合併症の合併症!? 40℃の高熱で希少がん病棟へ“強制送還”

コクリコ 編集者
更新日:2019-12-14 05:39
投稿日:2019-11-12 06:01

咽頭がんを患った母と小6息子の会話に涙が…

 ようやく3日目に38℃にまで下がりました。38℃を平熱かと思うくらい、40℃がもたらす倦怠感はすごかったです。この2日間もゼリーをひと口ふた口食べたり、お茶を飲んだりしていたのですが、口に何か入れるたびに吐いてしまっていたので、ほぼ点滴で過ごしていました。

 ほんまに先生が言うにはイレウスは広汎子宮全摘出術による合併症で、腎盂腎炎はもしかしたらそのイレウスの合併症かもしれないとのことですが、合併症の合併症? なんで私はこんなにも合併症になるのか……。

 38℃に熱が下がると、ちょっと食欲も戻って、食事の時間にはおかゆを少し食べたり、おみそ汁を飲んだりできるようになっていました。

 ある日の食事中に、隣のベッドからたまごボーロが転がってきました。看護師さんや先生とのお話から想像するに咽頭がんを患っている方のようです。

「ごめんなさい! お熱大変だったね~、よく頑張ったね」と元気に声をかけていただきました。

 この方は、食べ物や水をのどに通過させることが難しいので、栄養補給はほぼ点滴。1回の食事で口から入れられるのは、たまごボーロ数個と、コーンスープのみ。さらさらしたものよりもちょっととろみのあるものの方がのどを通過させやすいと看護師さんに話していました。

 カーテンを開けると、とってもとっても痩せていて……移動は車いすで行っていました。

「ありがとうございます」と私。

「明日、息子がくるからちょっとにぎやかになるかも! 夏休みの宿題をみてやらないといけないんだ。ごめんね!」とその方がおっしゃいます。たぶん私と同世代です。

母親愛おしさにわざと宿題を…

 面会に来た息子さんは小学6年生。思春期を目の前にし、普通ならお母さんがうっとおしい年頃かと思います。でも、いま彼はお母さんと一緒に暮らせていません。甘えたいのに上手に甘えられない、でもなかなかお母さんの元を離れたくなくて……宿題を何度も間違えてはお母さんに指摘されています。

 きっとわざと間違っているんですね。「帰りたくない」という雰囲気が横で寝ている私にも伝わってきて、涙が出ました。私には彼と同じ年の姪がいるのですが、まだまだママに甘えています。

 6年生の男の子に、ママがいない暮らしはつらいよね。おばあちゃんがいたって、お母さんの代わりにはならないよね……。

 毎日、朝晩と先生が来るたびに「子供が夏休みだから早く退院したい」と頼み、「でも口から食事が摂れないと退院できないんだよ、頑張って食事できるようになろうね」と先生に励まされていました。

 息子さんのために、元気に退院できたでしょうか。ずっと気になっています。私には子供もいないし、ただ自分のつらさだけなのに、大騒ぎして本当に申し訳ないですね……。

 さて、話を戻すとこの先も3日ほどの間は37℃以下までは下がらず、ようやく平熱になったのは再入院6日目の朝。途中、4日目に婦人科病棟に空きが出たので、病室を移動していました。

 次回に続きます。

コクリコ
記事一覧
編集者
実用書の編集者(社畜)。アラフォー未婚のがんサバイバー2年生(進級しました!)。2018年、子宮頸がんにて広汎子宮全摘出術を受ける。現在ホルモン補充療法をしながら経過観察中。SNSをパトロールするのが趣味。“Twitter探偵”とも呼ばれる。でも幸せになりたい。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


湧き水が心にも沁みてくる 福井県爪割の滝
 北陸地方に甚大な被害をもたらした能登半島地震。  被災された皆様に心よりお見舞い申し上げます。  つらいこ...
貫禄の毛繕い中をパチリ!ありがたいご神体“たまたま”に感謝
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
【2023年人気記事】セックスは嗜好品?子宮頸がんサバイバーの性生活
 2023年は「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大きかった記事を再掲載します。こちらの記事初...
2024-01-04 06:00 ライフスタイル
近すぎなくていい 毎日は“ゆるい人間関係”に支えられている
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
【2023年人気記事】吉田沙保里と大久保嘉人は公認? ウロつく女が嫌!
 あけましておめでとうございます。2023年は「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大きかった記...
【2023年人気記事】新宿立ちんぼ女性に異変…進む売春のフリーランス化
 あけましておめでとうございます。2023年は「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大きかった記...
【2023年人気記事】ラブホテルに泊まりました。
 あけましておめでとうございます。2023年は「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大きかった記...
駆け落ちにマッチングアプリ…いつの時代もロマンティックに憧れる
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
【2023年人気記事】新幹線で帰省、ヤバい親子に遭遇!お互い様の解釈
 あけましておめでとうございます。2023年は「コクハク」をご覧いただき、誠にありがとうございました。反響の大きかった記...
年が明けたところで 正直なんも変わらないけれど…
 北海道で暮らす、まん丸で真っ白な小さな鳥「シマエナガちゃん」。動物写真家の小原玲さんが撮影した可愛くて凛々しいシマエナ...
あけましておめでとう! 2024年はどんな年になるだろうね
 スサノオノミコトが造った日本初の宮、島根県須我神社。  なかなかゆっくり参ることはできないから、気持ちだけでも、...
姦、嫐、嬲…スキマ時間に読み方クイズはいかが? 漢字って奥深い。
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
女同士の嫌味合戦に終止符を! 相手を黙らせる冴えた返し方
 女同士の嫌味の言い合いは、いつだって熾烈。 相手が職場の上司や同僚だと、言い返すことができずストレスになってしまう場合...
また!snsのアイコンコロコロ変えるの何で?4つの心理&注意したいこと
 あなたはsnsのアイコンをどのくらいの頻度で変えますか? snsを始めてから一度も変えたことがない人もいれば、月に一度...
義母「唐揚げは?」嫁「そうですね」義母「明日は鍋」献立確認もやもや!
 義母から送られてきたLINEでもやもやした経験はありませんか? 嫁いびりをするような義母であれば、不快なLINEに何度...
信頼の証じゃない 身内に“八つ当たりする”人の心理と対処方
 今回はお悩み相談回です。職場に好きな人がいる男性の方なのですが、よく想い人の女性から八つ当たりされるのだとか。 「信...