に多く含まれるビタミンD、大豆製品やバナナに多く含まれるトリプトファンを意識的に摂りましょう。

 ビタミンDは日照時間が短い冬に不足しがちな栄養素ですが、これが不足すると脳内のセロトニンの分泌量が減り、冬季うつを発症するリスクが高まります。

 また、トリプトファンはセロトニンの元になる栄養素ですが、人間は体内で生成できないため、食品から摂取しなければなりません。

3-2.自律神経を整える

 ウォーキングやストレッチなどの軽い運動は自律神経を整えるだけではなく、血流の改善やセロトニンの分泌促進に効果的です。

 とくに、朝の運動は体内時計を整える効果があります。布団に入っても寝付くまでに時間がかかる人や、夜中に何度も目を覚ましてしまうという人は、朝の日光を浴びながら運動してみましょう。

3-3.太陽光を浴びる

 日光を浴びることが重要な理由は、日照不足が冬季うつの大きな要因になるからです。セロトニンの生成には日光が欠かせないので、日中はできるだけ屋外で太陽の光を浴びてください。

 外出が難しく、冬季うつの症状に悩んでいる人には、専用のライトを用いた光療法という治療法があります。

 専用の機器を使えば自宅でも実施できますが、体質によって適切な光の強さは違うので、医師に相談して行いましょう。

3-4.複数の症状で悩む場合は…

 冬季うつは強い眠気や過食、気分の落ち込みだけではなく、冷えや倦怠感といった症状が出る場合もあります。

 病院では抗うつ薬や睡眠薬が処方されることもありますが、体質や症状に合わせた漢方薬の服用もおすすめ。

 漢方薬は体質を根本から改善することで、複数の症状に対応することを得意としています。

 自分の体質や困っている不調に合わせて、漢方薬を飲むと症状が楽になることもありますよ。ただし、漢方薬は体質に合わせて飲むことが重要です。自己判断での服用は避け、医師や薬剤師に相談しましょう。

 スマホで気軽に専門家に相談できるオンライン個別相談も話題です。

 スマホで完結できるので、対面では話しづらいことも気軽に相談が可能。お手頃価格で不調を改善したい人は、医薬品の漢方をチェックしてみましょう。

コクハク編集部
記事一覧
コクハクの記事を日々更新するアラサー&アラフォー男女。XInstagram のフォローよろしくお願いします!

ビューティー 新着一覧


急に夜が淡白になり、枯れてしまった彼氏…【薬剤師監修】浮気以外で考えられる原因は?
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
40代で「実年齢+5歳老け見え」は絶対回避したい!【美容家激推し】お助けアイテム3選
 40代を迎えると、ちょっとした老け見えにも落ち込みますよね。「43歳なのに、48歳くらいに見られた…」なんてしょんぼり...
お肌のシミはなぜできる?【美容外科医が解説】薬局で購入可能なおすすめの薬と美容クリニックの威力
 この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、テッパンの不安や疑問を分かりやすく“一発回答”。美容医療11年目の美...
腹痛だけと思ったら大間違い!本当は怖~い「便秘」の5つの影響【薬剤師監修】
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
冬でもテカる! 厄介な「油田肌」3つの原因と対策3カ条。逆効果のケアしていませんか?
「夏はまだしも、真冬の今でも肌がテカるのなんでなの!?」とキレている女性の皆さま、必見!  今回は冬でも肌がテカる原因...
40代に高額な美容液は必要なの? 愛すべきプチプラではなく、全力で投資すべきデイリーコスメは…
 40代半ばを過ぎてくると「高価な美容液に変えるべき?」の疑問が湧いてくる人も多いよう。実際に私のもとへも、「プチプラ美...
脱ネガティブ! マインドフルネスって何?【専門家監修】1日5分から始める簡単メソッドを解説
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
美容家熱弁!40代以上に大人気のプチプラで“買い”な最新作(UV対策、ポイントメイク、ヘアアレンジ)は?
 ここ数年で「プチプラ」と呼ばれるコスメのレベルが、格段に上がっていますよね!  大人世代が使っても納得と満足の両方を...
噂の美容法「タオルで顔拭きはNG」って嘘でしょ!? 医師3人の回答は/専門家監修【美容のウソ・ホント】
 SNSやYouTubeにさまざまな情報が溢れている昨今。美容について発信するアカウントも多く存在し、なかには同じテーマ...
洋服でお金を浪費する人の特徴4つと回避策。通販サイトは“鬼門”かも?
 お金は稼いでいても、なかなか貯金が貯まらない人に多い特徴が「洋服でお金を浪費している」ケースです。なかには、洋服はたく...
お風呂から出てもすぐに足先が冷えるのはなぜ?【専門家監修】温活で全身ポカポカにする秘訣とコツ
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
20代が実例チェック! アラフォー女性がハマる“逆パンダ”アイメイクの罠
 アラフォー世代のみなさ~ん。若々しさを意識して華やかなメイクをしたつもりなのに、気づけば目元が浮き上がり、さながら“逆...
夫がハゲてきた…プライドも頭皮も傷つけない伝え方と妻にできること3つ
 夫婦の間でも、デリケートで伝えにくいのが「夫のハゲ問題」です。ハゲてきたと感じても正しい伝え方をしない場合、夫を傷つけ...
ダイエット成功の秘訣は「楽痩せ」【薬剤師監修】過去の失敗は“宝”。本当に好相性な超簡単ダイエットは?
 彼女の名は、えりの。女性の心を癒すためにはじめたサロン「コクハク」のオーナーで、界隈では「えりのボス」の愛称で知られ、...
「なんだかキマらない…」【美容家厳選】“メイク下手”40代こそ使いたい! 優秀プチプラ3選
 40代以上の自称「メイク下手」女性の多くが悩む「昔と同じようにメイクをしても、なんだかキマらない」問題。きちんとメイク...
「膣トレ」きちんと知りたい!インナーボール、膣ハイフ、膣ヒアルロン酸はwinwinな治療法!?
 この連載では美容医療“若葉マーク”の方々に向けて、テッパンの不安や疑問を分かりやすく“一発回答”。美容外科医の増田えり...