家で突然死も…軽視は禁物“ヒートショック”の5つの予防方法

東城ゆず ライター・エディター
更新日:2019-11-20 06:00
投稿日:2019-11-20 06:00

発症する環境から見るヒートショックの5つの予防方法

 さて、ヒートショック現象が理解できたところで、その予防法をご紹介します。「長年の習慣だから大丈夫」と軽視するのはやめて、自分の体をいたわりましょう。

1. 入浴前の飲酒や食事を控えること

 食事をすると消化器官に血液が集まるため、血圧は低くなります。この状態で入浴すると血圧は上がりやすくなって変動が激しくなるため、入浴前の飲酒や食事を控えるようにすることをオススメします。

 また、アルコールも血管を拡げたり、足元をふらつかせる原因になります。入浴により血行が促進されて酔いが回る可能性も高く、溺死する可能性も高まります。飲酒をするなら入浴後にしましょう。

2. しっかりと日頃から水分補給をする

 冬場は、夏場ほど水分をとる人が少なくなります。入浴中にはたくさん汗をかきますが、浴室という高温の環境に置かれると次第に脱水になり、血液がドロドロになる原因に。これが、血圧にも悪さをします。

 そのため、入浴前後は喉が渇いていなくも「コップ一杯の水」を習慣化するようにしましょう。

3. 脱衣所や浴室などの寒暖差をなくす

 昔ながらの日本家屋は脱衣所や浴室に暖房設備がないことが多く、ヒートショックを招く原因になっています。延長コードを使ってストーブをつけたり、脱衣所のドアを開けて他の部屋と寒暖差を統一するなど、工夫を行うようにしましょう。

 また、浴槽にお湯をためた後にしばらく風呂フタをあけておくと、蒸気の力で周辺が温まります。昔からの習慣で「年長者からお風呂に入る」という習慣がある土地もありますが、高齢者にとっては一番風呂は危険です。どうしても一番風呂にこだわる場合は、十分に脱衣所や浴室を温めてからにしましょう。

4. 急に立ち上がることを避ける

 血圧の急変動が起こりやすいため、急に立ち上がることはやめましょう。長湯も避けた方が良いです。浴槽に入る際には、まずは心臓から遠い場所である足先にシャワーや湯船の湯をかけてから入るようにしましょう。

「ゆっくり」が合言葉。全ての動作の前に、次の行動の温度に慣れるためのアクションを取り入れてみましょう。これまで全身浴をしていたのなら、浴槽から出る際も半身浴や足湯をしてから出るという流れを意識してください。

5. 浴槽の湯温は高めに設定しない

「冬だから風邪をひく」という理由などで、浴槽の湯温を熱めに設定するのはやめましょう。寒暖差が大きくなるほど、ヒートショックの確率は上がります。熱めのお湯が好きな場合は、脱衣所や部屋の温度もあらかじめ上げておくべきです。ちなみに、推奨温度としては38度から40度。一般的な介護施設では、湯船に浸かる時間を5分から7分程度にしています。

正しく理解してヒートショックを防ごう!

 寒暖差が原因で死に至ってしまうのは、とても悲しいこと。毎年のように高齢者が犠牲になり、「さっきまで元気だったのに……」という残念な事故が相次いでいるのです。

 ヒートショックは、その仕組みを理解していれば防ぐことができるものです。「自分は大丈夫」と油断せずに、毎日の生活を安全に楽しんでくださいね。

東城ゆず
記事一覧
ライター・エディター
1994年生まれ。11歳の頃からブログを運営。ライターやエディターとして、女性誌メディアや地元新聞のコラム枠まで幅広く活躍中。恋愛やママ友問題、介護士であった経験からリアルな介護問題まで幅広い知見がある。年子兄弟を連れ離婚の経験があり、現在は再婚に至る。

関連キーワード

ライフスタイル 新着一覧


あの人気観葉植物が地震を予知!? 植物の異変から事前兆候を察知する話
 テレビ画面に映し出される南海トラフの「巨大地震注意」の文字…。不安で心が押しつぶされそうになりますな。ワタクシが生...
アプローチ中のおんにゃの子は塩対応? “たまたま”の恋の行方にドキドキ
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
盆地を見下ろす丘で
 盆地を見下ろす丘で。  くるくると回る風に吹かれ、空に風の交差点を観た。
ほっこり癒し漫画/第79回「来るかな? ニャー」
【連載第79回】  ベストセラー『ねことじいちゃん』の作者が描く話題作が、「コクハク」に登場! 「しっぽのお...
「女郎花と男郎花」読める? ヒント:ジョロウは間違い。初秋に愛でたい
 知っているようで意外と知らない「ことば」ってたくさんありますよね。「女ことば」では、女性にまつわる漢字や熟語、表現、地...
ミルクに難色、昭和育児の「母乳信仰」って何なん? 押しつけがましい上から目線LINEにイラッ
 初めての育児や、何人もの育児をしているお母さんは、とりわけ、毎日大変! そんなお母さんを追い詰める身内、どうにかならな...
セレブ妻が赤羽のサイゼリヤに落ちるまで 上流階級との「品格の差」に絶望
 悠々自適なセレブ生活を送っている医師の妻・大宮由香。ある日、お嬢様学校に通う娘のクラスメイト・愛舞(らぶ)とその母親・...
勝ち組ママ友が放った屈辱的な一言。私を「一般人」と一緒にしないで!
 四ツ谷・番町エリアに暮らす医師の妻である大宮由香は、娘・葵を名門お嬢様学校に通わせている。小学校に入った葵から友人がで...
嘘でしょ…娘の友達が「キラキラネーム」? 玉の輿セレブの大きな誤算
 都会の中心でありながらも、ハイグレードな住宅街として知られる四ツ谷・番町エリア。  大宮由香は、小学校に入ったば...
スメハラ? 90年代の出版社は“異臭”がプ~ン…男と香水と時代の変化
 コミックや書籍など数々の表紙デザインを手がけてきた元・装丁デザイナーの山口明さん(64)。多忙な現役時代を経て、56歳...
移住の思わぬ落とし穴。収入激減で大後悔!こんなはずじゃなかった…
 コロナ禍でリモートワークに対応する会社が多くなり、地方への移住を一つの選択肢として捉える人は増えました。でも、あまり調...
直木賞作家・荻原浩氏インタビュー 世にはびこる誹謗中傷「耳の痛い意見が人を成長させるとは言い切れない」
 パリ五輪でも選手や審判などに対する誹謗中傷は深刻な問題となっている。誹謗中傷は、他人への悪口(誹謗)と根拠のない出鱈目...
まるで最高級の餡子玉! 黒猫のプリプリ“たまたま”がキュートすぎる
「にゃんたま」とは、猫の陰嚢のこと。神の作った最高傑作! 去勢前のもふもふ・カワイイ・ちょっとはずかしな“たまたま”を見...
江角マキコ芸能界引退から7年、初めてデビュー作を語る(後編)父を亡くした喪失感を「ゆみ子」に重ね合わせた
 芸能界から引退している江角マキコさんが、7年ぶりとなるインタビュー取材に応じた。目的は、石川県輪島市を支援するために特...
2024-08-07 07:00 ライフスタイル
江角マキコ芸能界引退から7年、初めてデビュー作を語る(前編)伴走してくれた能登の人たちに「感謝と恩返し」を
 芸能界から引退している江角マキコさんが、7年ぶりとなるインタビュー取材に応じた。目的は、石川県輪島市を支援するために特...
2024-08-07 07:00 ライフスタイル